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雪待ち、恋傘横丁
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毎度のことだが、無為に驚かせるのは勘弁していただきたいと思う。もっとも、
風の精 晴月
に驚かせようなどというつもりはまるでないのだろうが。
「ひ、人のいるところでは浮かない! ほら、目立っちまってるじゃねーか」
「あ、ごめん。ラッセル、見つけたから。つい」
にひ、と笑んだ。まるで悪びれないこの笑顔には、
桜井 ラッセル
も毒気を抜かれてしまう。
風のように飄々と……などと安直な比喩に留まらず、実際風をまとい浮いてしまうのが晴月である。昨今寝子島でもたびたび目撃するようになったあやかしの類だろうかとラッセルは思うが、本当のところは分からない。
彼女について分かっているただ一つは、自身が彼女を大切な存在と感じていることだ。
「ラッセル、今日はなんだかフシギだね」
「あん、何が」
「だってみんな、キモノ? 着てるから」
綺麗だね、ときらめくエメラルドの瞳で晴月はそう言った。
確かにここは旧市街、参道商店街の一角で、今日はなんとかいうイベントが行われているらしかった。和装をして和傘を持ち、街を歩けば買い物が半額になるという。半額。なんて魅力的な響きだろう。
といって、ラッセルは素通りするつもりだった。和服には憧れがあり着てみたいと思ってはいたが、一人ではどうにも気後れしてしまうし、着慣れないものを着るという行為にはばかりを感じてしまう。何でかって、照れくさいではないか。
「今日は、そういう日なんだってさ。みんなで着物を着て、ああして傘を差して歩くんだ」
「へ~。いーなー」
興味のないフリをして通りすがる予定が、晴月の「いーなー」がラッセルに時ならぬ決意をもたらした。
「……よし! 俺らもやってみるか!」
瞬く間に、碧緑の瞳が明るい光を帯びた。
「和装のワットかぁ」
つい、妄想と願望が入り交じって口からまろび出た。
ウォルター・B
はぱちくりと目をやってから、
稲積 柚春
を悪戯っぽく流し見た。
「見たいの?」
「ええ~? そんなの……見たいに決まってる」
今日はデートである。少なくとも柚春はそう思っている。ウォルターのほうは、どうだか知らないが……まあ恋傘横丁とやらのイベント中らしいから、寝子島高校の見た顔もちらほらと目に入る。残念ながらそう易々と教師の顔を崩してはくれないだろう。
それでも、いやそれならばせめて、見たいではないか。想い寄せる彼が和の趣きを着こなす艶姿、ぜひとも目に焼き付けたいではないか。
「着物と和傘、格安レンタルだって! やろうよ、ワット」
「そうだねぇ」
彼はふむとしばし考え込むそぶりを見せた。体面もあってか快く、とは言いがたいのかもしれない。
「英国人代表、英語教師として日本の和の心に触れておくのも、悪くはないかもしれないねぇ?」
その上で彼は、やけに持って回ったような言い回しで了承してくれた。それが彼なりの言い訳であるらしい。
「じゃあいこ!」
ウォルターの袖を掴んで、呉服屋『きじとら』の店内へ踏み込んだところで、柚春はぴたりと固まった。
「あ」
「おっ?」
ラッセルと晴月だった。いきなり見知った顔と出会ってしまったのだった。
スタッフの人手もスペースも余りある。あえて順番待ちを挟むというのもおかしな話であるから、ラッセルとウォルター、柚春と晴月に分かれ着付けを施してもらうことにした。
「いや、稲積が来てくれて助かりましたよ。晴月のやつ、一人にするとちょっと心配っていうか」
「純朴そうで、可愛い子じゃないかぁ。彼女かい?」
ウォルターはラッセルの担任教師だ。学校で顔を合わせる機会も多く、個人的に頼りにもしている。そんな気安さからか、ウォルターはにんまりとしてからかいがちに言った。
ラッセルは苦笑いだ。
「あいつは友だちですよ、友だち!」
自分の感情を噛み砕くならばきっと、手のかかる妹のようなものだ。晴月という存在は。放っておけないはらはらと、一緒に過ごして気さくで気楽な距離感が同居する。適度に刺激的で、信頼のおける友人にして無垢な妹。家族への信愛の情、そんなところだろう。
「それより、ウォルター先生も隅に置けないなー」
冗談めかして反撃のように言ってみる。もちろんだがウォルターと柚春の取り合わせが気になってはいた。
ウォルターはけろりとして笑った。
「いやぁ、着物が着てみたいけど一人で着るのは恥ずかしいから、ってねぇ。頼まれちゃってねぇ」
分かっていたが彼のポーカーフェイスは実に完璧な仕上がりで、その言葉も本当か否かさっぱり分からない。二人の間柄を類推するとっかかりとはならなかった。
とはいえラッセルも、彼の領域を尊重すべきと考え、恩師に深く突っ込むようなことはしなかった。
一方柚春も、謎めいた晴月という女の子と共に着付けをされていた。好ましい微笑の妙齢の女性スタッフ二名の手際が良いもので、おしゃべりに興じることもできた。
「ええと。その着物は、桜井先輩に選んでもらったの?」
「桜井センパイ? ああ、ラッセルね。うん、これがいいって! これがきっと似合うって」
彼のチョイスは白地に色鮮やかな椿が散る、まさしく和の趣きを体現したような一着だ。ラッセルは希望を口にしつつも好きなのを選んでいいと言ったが、晴月は迷うことなく決めたようだった。
(どういう関係なんだろ?)
恋人? では、ないような気がする。色恋の妙や駆け引きを演じるには、晴月はどうにも幼く思えた。背も低く幼気ではあるもののそれ以上に、混じりっ気のない純粋、純情をこの少女には感じてやまない。まるでどこか、同じ人間とは思えないくらいに。
(兄妹というには、まったく似てないし……って、やめやめ!)
勘ぐりかけて、柚春は湧き上がる疑問を首振りで頭から追い出した。
人目はばかる間柄なのはむしろ、自分たちのほうだ。今日、ウォルターを少し強引に誘ったのは柚春だし、はち合わせたラッセルの口から、二人の関係が所かまわず広まらないとは言い切れない。そうなっては柚春も、自分を責めずにいられないだろう。
(僕たちのこと、バレてないかな……?)
とはいえ、そう心配しているわけでもなかった。頼りになる先輩、ラッセルの人柄は知っているし、信頼もしている。ああ見えて聡い彼は感づいているかもしれないが、もしそうだとて吹聴して回るようなことはしないはずだ。
「わあ! あなた、キレイだね!」
気つけ終わると、晴月は着物に咲く椿もかくやと笑った。彼女自身の和装もさることながら、柚春の選んだ青に鞠柄の着物が目に鮮やかで気にいったらしい。
「晴月さんも、素敵。桜井先輩もきっと褒めてくれるよ」
「ほんと!?」
曇りない瞳の輝きに、柚春は帯を確かめると仕込みの成功を確信し、安堵に緩く笑んだ。
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担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月12日
参加申し込みの期限
2023年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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