【期末テスト】赤点？満点？？氷結、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？満点？？氷結、四日間の死線＜物語編＞

〇４日目：国語、家庭

（エアコン、直ったみたいですね）
　ほっとしたのもつかの間、テストを受けている時子は、なんだか不思議な気分になってきた。
（体が火照ってきたみたい……これも何かの影響なんでしょうか？）
　色情霊が見えない時子は、エッチな気分になっている理由がわからない。
（暑いからコートは脱ぎましょう）
　それでも暑くて、近づいてきた尚輝先生に向かってスカートの裾をめくってチラリと太ももをのぞかせる。
　動揺する尚輝先生を熱い瞳で見つめた。
「尚輝先生、とても暑いです」
　声を出さずに唇を動かした後、そっと先生の手を握って、ついに時子は先生の耳元で囁いた。
「ここで脱いでも良いですか？」
「だ、だめです……」
　囁き返した尚輝先生の顔が赤い。
（先生の意地悪……）　　
　上目遣いで恨めしそうに睨む時子に、先生は一層ドギマギした様子で。
「我慢してください……」
　と囁いてその場を去った。
　しばらくすると不思議な気分が収まり、無事テストに集中して回答することができたが。
（……暑かったとはいえ私、なんてことを……あとから尚輝先生に謝りに行かないと）
　思い出して顔を真っ赤にする時子だった。

　今回も期末テストは散々だった、と２年の楡宮遠海は思う。
　成績が、という意味ではない。
（毎度のことながら、今回もエアコンがぶっ壊れたり、幽霊が出たり、雪だるまが遊んでとせがんだり……なんとかならないのかしら）
　だがそんな状態にもかかわらず、今回のテストは何とかそれなりの点数になりそうだった。
（このテストを乗り切れば、いよいよ冬休み）
　冬休みには遠海が参加しているガールズバンド、『衝動少女』のライブがある。
　中学時代に一緒にバンドを組んでいたアカリに誘われて加わったバンドで、他にドラム担当の綾瀬ルイとメインヴォーカルの綾瀬メイがいる。
　そんなわけで、テストで赤点を取って追試とか補習とかは避けたいところだ。
　淡々と答案用紙に回答を埋めていく……はずだったが。

（何？　なんで……）
　遠海は困惑していた。
　テストの最中だというのに、なぜかムラムラしてくる。
（これってどういうこと？　……あっ！）
　ムラムラと湧き上がる衝動は身体の芯の奥で熱い火照りとなって火がついた。
　それとともにエロい妄想が次から次へと湧いてくる。
　以下、らっ倫的に描写不能なエッチな妄想がこれでもか、これでもかと襲い掛かってきたが……具体的な描写は残念ながら掲載不能につき削除となった。
（だめ……テスト中なのにこんな……ああっ！）
　エッチな妄想がもたらす快感に押し流されそうになりつつも、どうにかギリギリのところで持ちこたえようとする。
（集中しなきゃならないのに考えられない……どうにかなっちゃいそう……）
　キーンコーンカーンコーン♪
　チャイムが鳴った時には、遠海は汗だくで顔を真っ赤にしていた。
　口の端から垂れそうなよだれを飲み込み、顔を伏せて教室を出る。

　教室を出るとムラムラは嘘のように引いていった。
　そして代わりのように食欲が押し寄せてくるのだった。