【ネコミケ冬】ドキドキゾクゾク！つながれネコミケ♪｜リアクション

【ネコミケ冬】ドキドキゾクゾク！つながれネコミケ♪

「それじゃ、今年の冬も恒例のネコミケに一般参加して満喫しよう！」
　木天蓼大学を受験予定ではありますが、佐藤英二はいつものようにネコミケにやってきました。
「先ずは企業ブースを回ろう。ニャンダム海王星の魔女のネコミケ限定グッズは押さえておきたいかな」
　アニメ、特撮（特にゴアラ関連）、ゲーム、プラモデル等が趣味な英二としては、やはりネコミケを外すことはできません。
（午前中に人気サークルの新刊をゲットするとして。午後はのんびりとネコミケを楽しもう）

　無事に新刊をゲットした英二は、信じられないような作品を見つけました。
「『ミャミャミャの魔太郎』の続刊？！　絵柄もセンスもそっくりだ」
　手に取って読んでみると、作者が生き返って新規エピソードを描いた、としか思えない出来です。
「すごい……」
　驚いた英二が周囲を見ると、やはり妖怪好きの読者が多いからかあたりは妖怪や幽霊の姿をした人たちでいっぱいでした。
「まいどありい、1部でいいかい？」
（ネズミャ男そっくりだ……）
　売り子さんの勢いに押されてつい買ってしまいました。

「なんか不思議な世界だったなあ」
　妖怪だらけの場所を抜けて一息つくと。
「のののガール新刊、最終回です！ぱっしょーん！」
　見覚えのあるアホ毛の女の子の着ぐるみを見かけて、ふと思いました。
（のんこちゃんか……そういえば、今年も野々さん来てるかな？）
　クラスメートの野々ののこが気になる英二の背後から、聞き覚えのある声が。
「英二くーん！」
「えっ？」　
（さっきの着ぐるみ？……じゃない）
　振り向けば、手を振って駆けてきたのは本物のののこでした。

「こんにちは。野々さんも来てたんだね」
「えへへ、やっぱりやりたいことを見つけるならネコミケははずせないよね」
　ののこの進路については相談を受け、結構真剣に考えて助言したりもした英二です。
　ゲームも絵を描くのも好きだけど中途半端で、と言っていたののこ。
　彼女なりに悩んでいたようですが、自由にそのときそのときで気になったことにチャレンジしてみたい、という結論に達したのでした。
（やっぱり野々さんは深刻な顔は似合わないな）
　ののこの明るい笑顔を見るのが好きで、気さくな距離感も気に入っている英二としては、嬉しい偶然の出会いでした。

「一緒に出店の食べ物を食べに行かない？　戦利品も見て欲しいし」
　そう言った英二に、ののこはご機嫌で応えます。
「うん、行こう！」
　コスプレ広場やステージを鑑賞したりしながら、和気藹々と過ごすのもいいな、と英二は思いました。
「わっ、それ『ミャミャミャの魔太郎』？　見てもいい？」
「うん」
　さっそく本に興味を示したののこと共に、出店で買った食べ物を食べながら話に花を咲かせるのでした。

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