【球技大会】冬の熱き決戦！｜リアクション

【球技大会】冬の熱き決戦！

〇２日目　大会終了後

　２日目の大会も無事終了した。

　仙藤蒼と宮内詠美ペアは、惜しくも僅差で敗れた。
　更衣室のシャワールーム。
　同じブースの中で悔し泣きをする詠美を、熱いシャワーを浴びながら仙藤蒼は抱きしめた。
　暫くそのままにした後、
「詠美、よーくがんばったよ。次はリベンジするだけだしさ」
　背中を叩き、二人で着替えに向かう。

　グラウンドに全校生徒が集まって結果発表となった。
「１年のソフトボールの結果は、３位は２組、２位は４組、１位は１０組です」
（あと一歩のところで手が届かなかったわね）
　智依子は、来年こそ優勝して娘の楓を喜ばせてやりたいと思った。

（全然活躍できなかったし、優勝でなくてよかったかも……）
　想花がそんなことを思っていると、紗櫻都に声をかけられた。
「おつかれさま。一緒に打ち上げにいかない？」
「え……いや、僕は……」
　とても気が進まないが、はっきり断ることもできない想花だった。

（今日はさすがに新体操の練習は休もうかな）
　試合を重ねるにつれコツをつかみ活躍した翠響だが、さすがに疲れた。
　だが優勝の喜びで、その疲れも吹っ飛んだ。

　
「……３年の総合優勝は４組です」
　歓声があがり、拍手が続く。
「最高の大会になったね」
　修は、大好きなあおいと頑張って得た結果に想いが溢れていた。
　そっとあおいの鉢巻に手を伸ばして外すと、あおいもお返しとばかり修の鉢巻を取る。
「記念に交換しようか」
「そうだね」
　二人は頷きあい、お互いの鉢巻をそのまま鞄にしまった。

「おつかれさま。みんなのおかげで滞りなく救護ができたわ」
　莉鳥は保健委員たちをねぎらった。
　その中にはアロマで救護に協力した柚春もいた。
（ワット、ケガなんてしてないかな）
　柚春は想定以上のケガ人の手当てに当たり、用意した香油やアロマはほとんどなくなった。
　だが、ウォルターのためにレモンユーカリはとってある。
　保健委員会の報告が終わるのを待ちかねて、ウォルターの元へ向かうのだった。
（報告だからね。これは生徒として当然の義務）

「あー、やりきった」
　身支度を終えて、帰りに就く茉奈。
　すると、カノンが学校の正門前で待っているのが見えた。
「これってもしかして……ごほうびデート？　やったー！」
　超ウキウキ気分で、茉奈はカノンの元へ走り出した。

「もう少しで優勝だったね」
「打ち上げ行かない？」
　佐藤英二は、ののこやクラスのみんなと打上げにファミレスへ向かった。
「かんぱーい！」
　冷たい飲み物で乾杯し、大会の様子を思い出してワイワイと盛り上がる。
「全員で記念撮影しよう！」
　笑顔のののこの隣で、英二も心からの笑みを浮かべた。

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