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LIQUID -Star Chronicle- 暁の英雄譚
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【サイドクエスト『アクアリエスの旅』(2)】
「どう……ですか?」
船内で販売している水着アバターの豊富さには目移りしてしまったが、アヤカにとって惑いながらも幸福なのは、それらの中からケイが選んでくれたものを身に纏っていることだ。
「うん。似合ってる。かわいいよ」
「あ、ありがとうございます……」
思わず頬を紅潮させたのは、ぎらつく陽光の熱気がためばかりではあるまい。
手をつなぎプールサイドへ繰り出すと、少しばかり混み合っていた。
思いきり泳ぎ、水から上がったソフィアは再びナンパ攻勢にさらされている。無論彼女がまともに取り合うこともなく、肩を落とした軽薄男たちがとぼとぼと去っていく。
「まったくもう。他にすることがないのかしら……」
憮然としたソフィアのそば、プールの中では、レインがパーティメンバーたちと泳ぎの速度を競っていた。
「悠華ちゃん、おそ~い!」
「も~、非力なオラクルヒーラーには不利だよこの勝負! 接待プレイって言葉知らないの!?」
「いやいやそれじゃあ配信者に対して失礼ってものでして」
「あははは!」
競うといいつつ和気あいあい、視聴者との交流を深めることができた。
「ケイさん、こっちこっち! こっちです」
水とたわむれるアヤカとケイを、ソフィアがデッキチェアに寝そべり微笑ましく眺めていた時のことだった。
「……うん?」
デッキの向こう。海面から突き出す、なにか奇妙なものが見えた。はじめは針のように尖って細く見え、それが海面をせり上がってくるにつれ太く、詳細が見て取れるようになった。
「タコの足……いえ、これは!」
ソフィアは飛び起きると、アイテムインベントリの中から愛用の杖を取り出しながらに警告を発した。
「クラーケンだわ!」
にわかに騒然とするクルーズ船上をよそに、吸盤を持つ足や触腕が次々に海上へと姿を現した。触腕はその長さも計り知れず、少なくとも数十メートルはあろうか、船体を包み込むようにぐるりと巻き付き始めた。
アクアリエスの船長を務める人物が、泡を食ってやってくると叫んだ。
「クラーケンの襲撃です! お、お客さまの中に、冒険者の方はいらっしゃいませんか! どうか、クラーケン撃退にお力をお貸しください……!」
どうもこれはクエストの中に組み込まれた流れの一つであるらしい。船旅に一服のスリルを添える襲撃イベントだ。とはいえ油断すれば船は撃沈、のほほんとしたバカンスのはずがクエスト失敗ともなりかねない。
「アヤカ、どうやら敵襲みたいだよ」
「はい、私たちの出番ですね!」
ケイは剣と盾を、アヤカも猫目石のあしらわれた愛用の杖を取り出した。いかつい武器に水着姿というシュールな出で立ちとなったが、どうやら悠長に装備を確かめている猶予は無さそうだ。
「僕たちもいくよ!」
「「「おー!!」」」
ニチアサの魔法少女のような杖<オルタンシア>を構え、レインとパーティメンバーたちも立ち上がる。
レインはサイディア貴族のお屋敷に務めるメイドであり、その実態は古代文明の一つが残した自動人形。いわゆるオートマタである。クラスはオラクルヒーラー。広域回復と味方へのバフを得意とし、そのサポート能力は英雄キャラクターの中でも随一だ。
多数の冒険者たちが、水着姿のまま船体へ絡みつく触手へと挑みかかってゆく。
「吹け、<涼風>!」
青い風がデッキを駆け抜け、パーティメンバーの視聴者たちの攻撃力と回避能力を後押しする。ウェポンマイスターが触手の一つへ斬り込み、バレットチェイサーが二丁拳銃を連射しながら薙ぎ払いをかわす。ダメージを受ければ、レインの<慈雨>が降り注ぎ傷ついた彼らを癒した。
「みんな、頑張って! 僕が絶対、死なせないよ!」
可憐なオートマタ、レインの鼓舞に彼らは奮起した。
「ケイさん、援護します!」
「うん、お願いするよ!」
シールドに光の壁を宿らせ突撃するケイ。サーフパンツ姿がまぶしい……のは置いておいて、
「<キャットウォール>!!」
アヤカはその背を防御魔法で支援する。キャットウォールは彼の正面に魔法の壁を作り、敵の攻撃によって受ける衝撃を一定ダメージ分肩代わりしてくれる。最前線で動くタンク役には効果抜群のバフ魔法だ。敵が隙を見せれば、小さな光の粒を炸裂させる<ライトブラスト>を撃ち込みダメージ面でも貢献する。スペルブレイカーほどではないが、オラクルヒーラーにも攻撃手段を持つことはできるのだ。
