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LIQUID -Star Chronicle- 三日月戦争編
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【ストーリークエスト『三日月戦争』(4)】
枝葉にコーヒー豆が三つ。幾度となく目にし、追い続けてきたそれを、アオイやマーナ、シャローテらが見間違うはずもない。
「邪神<バリスタール>の紋章……」
渋面を浮かべたアオイの肩へマーナは手を乗せ、自らもほうと深く息をはく。
「なんだかねぇ。ついて回るのよねぇ、邪神の影ってやつが」
「つまり……件の貴族は、バリスタールの信奉者だった、ということですの?」
貴族の主人が妙なことに巻き込まれてはいないか、との依頼であったが。地下の暗い部屋をぐるり見回して、
「妙なことどころか。どっぷりハマってたわけ」
アオイは部屋の壁、紋章を掲げられた祭壇、そこに灯された蝋燭の火へ順に目を剥けた。石壁は埃っぽく、祭器は使いこまれている。蝋燭は今朝方などに灯されたものだろうか。部屋はおそらく昨日今日と整えられたのではなく、長年に渡って使われてきたのだろう。ぐるりと思考を巡らせれば思い至る。依頼人に屋敷のどこか、開かずの間のひとつもなかったろうかと尋ねればきっと、同じような祭壇やあるいはひとそろいの祭器が見つかることだろう。
「でも、依頼は妙なことに巻き込まれてないか確認して、だったわよね。これ、報告して終わり?」
首を傾げたマーナ。確かに、これまでにこなしてきた邪神関連のクエスト、その顛末と比較すればひどく味気ない。波乱のもうひとつふたつはあっておかしくないのだが。
「……あらあら。下等な人間ごときに、アタシの企みを破られるとはねぇ」
とっさに飛び退いたアオイの眼前に、爆炎が弾けた。
どうやら、波乱の展開が向こうから飛びこんできたようだ。三人娘は身構える。ぞろりと長いメイド服のスカートが邪魔だが、気にしている余裕はなさそうだ。
「あんた誰!?」
「ヴォーゲンリッター、<火将フルミエール>。名乗ってやるのは、アンタたちはここで燃え尽きるから。どのみちね」
言うが早いか、乱入者の手元から一筋の炎が走り抜ける。ごうと灯る、炎の鞭だ。
頭には赤い二本角、口元には牙。背にはためく小さな翼に、長大な尾。火竜のような特徴を備えた、しかし見た目はドレスを纏う幼い少女だ。火将の名のとおり自在に猛火を操る、ヴォーゲンリッターのひとりであるらしい。
「ちょっと、どういうこと!? バリスタールが絡んでるんじゃないの? ていうか、この部屋の主はどうしたのよ? 例の貴族さんは」
「ふふん、よく吼えるわね。これだから下等生物は」
慌ててアオイとシャローテにバフを撒きつつ、マーナが杖を突きつけ叫ぶ。
フルミエールは肩をすくめ、くるりと一回転してみせた。瞬間、目の前には小太りな白髪の中年男が現れる。
「ちょっと陽炎を操れば、このとおり。姿なんていくらでも偽れるのよ。本物は……ほら、アンタの足もとに」
示したほうへ目をやり、マーナは飛び上がって悲鳴を上げ、アオイに抱きついた。転がっていたのは、焦げ付いた白骨だったのだ。
「わけが分かりませんわ。ヴォーゲンリッターがバリスタールの信者を語る? なぜ?」
「答える義理はないけれど。とはいえアタシの練りに練った策をお披露目する機会も失われたことだし……」
戯れのように放つ炎の矢を、シャローテの投げナイフが弾き、相殺する。部屋にはあちこち火が付きくすぶり始めていた。
「首謀者はベルモットちゃんよ。彼は皇帝に帝位を明け渡すよう何度も告げたけれど、あの老いぼれは頑として首を振らなかった……だから強硬手段に出ることにした。力を得たのを機に、ね」
「力?」
「月の杯」
メインストーリーに絡む古代の遺物について、アオイたちも知らぬではない。
「老いぼれ皇帝は放っておいても死ぬでしょうけれど、一年も二年も待ってはいられない。といって表立って事を起こし、帝位を簒奪したとしても、誰もベルモットちゃんを真の皇帝とは認めないでしょう? そこで目を付けたのが」
