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LIQUID -Star Chronicle- 三日月戦争編
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【サイドクエスト『誘拐縁起』】
「ほう! こいつがVRってやつか」
道行く人々の纏う鮮やかな藍に紫、野山の鮮烈なまでの緑。青空のまぶしさとそこに浮かぶ雲の造形までも。どこを見回しても、迫りくるようなリアリティがカタナ(プレイヤー:
御剣 刀
)を圧倒した。VRなる遊びがここまで真に迫るものだとは思っていなかった……なにしろ専用のヘッドマウントディスプレイがこの手のデバイスにしては低価格、というよりもはや破格だ。大したものではなかろうとたかをくくっていた。
それがどうだ。
「すげえな。まるで本物じゃないか」
カタナが降り立ったのは東方二国の一つ、玉楼の都。その首都に当たる<火入れの宮>だ。現代のビルにも負けじと背の高い、和の趣きあふれる家屋が立ち並び、荘厳にして雅やか。しゃなりと歩む都人たちも金刺繍の豪奢な着物をぞろりと纏い麗しく、周辺の村々に暮らす農民などと比べても立ち居振る舞いは洗練されて、なんとも優雅だ。
散りばめられた色彩の妙、その美しさにカタナは呑まれ、ひとつうめいた。
カタナの興味事といえばやはり、剣の腕前の研鑽だ。『LIQUID』の世界に彼が求めるものは、強敵との血沸き肉躍る果し合い。凍り付くほどの緊張感、ひとつ判断を誤れば哀れ首無しの憂き目に遭う。そんな戦いの極致である。
「ダンジョン探索も楽しそうだが、ソロプレイじゃ難しそうだ。ひとまず手頃なサイドクエストをクリアしてみるか」
瓦版に要人救出のクエストを見つけ、受注することにした。
「『さる貴族の娘が拐かされた。犯人は身代金を要求している。手練れの用心棒を助っ人に連れているらしく、手が出せない。腕に覚えがある者に救出を依頼したい、報酬はたんまりと出そう』……か。いいじゃないか」
さっそく火入れの宮を出て歩き、西方の竹林を抜ける。山道をそれて獣道をたどった先に見える掘っ立て小屋に、件の娘が囚われているらしい。
眼下に雲海けぶる圧巻の絶景を臨みながら、
「さて、初陣だ。やってみるか」
カタナは玉楼のサムライであり、クラスはウェポンマイスター。得物は当然にして腰に佩いた日本刀だ。銘こそないががっしりとして頑丈で、剣戟にも耐える堅牢を誇る……とフレーバーテキストには書いてあるが、実際のところは振るってみなければ分かるまい。
臆することなく大股に近づいたカタナを気取ったか、傾いた小屋からはいかにも悪漢といった顔ぶれがまろび出た。
「おう小僧、なんの用だ? 失せるがいい、寄らば斬るぞ」
「中のお嬢さまに用がある。おし通る」
「なにを!」
初戦闘だ。刀や槍を持ち、ぼろ布の上に申し訳程度の甲冑の一部を身に着けた風体から、彼らも食い詰めたあげくに営利誘拐など画策するに至ったのだろうと想像が及ぶが、手心を加えてやる道理もない。
鬨の声を上げ突撃してくる敵を見据え、カタナは静まり、愛刀の鯉口を切る。
おう、やあとドスのきいた声がカタナを捕らえる間もなく、
「…………もう斬ったぜ」
「え?」
「あっ」
カタナの姿は彼らの後方にあった。ち、とはばきが鳴り、愛刀は刃を見せることもなく鞘へ収められている。
彼の持つスキルはシンプルにして磨き上げられている。<アクセラレータ>で肉薄し、<居合>で斬って捨てる……単純がゆえに強力無比、刀自身の剣の冴えも相乗し、『LIQUID』の中にあっても衰えは見られなかった。
背に悪漢どもの倒れ伏す音を聞きながら、振り返ることをしなかったのは、小屋の中からさらなる殺気を放つ者が姿を見せたからだ。
「兄さん、やりなさるね。尋常な使い手じゃねぇと見た」
「あんたが用心棒か? 悪いけど、お嬢さまは返してもらうぜ」
「構いやしませんよ。金で雇われたあたしだ。ま、雇い主が逝っちまったら用なしだが……それより兄さん。あんたの剣に興味があるね」
線の細い優男だ。無地の着流し。あまり几帳面なたちではないのか、結った髷はほつれている。顔には幾筋も深く傷が走り、片目はそのひとつによって伏せられていた。
流麗な所作で腰の一刀を抜き放ち、正眼に構える。
「兄さん。名を聞かせちゃくれやせんか。これから斬り合おうってときに野暮なことと思うかもしれねぇが、性分でね」
「カタナだ。流派は……御剣流とでも名乗っておこうか」
「あたしは、<銀水>と申します。さあ、やり合いますか。本当のところ、あんたも貴族の娘っ子なんぞに興味はねえでしょう? あんたもこれを待ってたはずだ。そういう顔をしてなさるぜ」
柄に手をかけ再び鯉口を切りながら、すり足。じり、と間合いを図る。見据える瞳は真っすぐにカタナへ注がれ、コンマ1秒たりともそれることはない。一瞬でも隙をさらせば即両断。空気が凛と鳴るほどに張りつめ、時は凍てついてゆく。
確かにそうだ。カタナはこれこそを求めていた。
「……!」
ぱき、と小枝かなにかを踏み折る音がした。ひと息に鞘走らせる。狙うは首元。しかし重く美しく刃は打ち鳴らされ、鍔迫り合いに切っ先は震えた。
「やめてください!」
弾かれたように飛び退る。距離を離すと、銀水はにやりとカタナへ笑み、くるり踵を返して走り去った。ひとつの躊躇もない。もとよりここで蹴りをつける算段ではなかったか。あるいは惜しい、と思ったか。
カタナの後ろには、件の人質であろう。なんとも華々しくゴージャスな着物を纏って日本髪を結った、いかにも姫君といった出で立ちの少女が目を潤ませていた。
「あの方、きっと性根から悪い方ではありません。悪漢どもの手に汚されんとするわたくしを、守っておられたのです」
要人とはまさしく、火入れの宮の姫君であったらしい。カタナは数千ボトルの報奨を手に入れ、姫と殿さまに見送られて城を跡にした。
「あいつ……一撃のみだったが、すげえ剣だったな」
あのまま剣戟を続けていたら、どちらが斬り伏せられていただろうか。
VR、ゲームの世界と半ばあなどっていたが、カタナを震わせる剣豪、強豪もこの世界には存在するようだ。立ち合えば立ち合うほどに、現実の剣の腕として持ち帰ることができるものも見いだせるかもしれない。
「なかなか歯ごたえがありそうだ。気に入ったぜ、『LIQUID』!」
身を震わせるような死合いへの期待を胸に、愛刀の柄を握りしめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月16日
参加申し込みの期限
2023年08月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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