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冬。星ヶ丘。
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「寒っむ」
朝から冷え込む寝子島を、うっすらと白いヴェールが覆う。
桜井 ラッセル
の胸を少しばかりの後悔がよぎった。
「気分転換に……なるか? これ」
三年生である。受験が近いのだ。目指すべきものが進む先に見えているのはラッセルにとってやりがいとなるようで、最後の追い込みにも力が入った。花の大学生活を夢想すれば、隣にはニヒルに口角を上げて笑む彼の姿があった。うん、何とも楽しそうなことではないか。
とはいえ力のこもりっぱなしのめり込みっぱなしではガス欠に陥ってしまう。目標を完遂するには気概に根性、それに加えて適度な休憩も挟み己を保つ柔軟性も重要だ。つまり今日のラッセルは自発的オフ日、やるべきことはガス抜き、気分転換というわけだ。
特に当てがあるわけでもなく、何とはなしに星ヶ丘をぶらつくことにした。
ラッセルは金髪碧眼のハーフでいかにも星ヶ丘地区の気風が馴染みそうに見えて、その実フツウの庶民である。よっていささかきらびやかに過ぎる街並みには、鼻白むところがなきにしもあらず。あまり訪れないから新鮮ではあれど、家々のまばゆく純白の壁や逐一オシャレな屋根色のパステルにビビッド、道行く人々の装いのキマりようにもどこか気後れしてしまったりした。
「俺みてーな小市民にはちっとまぶしすぎる……って、はは。気にしすぎか?」
まぶしすぎるがまあ確かに、目新しくもある。なんだかんだと散歩を楽しんでいたら、目に入る看板があった。
「お。星ヶ丘ホースクラブ……雪上乗馬体験?」
乗馬。馬に乗ったことはないし、乗ろうと思ったこともなかった。しかし何だか興味を惹かれた。
ぴかぴかとまばゆい道を郊外へ少しばかり外れ、ラッセルの足は自然とホースクラブへ向いていた。そうしてしばし歩くと、大きな厩舎や柵が見えてきた。
「……!!」
白雪の上を軽やかに駆ける、雄々しく凛然たる姿も。ラッセルの身体は初めて間近に目にする衝撃に打ち震えた。
「馬、やべぇ……」
ハイスペック高校教師として名高い
ウォルター・B
のこと。もしや乗馬までもイケてしまうのではなかろうか。星ヶ丘ホースクラブの催すイベントを知った
稲積 柚春
は考えた。英国紳士たる彼だから、馬とも縁深いのではないだろうか。なんたって紳士は馬を乗りこなすものだ。勝手なイメージかもしれないがきっとそうなのだ。しかしながら完璧にして洒落たユーモアの持ち主でもあるウォルターにも、できないことはあると柚春は知っている。彼の掃除洗濯やら料理やらの壊滅的スキルやすこぶる残念な音楽センスを知っている。彼にも不得手はあるのだ、意外なことに。
しかしどうだろう、実際彼が乗馬をする姿を思い浮かべてみてほしい。まさしく英国紳士の鑑、いやそれどころか、王子様ではないか。乗りこなすのが白馬だったりしたら、もうどうなってしまうのだろう。柚春の妄想は加速した。
「へえ、初めて来たけど、いいところだねぇ」
そんなわけでウォルターを誘い、柚春はホースクラブを訪れた。植物園のなんとかいう花の鑑賞と迷ったが、ネット上に上げられた告知に踊る雪上乗馬体験の文字と、先の妄想が決定打となりこちらへ決めたのだった。
さっそくたくましい馬体を見つけ、柚春はウォルターの袖を引く。
「あ、馬! ワット、馬だよ」
「そりゃまあ、ホースクラブっていうくらいだから……おお」
この「おお」がいかなる意味合いでの「おお」なのか、柚春には推しはかりかねる。ここへ至るまで、彼は馬、または乗馬や馬術といったワードと自身の繋がりを「さあねぇ?」などとのらくらはぐらかして、実際のところを語ろうとしなかったから。もったいぶってか、それとも馬術は不得手なほうなのか、はたまた英国紳士にあるまじく(偏見だが)乗ったことすらないからなのか?