冒険者たちの数は多いが、バラバラに戦っては各個撃破されてしまう。よってリーダーが必要だが、この場にあって陣頭指揮を担ったのは、ソフィアだった。
「<誘導魔弾>で押さえ込むわ。みんな、追撃して!」
「おう!」
「まかせろー!」
杖をふりかざす水着美女に呼応したのは、何の因果かあのナンパ男たちであった。中身こそいささか軽薄だが、戦闘力は申し分ない。
ソフィアの放つホーミング弾が雨あられと降り注ぎ、触手を打ち据える。動きが鈍ったところへ、赤銅色の肌に陽光を照り返す男たちが斬り込んでは得物を叩きこんでゆく。
突発的レイドバトルはその後十数分も続いたが、やがて、
「……あっ。クラーケンが去っていきます!」
思わぬ抵抗に手を焼き諦めたか、触手は船体からほどかれ、海の中へと潜っていった。優しいアヤカは、クラーケンを殺めずに退けられたことにほっと胸をなで下ろし、ケイと微笑み合った。
そういえば、とレインのパーティメンバーの一人がつぶやくように言った。
「悠華ちゃん、レインって何かに似てると思ってたんだけど」
「うん?」
「
キャットアイランド
のマヌカロイド、レインに似てるかも!」
配信中のコメント欄にも、同様の言葉が並んだ。
キャットアイランド。寝子島を模した架空の島を舞台とする、3Dコミュニケーションツールだ。プレイヤーは自由に着飾り、自由な肩書きを名乗り、もう一人の自分の人生を歩むことができる。冴えないサラリーマンが一万人を魅了するアイドルになることもできれば、アイランドのファッションムーブをけん引するアパレルショップのオーナーになることもできるのだ。そのプレイには一定の目的があるわけではなく、『LIQUID』のようなMMORPGと趣きは異なるが、アバターや英雄キャラを演じるように、別の人間となって楽しむことができるところには共通点も見いだせるだろう。
悠華……いや裕也もまた、その奥深く自由に満ちたキャットアイランドでの暮らしを愛した一人だった。
「英雄キャラのレインと、マヌカロイドのレインかぁ……言われてみれば確かに、似てるかも!」
偶然の一致だろうか。意識したわけではなかったが、英雄キャラガチャで運良く排出されたレインに、どこか運命的なものを感じたのも確かだ。
裕也はあらためて『LIQUID』へ愛着を深め、そして彼の胸には愛すべき古巣であるキャットアイランドへの憧憬が湧き出して止まぬのだった。
(懐かしいな。入試が終わった頃にでも、また顔を出してみるか)
一方、メインクエストで何度も冒険をともにするソフィア、アヤカとケイのコンビは互いの奮戦ぶりをたたえ合った。
「ウェポンマイスターとオラクルヒーラーのセットは鉄板の組み合わせよね。安定感があって助かったわ」
「いえいえ。スペルブレイカーの魔法もすごかったです。それに的確な指示のおかげで、上手く動けました。ね、ケイさん」
クラーケンはその巨体やタフさ、激烈な攻撃力もあって、通常の定員で挑むクエストにおいてはかなりの強敵だ。今回の多人数バトルはいくらか緩い条件で戦うことになったが、反面、纏まりのない集団ではあっという間に瓦解してしまう可能性もある。オラクルヒーラーの強力なバックアップが繋がりなき冒険者たちを支え、ソフィアの指揮によって彼らが一つの巨大パーティにも準ずる動きと纏め上げられたことが、クエスト達成の秘訣となったのだろう。
「みんなのおかげで、楽しい冒険だったよ。おっと……打ち上げが始まったみたいだね」
ケイが指さしたほうを見てみれば、プールサイドに集う水着姿の冒険者たちがそれぞれにグラスをかかげ、あちこちで乾杯の声が上がっている。
「あ、いたいた! ねえねえ、せっかくだからいっしょに楽しもうよ~!」
仲間たちを連れてやってきたレインのお誘いに、ソフィアとアヤカらもうなずき合う。色とりどりのジュエリーめいたカクテルが満ちるグラスを、ちりんと鳴らし合わせた。
「「「かんぱ~い!!」」」
船が旅程をこなし目的地のコルカ港へ到着するまで、宴は続いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月24日
参加申し込みの期限
2023年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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