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星降る夜に見た夢は
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「よーし、いくぞー!!」
「おーっ!!」
午後十時の寝子島駅へと集う者たちはいずれも雄々しい面構え。その中にあって
万条 幸次
と
野々 ののこ
などはいささかのんびりおっとりに過ぎるが、今夜ばかりは気合十分、号令は猛々しく星空へと響く。
煌々と輝く星明りの下、司会者、というかこれが
中沢 リッカルド
町長なのだが、新年からハイテンションに叫んだ。
「寝子島福人選び、出走まであと一分を切りました! いち早く寝子島神社へたどりつき、福人(ふくびと)に選ばれるのは果たして誰か! 皆さん準備はよろしいですか!?」
「「「うおーっ!」」」
事ほど左様に盛り上がりを見せる駅前広場。流れを説明するとこうだ。寝子島駅を一斉に出発し、参道商店街を駆け抜ける。九夜山ふもとから山道へ入り、階段を一足飛びに駆け上がれば寝子島神社の境内へたどりつく。社殿の入り口には神職が待っており、一番から三番までにたどりついた者たちがその年の福人として認定される。福人となった者たちには認定証と記念の小神像がリッカルド町長より手渡され、祝福される。
どこぞの年中行事にそっくりなイベントではあるがまあ、島のためならばあらゆる手を尽くすような郷土愛の塊たる町長の発案であり、寝子島の人々も概ね元来お祭り好きであるので、何ともあっさりと受け入れられたようだ。
幸次とののこも新年の一大イベントに福人となるべく参戦した。陸上ユニフォームのような出で立ちもこの日のために用意したもので、気合の現れであった。
「頑張ろうね、野々さん。負けないよ!」
「私だって! 幸次君もみんなもばっひゅーんって抜かしちゃうもんねー、にしし♪」
ふと聞こえた猫の鳴き声に振り向くと、花遊がマイペースに寝転がりながらこちらを見上げていた。幸次が戻ってくるまで、しばし留守番だ。花遊は賢いからどこかへ行ってしまったりはせず、好成績を持って帰れば喜びの声を上げ、ダメなら慰めに肉球をぷにぷにさせてくれるだろう。
「行ってくるよ、花遊。応援しててね」
「にゃあ」
「花遊ちゃん、私も私も! 応援してよー!」
「なあう」
「やったね、がんばろーっと♪」
いつもの天真爛漫に幸次もくすりと笑んだ。
「そろそろ時間です! 皆さん、位置について!」
町長の声に、彼らはスタートラインに立ちぐっと身構える。
「よーい!」
スターターピストルの小気味良い破裂音と共に、一団はまさしく銃弾のごとく全力で駆け出した。先頭集団には前年に件の某所本家副男選びを三位でフィニッシュしたという佐藤さんを始め、参道商店街でうどん屋を営みつつ島内マラソン大会では常に好成績を残す肉体派な山村さん、バンビーナ寝子島(女子サッカーのプロチーム)の現役ストライカー熊本さんなど最有力候補とされる選手がさっそくのデッドヒートを繰り広げる。
幸次はその後ろあたりに付け、様子見しつつ機を伺う。瞬発力では敵わないであろう相手も多く、タイミング勝負が命だ。ペースを崩さず、一定のリズムで商店街を駆ける。
「あれ、野々さんはどこへ行ったんだろう……うわ!」
「おっと悪ぃな、けどそんなトロトロ走ってちゃあ置いてかれっちまうぜ、坊主!」
と言って先を行くのは幸次より一回り二回りも上に見えるおじさんだ。まだまだ若いモンには負けんとばかり気合一発、ぎゅんぎゅんと順位を上げてゆく。周りを見れば鉢巻をしめて気合入りまくりの中学生女子、先頭を見据えて思わぬ猛追を見せる寝子高カフェテリアの栄養士さん、よれよれスーツ姿ながらに鋭い走りを見せる社畜サラリーマンなどなど、意外なライバルが引きも切らず押し寄せる。参加者の数に対して商店街の道幅も限られているから、衝突やら転倒も当たり前に起こり、思いのほかハードなレースの様相を呈している。
「のんびりしていられないな……!」
幸次も前方の集団へ食い込むべく一つギアを上げ、猛チャージを開始する。
「まだまだー、ばっひゅーん!!」
との声が聞こえたのははるか後方に思えたが、必死の走りに幸次も気にしている余裕は無かった。
「良いペースだ幸次、頑張れ! ぶっちぎれー!」
横合いからのかけ声にちらと視線を向ければ、
見覚えある顔
が目に入った。本当に応援してくれていたようだ。胸が熱くなり、幸次の足はこの夜の最大回転を記録した。
しかしながら山道へ入ったあたりからはいささか、話が違ってくる。
「こ、これはキツイ!」
普段ならばお年寄りでも悠々登れるくらいの緩やかな坂道が、全力疾走とあっては途端に険しき登攀路に等しくなるのだ。実際駆け上がるうち、そこら中にリタイアを決めた参加者たちがへたり込んでダウンする姿が見られた。うどん屋の山村さんは調整不足がたたりここで脱落、本家福男三位の佐藤さんも初めての寝子島でのレースは勝手が違ったか、息を荒げてうずくまっている。
密度の薄くなった先頭集団の殿が見えたところで、幸次はぐんと加速した。既に心臓バクバク、足もパンパンだがここが勝負どころと判断したのだ。
「ようし、もう一頑張り!」
程なく先頭へ食い込んだ幸次は、今年初めの全力疾走に魂を込め、走り抜いた。
まあやはり、プロにはかなうまい。寝子島神社の境内へ真っ先に飛びこんだ福人は、昨年のなでねこリーグを騒がせたバンビーナ寝子島の熊本選手が一位、名前も知らないが若い頃はアスリートだったという、あの時ぶつかったおじさんが二位だった。しかし見れば三位には何と、我らが寝子高で日々生徒たちの食事に心を砕く、栄養士さんが名を連ねているではないか。幸次は何だか自分のことのように誇らしい気持ちになった。
汗を拭きながら息を整えていると、境内へののこが飛びこんできた。
「やったー、完走だー! いえーい♪」
「お疲れさま、野々さん。頑張ったねえ」
「あっ幸次君! やー私スタート直後に転んじゃってさぁ、ドベだったけど結構追い上げたよ! にっしっし」
成績は振るわなかったがののこは朗らかな笑みを浮かべ、幸次も心は充実している。
「にゃお」
「あ、花遊! 応援してくれてたね。ありがと」
「にゃ~あ」
花遊を抱き上げ、ののこと並んで表彰式を見守る。清々しい気分で福人たちへ拍手を贈ると、にかっと歯を見せたののこにつられて、幸次の顔もほころんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月27日
参加申し込みの期限
2023年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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