this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
一心精進
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
綾花をアパートに招き入れ、珪はお手伝いのお礼と称してミルクティーを振る舞った。
小鍋でティーパックの紅茶を煮出し、牛乳を加えて沸騰しない程度に温める。実に簡単な工程だけど、家事が苦手な珪にとってはひと手間以上に難しい作業だ。これで香りやコクが増すとはいえ、ササッと振る舞って早く帰そうだなんて思うなら、いくらお礼だと言っても珪はここまでしなかっただろう。
「熱いから、ゆっくりどうぞ」
もしかしたら玄関先で別れることになるのかもしれないと覚悟していた綾花は、こうしてゆっくりすることを勧められて落ち着かなかった。
図書館で借りた歴史の本は文字も細かく、読み込むには時間がかかってしまう。かと言って書店で買った寝子島の食マップなんかをキャッキャと読み合う空気でもない気がする。
そういう理由がなくても居ていいのなら、それが1番嬉しいけれど。珪の望む距離は、聞いてみないとわからない。
「珪さんは……私がここに来て、困ってますか?」
少しでも力になれればと思ったけれど、迷惑をかけているならこの場は諦めよう。
でも、少しでも寄り添ってもいいと言われたなら、もう後ろ向きに考えるのはやめよう。
覚悟を決めて見据えた先には、少し戸惑っている珪がいて。また誤魔化そうとされたって、それが彼の癖だと思えば本音にたどり着くまで諦めたくなんてなかった。
「困らないわけがないよ。だって君からは、好意を預かっているわけだから」
大切な言葉は口にしていない。だけど、恋人宣誓書を記入しないかと誘ったとき、珪は『今は』恋人ではないから書けないと言って、綾花が半分だけ記入した宣誓書を預かっている。他にも、想いを込めた贈り物や、意識してほしくて告白に近しい言動はとってきたから、気持ちが知られてる事自体は問題ない。
けど、気持ちを伝えすぎてしまっていたのだろうか。
「……迷惑、でしたか?」
声が震えそうになるのを我慢して、俯かないように背筋を伸ばして。綾花は必死に自分を奮い立たせて珪を見た。
部屋に行きたいと言ったとき、彼の戸惑った様子に何か隠したいことがあるのだと思ったけれど、綾花自身のことで悩み戸惑わせているのだとすれば、どうすればいいのだろう。
「そうじゃないから、困ってる」
思わず、といったように珪の口から滑り落ちた言葉を、綾花は瞬時に理解できなかった。
珪は確かに困っている。
(だけど、好意は迷惑じゃない……ってこと?)
綾花の驚いた様子に珪は慌てて口元を押さえる。が、1度漏れた言葉は取り消せない。珪は観念したように息を吐いて、ちらりと隣の部屋へと続く扉を見た。
「見合い写真が届くようになって、わかったことがあるんだ」
周りの思う、珪と釣り合いの取れた女性。
結婚をするなら年齢はそう離れておらず考え方の近い世代が良いのではないかとか。もし子供を考えるなら、少し年若いくらいがいいだろうとか。そんな考えが透けて見える紹介文に辟易としながら、珪はこれが世間の当たり前なのかと思った。
別にこれらは押し付けられているものではなくて、世話を焼かれているに過ぎない。きちんとこの人という人を紹介すれば、反対されることもなく受け入れてくれるとは思う。
「けど……世話なんていらないって突っぱねるなら、僕はちゃんとしなきゃいけない」
そうして行いを振り返ったとき、綾花に対して不誠実な態度をとっていたことに気付かされた。
明確な言葉がないからとか、立場とか。全てを理由にして『こたえる』わけにはいかないと曖昧にし続けて。
「綾辻さんが僕をどう思っているか……ちゃんとわかっているつもりだよ。なのに、僕は」
心の規律が取れなくて、そんな格好悪いところを見せたくなくて。良かれと思ってしてきたことは、結局綾花を悲しませてしまった。
生徒である綾花が無事に卒業できるまで教師として守りたいし、個人としての綾花が悪い大人に好意を利用されることのないよう自制したい。そう話す珪は、これがエゴだとわかりつつも、自分にできる唯一の正しい守り方だと信じていた。
やっと前を向けるようになった。その手伝いを、一心に慕う少女がしてくれた。だから気にかけてしまうのも仕方のないことなんだと、甘んじてしまうことを良しとできず……綾花を突き放すことももちろんできず。
先生として、大人として――個人の珪として、願っていたことはただひとつだったのに。
「どうすれば君を、守れたのかな」
自嘲するように笑む珪に、思わず綾花は手を伸ばした。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
一心精進
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月09日
参加申し込みの期限
2023年10月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!