【球技大会】冬の熱き決戦！｜リアクション

【球技大会】冬の熱き決戦！

　＜３年４組　３年２組　卓球シングルス＞

「朝ご飯もたっぷり食べたし、今日は頑張りますよ～」
　紫苑は軽く準備運動してから、浴衣に着替えようとする。
「えっ、紫苑さんブラはずして着る気？」
　驚いて声を上げたクラスメイトに、紫苑も驚く。
「え、浴衣って下着付けて良いんですか？」
「いや、着物用の下着はあるらしいけど、ノー下着はまずいでしょ……」
「そうだったんですね」
　男子が目のやり場に困る事態はなんとか回避された……と思われたが。

「なんだか今日は調子いいかもしれません！　浴衣の方が動きやすいんでしょうか？」
　のんびりおっとりしているが、実は運動神経はそれなりに良い紫苑。
　卓球の試合でも実力を存分に発揮していた、が。
「ふぅ、実際やってみると思った以上に動くんですね……え、どうしました皆さん？」
「……あの、紫苑さん、浴衣が大変な事になってます……」
　チームメイトの綾花が指摘する。
「……あら、本当ですね……卓球に夢中で全然気づきませんでしたぁ♪」
　おおらかで露出に抵抗も少ない紫苑は、浴衣がはだけてセクシーな紫の下着が見えていても気にしなかった。
「浴衣だとすぐに脱げちゃうのがあれですけど、汗とか拭くのには便利ですねぇ」
　そう言いながら胸元の汗をぬぐう。
「沢山動きましたからお弁当が美味しく食べられそうですね……ふふ、いっぱい食べて午後も頑張りましょう♪」

　莉鳥は、相手のサーブを冷静な判断力で見極める。
（相手の腕前は普通かしら。これならミスをしなければいける）
　考えながらバランスの取れた試合運びを進めていく。
（強引な攻めはカウンターを生むので、確実に返せる程度に攻めて相手のミスを誘いたいわね）
　陸上部でのレースは基本自分との戦いなので、読み合いをするラリーはなかなか面白い。

（珪先生、応援に来てくれたんですね）　
　綾花は珪先生がいるのを確認し、笑顔を向けた。
（体力はないので応援を力に変えて頑張ります）
　相手は的確にサーブを決めてくる。
　綾花は必死で食らいついていった。
（球には当たるけどスマッシュとか難しそうです。なるべく返していってラリーを制したいですね）
　ここで相手がスマッシュを放ち、受け損ねた綾花の腕に強く玉が当たった。
「いたっ！」
　思わず声を上げたものの。
（けっこう痛いです……でもこんなことで負けられません。珪先生が応援してくれてるんだもの）
　綾花はくじけずに試合を続けた。
　残念ながら１点差で敗れたものの、やりきった綾花は満足だった。
　