ラビリンス・オブ・オンセン｜リアクション

ラビリンス・オブ・オンセン

「堪能したの－！」
　一同は笑顔で乾杯する。

　魔王の間の抜けた天井から、星空が見える。
　平和になったバスルーム、せっかくなのでここにテーブルなどを置いて、打ち上げを行うことにした一同。

　健康センター定番の、コーヒー牛乳やビール、フードコーナーの食事が並ぶ。
　今回の検討をたたえ、アヴィケンナがすべて無料で提供していた。
　レンジで温めるような軽食が、ずらりと並べられた様は壮観である。

「生中も飲み放題なのー！」
「ほとんど未成年だよ」

　はしゃぎまくるステラに、静かにツッコミを入れる第二階層アステリスム。

「魔王の手料理をござんなれ」
「わー！！」

　裏の厨房で、ありあわせの材料で食事を作っていた樋口先生が、料理をもってこちらにやって来た。
　樋口先生の手料理は滅多にありつくことができない。

「みんなに迷惑をかけてしまったみたい。こんなことしかできないけど……」
　すまなそうに言う樋口先生。
　何の所以か、魔王に選ばれてしまったことに責任を感じているのだろう。

「素敵な恋愛をしているみたいね」
「はい！」
　笑顔で答える女子たち。
「女が手綱を握ってないとダメ。男なんてろくでなしでだらしないから」
　艶然と笑って見せる樋口先生に、女子たちも頷く。

　
「そしたら、ロベルトの兄貴がその場所に行ってな、ロケランをぶっ放してモンスターを木っ端みじんにしてもうたんじゃ……」
　仲間になったアワワゴブリンの子供達に、武勇伝を語るロベルト。
　今回の一件もこうして、寝子島史の一ページになっていくのだろう。　

　柚春たちに治療してもらったゴブリンたちが、名残惜しそうに柚春たちにつきまとう。
　いつの間にか七尾に懐いていたスライムたちも、別れの時を感じて、するすると去って行った。

　爽やかな風が、まるで今回の一件が一瞬の夢であって、それが今吹き飛ばされたというように、さあっと走り抜けていった。　
　なんとはなしに恋人達は、肌さみしくなって、お互いに寄り添いあった。
　友情、愛情――さまざまな形が入り乱れる、奇妙な戦いだった。

「とりあえず、第二階層にロウリュ開店なの！　星幽塔に帰ったら、さっそく設営なの！」
　ステラの元気な声が響き渡り、アヴィケンナがため息をついた。

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あとがき

担当マスター：ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから！

ありがとうございました！
バスルームトラベル、楽しく書かせていただきました。
セクシーだったり、ラブラブだったりと、様々なアクションをいただきました。
また機会があれば、寝子島でお会いいたしましょう。

――というわけで。
ごめんなさい。ぎっくり腰とメンタルをやられて、大幅に遅れてしまいました。
なかなか思うようにマスター業務ができず、申し訳ないです。
すっかりポンコツになってしまいましたが、また「こんなマスターでもええで」と言ってくれる方がいたら、
寝子島で遊べたらいいな、と思っています。
本当に申し訳ありませんでした！

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