【お正月】めでたや初春、猫の島の犬の年｜リアクション

【お正月】めでたや初春、猫の島の犬の年

〇三が日最後の日

　青山絢は、従姉妹の水谷真優理と一緒に寝子島神社へ参拝に向かいました。
（実は初詣はすでに終えていたのだけど、真優理さんは元旦は仕事だったから……）
「晴着は初詣に着たから、今回は普段着で……」
「えーっ！　絢ちゃんの晴れ着姿見たい！」
「メールで写真を送ったじゃない」
「でもやっぱり絢ちゃんの可愛らしい姿をこの目でしっかりと見たいのよ！」
「真優理さんのリクエストなら仕方ないわね」

「職場のレンタル着付けサービスなら従業員割で使えるから。こういう時に利用できるものなんでも利用しなきゃ。……私も着ようかな、どうせなら」
　そんなわけで二人は晴れ着姿で顔を合わせたのでした。
（絢ちゃん……なんて美しいの）
（真優理さん……すごく綺麗）
　二人は互いの着物姿を見て、その美しさに思わずボーッと見つめあってしまいました。
　──そして恥ずかしさでドキドキしてしまい、同時に視線を逸らしました。
　去年、絢と真優理は従姉妹から特別な関係になりました。
　その関係の名は「恋人」。

　寝子島神社に着き、二人は拝殿に向かいました。
「絢ちゃんはもうお祈りしたんだっけ？」
「ああ……したにはしたんだけど……突然マルチーズになっちゃったので、お賽銭とか鈴を鳴らすのとか割愛しちゃったの」
「マルチーズ！　見たかったわ……想像するだけで抱きしめたい！　せめてそれも写メしてくれればよかったのに！」
「無茶言わないで」
　興奮する真優理と綾はなだめ、そして二人は目を閉じ祈ったのでした。
（幸せな年でありますように。私も、真優理さんも。特に今年は大学受験もあるし、それが終わったらデビューしたばかりの女優としては少しずつ仕事も入っているので、そちらの方もうまくいきますように）
　絢は祈り。
（良い年でありますように。私も、そして絢ちゃんも。特に絢ちゃんは大学受験合格できますように！　女優としての仕事も少しずつ入ってるから、人気が出て、変な虫がつかず、万事うまくいきますように）
　真優理も祈ったのでした。

　二人はわんこみくじを引くことにしました。
「私は……大吉ね」
　絢の結果に真優理は喜びました。
「良かったわ！　私は吉だけど、悪くないわね」
「そうね、お互い、悪くないと思う」

　それから二人は、参道商店街の和風のアンティーク喫茶に入りました。
「絢ちゃんの晴れ着、本当に素敵だわ」
「真優理さんこそ」
　晴れ着を汚さないよう気をつけながら、ぜんざいやクリームあんみつを食べたのでした。
「おいしかったわね。次は福袋を買いに行きましょうか」
　二人は駅ビルのmiaoへ向かいました。
「混んでるかしら」
「三日目だけど、売り切れってことはないわよね？」

　幸い思ったほどの人ごみではなく。
「やった、にゃんにゃん福袋もわんわん福袋も残ってるわ！」
　福袋へ向かった真優理が歓声を上げました。
「わんわんが『すごくいいものが１つと１つ』にゃんにゃんが『けっこーいいものが２つと２つ』なのね」
「どうせなら両方欲しいわね」
　というわけで、真優理はにゃんにゃん福袋、絢はわんわん福袋を買いました。

　家に着いて、さっそく開けてみることにしました。
「絢ちゃんのは？」
「トイカメラが二つ……どちらも可愛いデザインだわ」
「私のは……暖かそうな靴下と手袋が二組ずつ！　二人で分けましょうよ」
　真優理がはしゃぎ、二人は幸せな気持ちで正月を締めくくることができたのでした。

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
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ご参加ありがとうございました。
たくさんの皆さまにご参加いただき、お正月を満喫させていただきました。
お年玉をもらうアクションは少なかったですが、私にとっては時ならぬお年玉をいただけた気分です。

はたして今年の寝子島はどんな年になるのでしょうか。
３月で終わってしまうのか、気になるところです。
これからも悔いのないらっかみ！ライフを楽しみましょう！

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