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冬。星ヶ丘。
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「……またなの? 八十八旗君」
剣崎 エレナ
の呆れ顔というのもなかなか希少であり、プライドの高い彼女の少々崩した表情を引き出すことのできる、そんな相手の油断を誘い新しい一面を探り当てることは確かに、
八十八旗 信彦
の才能に違いない。
と、良いように解釈しておくことにする。信彦は両手を顔の前に叩いて頭を垂れた。
「お願い、エレナちゃん! 今回も力を貸してほしいんだ!」
「
この前
あれだけ付き合って、赤点突破に留まったのを忘れてはいないわよ。あなたすっかり満足していたじゃない。向上心なき者に費やす時の猶予は、このエレナにはなくってよ」
「い、いやだから、エレナちゃんのおかげで何とかなったわけで。こうして明日に繋がったわけで……大丈夫だよ、やる気十分! ほら見ておくれよ、この真摯なまなざしを!」
「良く言うわよ、まったく……」
腕組み、冷たい眼光で見下ろすエレナだが信彦も怯むそぶりはない。図抜けたポジティブはもはや鉄面皮レベルだがそれよりなにより、彼にとっても後がないのだった。
前回の期末試験は、エレナの大学の夏休みの貴重な時間をいくらか信彦へ分けてもらうことで、どうにか際どい分水嶺を越えることができた。が、ここに次なる天下分け目の大決戦が迫る。受験である。信彦は引き続いてエレナの助力を取りつけ、あわよくば卒業・進学へのバックアップまでもお願いしたい腹積もりなのだ。
「大体あなた、彼女はどうしたのよ彼女は。あの子に教わればいいじゃない」
「彼女は勉強優先で遊んでくれな、いやいや忙しいようでね。頼れるのはエレナちゃんだけなんだよ、頼むよ~」
まあ、なんというか。こうして星ヶ丘の路上、偶然にもエレナと顔を合わせるまで受験のことなどはすっかり記憶の彼方、忘れていたのだが。一人勉強の息苦しさについ寮の自室を飛び出し、気分転換および恋人とのデートの下見も兼ね、最近人気と噂のカフェへでも足を運んでみようか、といったところの邂逅だったわけなのだが。
「はあ。しょうがないわね」
「エ、エレナちゃん、それじゃあ?」
しばし思案する様子を経て、エレナはぴんと背を正したやたらめったらいい姿勢でモデル立ち、いつもの自信に満ちた笑みを浮かべ言った。
「やるからには、満点! 目指すわよ!」
彼の名誉のためにも一応述べておくなら、信彦の成績は決して悪くはない。多くの教科で平均を上回っているし、覚えがいいから大抵の苦手科目も少し時間をかければ克服することができた。八十八旗家の資産を活用して斡旋してもらったハイスペック家庭教師もおり、概ね問題はない……のだが、そんな彼の唯一つ頭痛の種が、英語であった。科目の向き不向きには個人差もあろうし、こればかりはいかんともしがたく、ヒアリングもリーディングもからっきし。コミュニケーションとなるといつものノリと勢いで、これが不思議と何とかなったりすることもあるが、受験ではそうもいくまい。大学受験において英語は最重要科目ととらえられる向きも多々あり、何らかの個別対策が必要であろうと、今さらながら焦燥感にかられているところだったのだ。
そんなときに与った幸運が、エレナによるマンツーマンの受験対策英語講座であった。政治家を目指し邁進しているらしい彼女は、英語の習熟にも手抜かりなく完璧なのである。おまけに他者へ教えるのも上手い。
カフェ『Un ange passe』の、あえて奥まった席へ向かい合って座る。信彦はコーヒー、エレナは紅茶を頼んでひと息ついてから、参考書や問題集を広げる。
「さて、じゃあ始めましょうか。言っておくけれど、あなたの志の低さが露呈するならば金輪際、付き合わないわよ」
「分かってる、分かってるよエレナちゃん!」
そうして授業が始まってみて、やはりエレナは適任であると信彦はあらためて悟るに至った。分かりやすく丁寧、かつ信彦が興味を失わないよう解説にはウィットも効かせてくる。信彦の回り道にも根気よく付き合い、見事正解へと導かれれば、信彦と一緒に彼女もまた笑った。その嬉しそうな顔ときたら。
「……ん?」
「あら、何? 質問かしら、どこ?」
「ああいや、何でもないよ。続きを頼むよエレナちゃん」
信彦はその時になって、我ながら鈍いことだがと思いながらもようやくにして、本日出会った直後の彼女がどうも、少なからず落ち込んでいたらしいこと気がついた。いつもの超然とした態度を崩さず、かつ華やぐような今の微笑みと比べてみれば明らかに、先程のエレナの表情は憂いていた。信彦とこうして一つのことに打ち込み、時に叱咤し時に笑い合うことがどうやら、彼女の気を晴らす一助にもなっているようなのだ。
(はてさて?)
授業にも一区切りがつき、もう一頑張りの前にしばしの休憩をと、人気メニューだというローストビーフサンドを頼み分け合って食べる。それを好機とした。
「ところで、エレナちゃん。今朝は何だか沈んでいたようだけれど。何かあったのかい?」
「……え」
信彦の気づきは正しかったのだろう。エレナは目を丸くした。自分磨きを忘れない彼女は、瞳までも宝石のように美しい。
デリカシーがないと言われればそうかもしれないし、余計なお世話かもしれない。しかしながら言わせてもらえば、信彦は紳士である。女の子の、それもこうして恩ある彼女の物案じ顔に、見て見ぬ振りなどできなかった。
エレナは眉を寄せ、口を開きかけては閉じ、という動作を幾度か繰り返した後に、かぶりを振って言った。
「心配してくれるのね。八十八旗君のクセに生意気」
「ひどいな!?」
「ええ、まあ、大したことじゃないの。それにここで話すようなことでもないから……大丈夫よ。ありがとう」
「そうかい?」
それきりエレナは語らず、ペン先で授業の再開を促す。信彦の疑問はまだ首をもたげていたが、いつしか彼女のもたらす知識の奔流に押し流され、集中を深めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月30日
参加申し込みの期限
2023年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月06日 11時00分
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