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【期末テスト】赤点？満点？？氷結、四日間の死線 ＜物語編＞
〇1日目：英語、美術、社会
（初日は得意科目ばっかりね。ラッキー）
２年の有沢 茉奈は浮かれていた。
（英語と美術と社会は楽勝楽勝！）
しかし試験を受けながら、茉奈は次第に震えだした。
（ここのエアコン、妙におかしくない？ さっきから寒暖差が結構激しくて、気が散ってしょうがないんだけど）
それでも。
（英語は結構いい線行ってたと思うし、続いて美術も悪くない。……これもすべてカノンのおかげよね）
茉奈が付き合っている彼氏、閑野カノンは芸大に通っている。
（彼氏の話題についていけるよう、最近になって芸術知識とか勉強し始めたんだ。もちろんわからないところは彼氏に教えてもらったりしたけどね）
御巫 時子も寒さに震えていた。
（暖房が効いてたと思ったら急に寒くなって、ペンを持ってる手がかじかんできそうです）
「くしゅんっ」
かわいらしいくしゃみが出て、慌てて口を覆う時子。
寒さで集中が途切れそうになっていたが、くしゃみのおかえで尚輝先生と目が合った。
気づかわし気な視線を向ける尚輝先生に、大丈夫、と小さく頷いてみせる。
（最後のテスト、先生に恥ずかしい成績を見せるわけにはいきませんね……やる気が出てきました）
なんとか全て解答欄を埋めることができた。
「こ……こんな寒い中テストなんて解けるかー！ 再試験を要求するんだよー！」
３年３組の三ヶ島 葵は震えていた。寒さと、そして怒りに。
寒さのみならず教室中に幽霊がうろうろしている状況でテストなんて、怒りたくもなるというものだ。
「理事長せんせー、駄目ですかー？」
たまたま通りかかった野々 ととお理事長に訴えるも。
「再試験？ だめだよ、もう予定は動かせないし、頑張って解いた人にもう一度やれってわけにはいかないでしょ」
つれなく去っていく理事長の背を睨んだ葵の中で、閃くものがあった。
（……ハッ、幽霊くん……なら……協力してカンニングするんだよー！ これは不正行為じゃない、抗議運動だよー！）
葵はそのあたりをウロウロしている幽霊に話しかけ、筆談を試みる。
『ねえ、お願いがあるんだけど私の言うことわかる？』
『わかるよー、なに？』
幽霊の返事は、耳ではなく頭に直接飛び込んできた。
「テストのことで、協力してくれたりするかな？」
葵の問いに、幽霊は、
『んー、テストの苦労はわかるし条件によっては協力しても良いよー』
軽い調子で答えてくれたのだった。
「よーし、それなら！」
葵は策謀を巡らせる。
（ねこったーだと証拠が残っちゃうから、口頭で仲間を集めるよ）
しかしこんな危ない橋を一緒に渡ってくれる仲間が集まるだろうか？
葵の脳裏に担任の涼し気な青い目が浮かぶ。
鋭い、不正など一切見逃さないであろう瞳。
見つかった時のことを思うと震えあがりそうだが、そんなことでびびるわけにはいかない。
（きっと協力してくれる仲間がいる！ そうだ！）
葵の頭に、天啓のように二人の女子が現れた。
「……エレノアくん！ ……響くん！ 力を貸して欲しいんだよー！」
「呼びましたか」
「面白そうだね」
その声に応じたかのように、エレノア・エインズワースと響 タルトが現れた。
３人の相談が始まる……
3時間目、茉奈は社会科に挑んでいた。
選択科目で取った世界史は元々得意科目だ。
Ｑ「コンスタンティヌス帝の宗教政策とその目的について60字程度で説明しなさい」
（記述問題とかも楽勝だよね。あたしにとってこんなの、ちょろいちょろい！）
Ａ「ミラノ勅令を出して、迫害されていたキリスト教を初めて公認し、キリスト教を新たな国家理念として皇帝による独裁政治を行った」
（ってこんな感じでオッケーだよね）
答えは簡単に思いついたが。
（でも……寒い！ 何でこんなに寒いのよ！）
かじかむ手を必死で動かして、どうにか全問説き終えた後、まだ残り時間があった。
（この時間どう潰そう……寝たらマジ凍死するんじゃ？）
寒さをしのぐ方法を考えているうちに、カノンの顔が浮かんだ。
（カノン、寒いよ～）
クリスマスの夜、いつの間にか二人はベッドにいて……空想が広がる。
妄想の中のカノンはにっこり微笑んで言ってくれた。
『温めてあげるよ。今夜はクリスマス、僕と茉奈の愛を妨げるものはないだろ？』
（カノン……（きゅん）抱きしめて！）
……という妄想で、茉奈は身も心も温まることに成功したのだった。
（初日は得意科目ばっかりね。ラッキー）
２年の有沢 茉奈は浮かれていた。
