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冬。星ヶ丘。
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シーサイドタウン駅からねこでんに乗り込む。寝子島住人にとって愛着あるクリーム色とスカイブルーのツートンは、目にするたびほっとして心が和んだ。
シートへ腰を下ろし、この時間の車両にまばらな乗客の姿を確かめると、
綾辻 綾花
は彼の手を取った。だめだよ、とたしなめる言葉はなく、
早川 珪
も柔らかく相好を崩す。星ヶ丘駅で下車するまではこのままだろう。あたたかく、綾花の胸までもほんのりと灯る。
窓の外に流れてゆく、潮風香る街並みは活気づいている。クリスマスの赤と白こそ取り払われたが、あのきらめきがまだ視界を瞬かせているかのようだ。
(クリスマス……)
綾花の頬も赤く灯る。鮮やかに記憶が蘇り、思い出すと頭が湯立つ。頬が火照り、数十度も気温が増した錯覚を覚える。
「あれ。綾辻さん、顔が赤いけどどうかした? 暖房が効きすぎてるかな」
「い、いいえ! なんでもないですっ」
まぶしすぎる笑みからとっさに目をそらし、ただ手のひらにぎゅっと力を込めて彼の体温を握り込んだ。
植物園『ねこの庭』では、ホワイトパールサイネリアの花が見頃を迎えているそうだ。寝子島で品種改良された固有種で、七色に光を照り返す花弁の美しさは必見の価値あり、と評判である。綾花のお目当てもそれだ。
緑の庭園を二人、歩く。ベンチや東屋のある庭はピクニックにも良さそうで、実際持ち込みのランチボックスを広げる家族やカップルを何組か見かけた。今度は綾花もお手製の弁当を持参し、青空の下豊かな自然に囲まれての昼食もいいかもしれない。
「わぁ……」
赤、黄、青と並びを揃えられた多様な花たちが出迎えた。思わず口からは深くため息が漏れ、瞳は陽光を返し輝く。昨日に降った雪を少しかぶっているあたりも幻想的だ。シーサイドタウンから星ヶ丘へ、ねこでんに乗り一足飛びにやってきたこともあってか、何だか別世界へ迷い込んだかのようにも思える。
「……あっ。な、何見てるんですか、珪先生」
「え? いや、夢中な綾辻さんが微笑ましくてね」
気がつくと珪がこちらを見つめていた。綾花もどうやら緩んだ表情を浮かべていたらしいが、彼の頬の弛緩っぷりもなかなかだ。
「もう! お花を見てくださいっ」
「あはは、ごめんよ。ああ、あの花はなんだろう、綺麗だね。綾辻さん」
しばし解放感ある庭園を楽しんだら温室へ入り、本命を目の前にする。
「ああ……これだね」
混雑の隙間に当たったか、客はまばらだ。足を止め、ゆっくりと見入ることができた。
「虹色です……」
キク科のペリカリス属。サイネリアは細長い花弁を放射状に咲かせる。いくつもの株が半球のようにこんもりと集まり、見栄えがよい。花弁の色は実にバリエーション豊かで、赤白青に桃色、グラデーションしたり、縁取りのように色づくものもある。インテリアとして多様なシチュエーションにも馴染みやすく、冬のポピュラーな鉢花として親しまれている。
ホワイトパールサイネリアは、それを研究者が寝子島の気候に合わせ、品種改良を行ったものだ。どういう塩梅か……あるいは大きな声では言えないながら、神魂の影響を受けたのではないかともれいびの園芸家などはまことしやかに噂しているが……ともかくその花弁は真珠のように滑らかで、七色に美しく輝くのだ。
しばし、呑まれるように見入った。
「これ、お家でも育てたいです。でも、難しいのかな……?」
「そのようだね。でもほら、希少だからこその美しさ、というのもあると思うよ」
なるほど。含蓄あり風流も解する珪の言葉に納得し、この場で目に焼き付けておくことにした。緑の園に息づく虹の燐光はきっと、綾花の記憶へ永く鮮明に残り続けるだろう。
温室カフェへ立ち寄りホットチョコレートを購入する。右手にとろける褐色のぬくもり、左腕へ抱き込んだ彼のぬくもり。綾花の幸福は加速するばかりだ。
そんな頬の火照りを冷ますべく、というわけではないが、思い立って星ヶ丘マリーナへ足を運んだ。潮騒の音もいささか寒々しい季節ながら、隣に彼がいれば気にはならない。
白波が寄せては返す。大海に生まれた波濤も寝子島へやってくる頃には穏やかな小波となっていた。そのリズムが演出すれば、頭上を飛んでゆく海鳥の鳴き声も讃美歌めいて美しく耳朶をくすぐる。
縋るように珪へもたれながら、チョコレートを一口含みほうと息をつく。
「……好きです」
言葉がまろび出た。伝えたいと願い、想い巡らせるが故にだったが、伝えるべきは今この時ではないと気づいて取り繕う。
「珪先生と過ごす、この一時が……好きなんです」
綾花の頬はもはや爆発的な赤みを帯びていたし、繕うことができていたかといえばいささか怪しいが、それは珪もまた同じだ。
「いい、よね。寝子島の冬の海も」
そんなふうに述べるに留まったものの、もはや彼の胸の内も収めておくには膨らみがちであったのかもしれない。
帰りもねこでんに揺られてシーサイドタウンへと戻った。
綾花は珪の肩に頭を預け、猫と彼と夏の寝子ヶ浜海岸を歩む夢を見た。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月30日
参加申し込みの期限
2023年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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