「バリスタールってわけ。邪神のせいにしてやろう、ってこと?」
白羽の矢を立てられたかの貴族が、宮廷内の邪神信奉派であったのは確かなのだろう。彼を通じてバリスタール教団の擁する暗殺者を引きこめば、首謀者が手を下すことなく皇帝を排除することもできたかもしれない。おまけに父を失った悲劇の息子が新たな皇帝として起つ、などと劇的な即位をも演出できる。
アオイはやはり、ため息をついた。
「邪神に弧の騎士団、皇太子って……どんだけ野望のよくばりセットなんだよ」
「どうする、アオイ? ずいぶん強そうな子だけど……っとと!」
炎の鞭の軌道をくぐり抜け、マーナが<旋風の加護>を広げる。狭い地下室に炎が回り始め、もたつけばすぐにも煙に巻かれてしまうだろう。
「ここはひとまず……」
「ひとまず?」
「逃げるわよ!」
上階へ続く入り口を阻む火将めがけ、
「<龍突拳>ーーーっ!!」
その隙を強引にこじ開け、駆け上がる。
皇帝の住まう居室にしては、やけに寒々しく思えた。広く、贅をこらした造りであるにも関わらず。薪はこんなにも煌々と燃えているというのに。
「窓を閉めてくれ。近頃は風の冷たさが堪えるのでな」
しわがれているもののしっかりとした声だ。椅子に深く腰掛け、弱々しく咳を吐きながらも、皇帝として最後の矜持を失ってはいない。そんな風情だった。相対するオサムも肌へ伝わる緊張に、思わず居住まいを正す。
アオイが窓を閉じると、薪の炎が老いた皇帝キールの顔に刻まれた陰影を深めた。
「冒険者風情にこうも容易く侵入を許すとは。堅牢なる近衛の護りも地に墜ちたものだ」
「階下でボヤ騒ぎが起きているようで、そちらに手を割いているのでしょう」
炎を振りかざす何者かとひと悶着を演じているらしい冒険者仲間はどうやら、オサムらとは別の目的で潜入したようだ。おかげでこうして警備の間隙を突き、皇帝と対峙することができた。
「それで。何用だ。この落ちぶれたかつての狂帝に」
自虐的な口ぶりに、宮廷の彼への扱いが見て取れる。その権威は失われつつあり、仕える臣下も世代交代が進んでいるのだろう。仕掛け人は言わずもがなだ。
オサムは恭しく頭を垂れながら、告げた。
「貴方の真意を問いに」
「儂のなにを問う」
「息子の行いを、貴方は容認しているのですか」
ぴくり、と彼の痩せた肩が跳ねたのを、オサムは見逃さなかった。一転、かぶった威勢が剥がれ落ち、疲れ切った老人の顔が現れる。
居心地悪そうに成り行きを見守るアオイへひとつ笑いかけてから、オサムは続ける。
「ヴォーゲンリッターと名乗る奇妙な騎士たちを率いて、サイディア王国へ攻め入ろうとしている件です。今まさに事は瀬戸際だ。捨ておけばワインツとサイディア、二国の正面衝突へ発展しかねない。そのことを貴方は、知っているのですか」
ひゅう、と喉を風が通り抜けて鳴った。
「…………は」
「? なんと?」
声を絞り出そうとしてか、ここではないどこかを臨むかのように、皇帝は震える手を伸ばす。アオイが思わず駆け寄りその手を取るのを、オサムは止めなかった。彼は今にも崩れ落ちそうに見えたので。
「あれ、は……本当に……我が息子は」
言葉にしたものかと逡巡するように、彼は迷い、しかしオサムの目を真っすぐに覗き込みながら、半ば吐くように言った。
「幼き日の奇矯も、戦場へ出してからの暴虐も……皇帝の座を奪わんとする野心、企みさえも、歪ながらに、人の心のなす振る舞いではあったのだ。しかし、今のあやつは……あの死人がごとき白き瞳は」
老人はオサムへ縋るようにして、反対に問うしかなかった。
「あやつは、まだ、人なのか? それとも……?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月16日
参加申し込みの期限
2023年08月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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