ともかくも柵の内には数頭の馬たちが放牧されており、たてがみなびかせ悠然と駆けている。なんと美しいのだろう。足元に積もる粉雪を散らしながら失踪する馬へ、柚春も乗ってみたい、触れ合ってみたいとの思いがふくらんだ。もちろん、ウォルターが颯爽と馬を駆るという素晴らしく眼福なシーンも目にしたい。
「……あれ?」
そう思い、雪上歩行体験へ申し込もうとあたりを見回したところで、見つけたのがニヤついて頬を緩ませる桜井センパイであった。
「へへ……新雪っていいもんだな。この上を馬に乗って歩くのかー。へへへ」
彼は柚春とウォルターの見つめる怪訝な視線に気づくと、頬を赤くして吼えた。
「こ、子供っぽくて悪かったな!」
星ヶ丘ホースクラブには個性もバリエーションも豊かな馬たちが暮らす。柚春とウォルターがまたがることとなったのは元競走馬だそうで、通算9勝10勝とまずまずの成績を収めたなかなかの名馬である……と言われても柚春にはピンと来ないのだが、相棒となった彼へと触れた手のひらへ伝わるしなやかな筋肉、整ったイケメンな面立ち、焦げ茶の毛並みも気に入った。
「今日はよろしくね」
鼻先を寄せるお馬さんも、柚春を気に入ってくれたのかもしれない。
「よいしょ、と」
声にウォルターを振り返ると、何と彼の姿は既に鞍の上にあった。またがっているのはつやめく明るいクリームの毛色で、白馬といえば白馬である。
柚春は目を輝かせた。
「ワット、やっぱり乗れるんだ!」
「驚いた?」
してやったりといったところだろうか。見上げる賛美の眼差しに、その顔が見たかったとばかり、にやりと笑ってみせた。聞けばブラックウッド家では小さい頃から馬に触れるのだそうだ。
一方、ラッセルの相棒はまだ決まっていなかった。スタッフに案内されて厩舎の中を歩き、順に馬たちを見つめていく。
「画材持ってくりゃ良かったな。どの子もイケメンすぎて、思わず絵にしたくなる……おっ! 目が合った」
つい手を振ると、ぶるるといななく。灰色の毛に、鼻先へ一本白いラインが入った馬だ。精悍というよりはやや愛嬌ある顔立ちをしていて、性格も人懐っこいという。
いずれの馬も捨てがたいが、せっかくなのでこの馬に乗ってみることにした。
「俺、全然初心者だけど……大丈夫かな。でも、頑張ってお前に乗ってみせるぜ!」
しばし後、白く敷かれたベルベットのような大地へ、三頭の馬が並び立つ。柚春は経験者のウォルターが乗り方を教え、スタッフも一人ついている。ラッセルは頼りがいありそうな小麦色の肌をしたスタッフの女性にマンツーマンで教わることになった。
乗馬用ヘルメットにプロテクター、ブーツ等をレンタルし、初乗馬へ挑む。まずは乗り方から。
「馬は初めて見るもの、急に動くもの、大きな音などに敏感です。まず声をかけてこちらに注意を促してから、焦らずゆっくり近づいてください」
「は、はい! よしっ……おーい、こっちこっち」
スタッフの指導に、ラッセルはややおっかなびっくりながらに近づいてゆく。灰色の馬は人に慣れていてあまり警戒心もないのか、拒むようなそぶりもない。
「馬の左肩当たりに立って、ええ、そのあたりです。手綱とタテガミをゆっくり掴んで」
「つ、掴んでいいんすか? 毛を」
「大丈夫。掴んだら、鐙(あぶみ)に左足をかけて。そのまま右足を蹴って、乗ってください。はい、せーの!」
「よっ!」
一瞬空を舞うような錯覚を覚え、直後にラッセルの尻は鞍の上へと収まっていた。
「の、乗れた……!」
灰色の馬がこちらを振り返り、一鳴きした。歓迎されているのだろうか。
「背、たけぇ……!」
目を白黒させるラッセルをよそに、柚春も見事鞍の上へと腰を落ち着けたところだ。
「そーそー、上手い上手い」
「うわぁ、こんなに高いんだ。空が近く見えるよ、ワット!」
首尾よく乗れたところで、馬を上手に歩かせる練習へ移る。馬の歩き方、走り方は「常歩」「速歩」「駈足」「襲歩」など様々に分類されているが、今回は常歩(なみあし)だ。
ウォルターのレッスンに、柚春は聞き入る。
「馬を歩かせるためには、馬に合図を送るんだ。脚全体で馬のお腹を少し圧迫するようにして、足首を軽く上下させる。やってみせるよぉ」
今度は柚春が「おお」と漏らした。白馬を闊歩させるウォルターの何と様になることだろう。絹織りの衣装に王冠でもかぶっていたならまさしく、王子様ではないか……と思ったが現代のこの場にあって、コスプレでもなければ王子様ルックは滑稽か。想像して思わず、吹く。
「? ほら、稲積の番だよぉ。やってみて」
「はーい、ウォルター先生♪」
挑戦してみると思いのほか難しいが、しばらく練習し、ウォルターと速度を合わせて並び歩けるようになった。
ラッセルもスタッフの熱心な指導を傾聴し、程なく相棒を好みの速度で歩かせられるようになった。要領よく憶えがいいほうだし、思えば鳥類に変身できるろっこんで得た動物としての視点も、馬との絆を築くのに役立っていたかもしれない。
目の前に広がるのは銀色の野。滑らかな平面を描き、降り積もる純白は轍を刻む者を待っている。そこへ並んで、歩んでゆく。
「ああ……気持ちいいね、ワット」
「雪上歩行は僕も初めてだけど、なかなかいいもんだねぇ」
彼と笑い合う視線の高さもいつもと違い、何だか新鮮だ。ふとラッセルと目が合うと、彼は柚春へサムズアップし、機嫌よく笑っていた。
しばし馬上にて雪を踏みしめ歩く。心洗われ、青空と白のコントラストも目に鮮やかな、爽快な体験となった。
乗馬体験を終え、ラッセルは後ろ髪引かれながらも(文字どおりにおさげをくわえて引っ張られた)灰馬と別れ、話題のカフェへと向かった。
「また来るからな。次も乗せてくれよな、相棒!」
充実感を胸に、香りのよいコーヒーとボリュームたっぷりのローストビーフサンドにかぶりつけば、疲れも吹っ飛んだ思いだ。受験勉強へも再び身が入るだろう。
「うしっ。もう一頑張りといくか!」
一方柚春とウォルターはホースクラブへもうしばし留まり、テラスで持ち込んだランチボックスを広げていた。中身は柚春お手製のサンドイッチにスコーン、ウォルターの好みの紅茶もある。
「ああ。いいねぇ。美味そうだ」
「
メアリさんに教えてもらったレシピ
なんだよ。星ヶ丘の食事もいいけど、やっぱり慣れ親しんだ味が一番でしょ?」
軽やかに駆けめぐる馬たちを眺めながら、いい気分のまま二人の時を過ごした。
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日常
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10人
参加キャラクター数
10人
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シナリオガイド公開日
2023年08月30日
参加申し込みの期限
2023年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月06日 11時00分
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