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旧市街にある寝子島図書館では、地域に根付いたイベントが多数行われている。
それは司書を目指す
倉前 七瀬
も認識していたことだけれど、改めて一覧を眺めてみるとその幅広さに驚かされた。
例えば土日であれば、人形劇や講演会。平日であれば朝は大人向けの朝活読書会、昼には乳幼児向けのお楽しみ会として折り紙などのレクリエーション、そして夕方には子供に向けた絵本や紙芝居の読み聞かせ会。図書館は本に関することだけでなく、季節に合わせた工作や環境について学ぶ一環でのキャンドル作りなど、体験を通じて学びになることを積極的に行っている場なのだ。
もちろん、これら全てを図書館に勤めるスタッフが行うわけではなく、ボランティア団体を中心とした有志の方へお願いすることがほとんどだ。最近では近隣に木天蓼大学の寝子島キャンパスが出来たことで、一部学部の課題の場として相互協力をお願いすることもあり、それを切っ掛けに学生ボランティアも増えてきている。
とは言っても、授業の課題だからと全ての生徒が押しかけるわけにもいかないので、持ち回りはなかなかやってこない。
ぼんやり、ときにそわそわ。
図書館に足を運んでは、イベントの様子を覗き見る余裕があった七瀬だけれど、とうとうその日が近づいたとなれば、多少なりとも慌てるものだ。
題材はこれでいいか、声量はこれくらいが適当か、そもそも聞き取れるだろうか。心配は絶えないけれど、自分のやる気を奮い立たせる方法はひとつある。
それは、絶対に失敗したくないという状況を作り出すこと。
ウォルター・B
に来てもらえばいい。
『へぇ、図書館でねぇ』
「子供向けの読み聞かせなんで、ウォルターさんには退屈かもしれませんが」
平日の夕方なので、難しいかもしれない。だけど時間が合うなら、ウォルターに少しでも楽しんでもらえたなら。
「ご褒美があったら頑張れそうな気がするとです」
『ご褒美ぃ? ゼミの課題なんでしょ』
やって当たり前。評価は聞いてくれた子供たちと担当の講師がしてくれるものであり、ウォルターは無関係なのだから、この反応は当然だろう。七瀬だって、このお願いが図々しいと思っている。
「僕の読み聞かせがうまくいったらでいいんです、そうしたら僕のこと名前で呼んでくれませんか?」
ひと思いに言ってしまったけれど、ウォルターはどんな顔をしているだろう。沈黙が長く感じて、目の前にいるわけでもないのに顔を上げられない。
心底呆れたような溜息が聞こえて、七瀬はびくりと肩を震わせた。
『……わかった。できるだけ行けるようにするねぇ』
「は、はい! よろしくお願いします!」
やっぱり呆れられるほど、図々しいお願いだっただろうか。それとも、なんでそんなことをと思われただろうか。
なんだっていい。
とにかく成功さえすれば、『ご褒美』が待っているのだから。
当日、読み合わせのメンバーで相談して七瀬の出番は最後になった。
ウォルターがギリギリに駆けつけてくれてもいいように希望したが、ラストを飾るというのは結構緊張する。
人前で喋ることに慣れているでもない、そう面白い演出ができるでもない。その上七瀬には、この課題の成否が成績としての評価以上に大切なものに繋がる。
1冊、2冊と他のメンバーが読み終えていくうちに、ウォルターもやってきた。さすがに持ち場を離れて歓談するわけにもいかないので、七瀬はぐっと堪えて自分の番を待つ。
そうして最後の本。七瀬の出番だ。
抑揚なく淡々と。読み聞かせと言うより朗読に近く、悪く言えば棒読みのそれは聞き始めこそ目も当てられなかった。
「チーズはコロコロと坂道を転がりました。あれならきっと、町の市場まで早く転がっていくだろう」
その代わり間の取り方は絶妙で、聞いていた子供たちもだんだん物語が面白くなって、くすくすと小さな笑いを零し始めた。
「……しかし、次の町でもチーズの姿はありません。今もチーズは、行方不明のままだそうです」
なんとか読み終えて、七瀬は拍手をしてくれる子らに頭を下げる。
その中にはウォルターの姿もあって、七瀬は嬉しそうに駆け寄った。
「ウォルターさんっ! どうでしたか?」
「お疲れ様、七瀬」
呼んでくれた。名前を、呼んでくれた。
華やぐように笑って、もう1度とせがむように繰り返す。
「七瀬です。僕は、倉前七瀬です!」
だけどウォルターはにこりと微笑むだけで、すぐに視線は七瀬の手にしていた本へと移された。
「これですか? 棚の前でピンっと来たので選んだとです。このお話、ウォルターさんも……」
本を差し出そうとした七瀬は、思わず手を止める。
名を呼ばれることに必死で、大事なことが抜け落ちていたと思い出した。
「……知ってますよね、イギリスの童話ですし」
「そうだねぇ。倉前もそれくらいなら原書を読めるんじゃない?」
名前はお願いで、ご褒美だ。
この瞬間を労うもので良いと願ったのは、確かにそうなのだけど。
「洋書ですかぁ」
もっと頑張りますねと笑う七瀬には、また別の決意が秘めていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月21日
参加申し込みの期限
2023年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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