（英語と美術と社会は楽勝楽勝！）
しかし試験を受けながら、茉奈は次第に震えだした。
（ここのエアコン、妙におかしくない？ さっきから寒暖差が結構激しくて、気が散ってしょうがないんだけど）
それでも。
（英語は結構いい線行ってたと思うし、続いて美術も悪くない。……これもすべてカノンのおかげよね）
茉奈が付き合っている彼氏、閑野カノンは芸大に通っている。
（彼氏の話題についていけるよう、最近になって芸術知識とか勉強し始めたんだ。もちろんわからないところは彼氏に教えてもらったりしたけどね）
御巫 時子も寒さに震えていた。
（暖房が効いてたと思ったら急に寒くなって、ペンを持ってる手がかじかんできそうです）
「くしゅんっ」
かわいらしいくしゃみが出て、慌てて口を覆う時子。
寒さで集中が途切れそうになっていたが、くしゃみのおかえで尚輝先生と目が合った。
気づかわし気な視線を向ける尚輝先生に、大丈夫、と小さく頷いてみせる。
（最後のテスト、先生に恥ずかしい成績を見せるわけにはいきませんね……やる気が出てきました）
なんとか全て解答欄を埋めることができた。
「こ……こんな寒い中テストなんて解けるかー！ 再試験を要求するんだよー！」
３年３組の三ヶ島 葵は震えていた。寒さと、そして怒りに。
寒さのみならず教室中に幽霊がうろうろしている状況でテストなんて、怒りたくもなるというものだ。
「理事長せんせー、駄目ですかー？」
たまたま通りかかった野々 ととお理事長に訴えるも。
「再試験？ だめだよ、もう予定は動かせないし、頑張って解いた人にもう一度やれってわけにはいかないでしょ」
つれなく去っていく理事長の背を睨んだ葵の中で、閃くものがあった。
（……ハッ、幽霊くん……なら……協力してカンニングするんだよー！ これは不正行為じゃない、抗議運動だよー！）
葵はそのあたりをウロウロしている幽霊に話しかけ、筆談を試みる。
『ねえ、お願いがあるんだけど私の言うことわかる？』
『わかるよー、なに？』
幽霊の返事は、耳ではなく頭に直接飛び込んできた。
「テストのことで、協力してくれたりするかな？」
葵の問いに、幽霊は、
『んー、テストの苦労はわかるし条件によっては協力しても良いよー』
軽い調子で答えてくれたのだった。
「よーし、それなら！」
葵は策謀を巡らせる。
（ねこったーだと証拠が残っちゃうから、口頭で仲間を集めるよ）
しかしこんな危ない橋を一緒に渡ってくれる仲間が集まるだろうか？
葵の脳裏に担任の涼し気な青い目が浮かぶ。
鋭い、不正など一切見逃さないであろう瞳。
見つかった時のことを思うと震えあがりそうだが、そんなことでびびるわけにはいかない。
（きっと協力してくれる仲間がいる！ そうだ！）
葵の頭に、天啓のように二人の女子が現れた。
「……エレノアくん！ ……響くん！ 力を貸して欲しいんだよー！」
「呼びましたか」
「面白そうだね」
その声に応じたかのように、エレノア・エインズワースと響 タルトが現れた。
３人の相談が始まる……
3時間目、茉奈は社会科に挑んでいた。
選択科目で取った世界史は元々得意科目だ。
Ｑ「コンスタンティヌス帝の宗教政策とその目的について60字程度で説明しなさい」
（記述問題とかも楽勝だよね。あたしにとってこんなの、ちょろいちょろい！）
Ａ「ミラノ勅令を出して、迫害されていたキリスト教を初めて公認し、キリスト教を新たな国家理念として皇帝による独裁政治を行った」
（ってこんな感じでオッケーだよね）
答えは簡単に思いついたが。
（でも……寒い！ 何でこんなに寒いのよ！）
かじかむ手を必死で動かして、どうにか全問説き終えた後、まだ残り時間があった。
（この時間どう潰そう……寝たらマジ凍死するんじゃ？）
寒さをしのぐ方法を考えているうちに、カノンの顔が浮かんだ。
（カノン、寒いよ～）
クリスマスの夜、いつの間にか二人はベッドにいて……空想が広がる。
妄想の中のカノンはにっこり微笑んで言ってくれた。
『温めてあげるよ。今夜はクリスマス、僕と茉奈の愛を妨げるものはないだろ？』
（カノン……（きゅん）抱きしめて！）
……という妄想で、茉奈は身も心も温まることに成功したのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年07月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年07月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年07月17日 11時00分
