【球技大会】冬の熱き決戦！｜リアクション

【球技大会】冬の熱き決戦！

　今日一日の試合が終わり、綾花は真っ先に珪先生に会いに行った。
「珪先生、応援ありがとうございました。応援のお蔭で勝っても負けても全力で頑張れました」
　ぴょこんと頭を下げる。
「よく頑張ったね綾辻さん、惜しかったね。ボールぶつかってなかった？　大丈夫かい」
「球が当たったところは痣になっちゃったんですけど、これぐらい平気です。頑張った証です」
　珪先生から褒められ喜んだ綾花は、腕にできた痣を勲章のように見せて、
「浴衣も似合いますか？　冬に浴衣を着る事ないのでなんだか嬉しいです」
　くるっと回って見せた。
「ああ、そうだね……」
　だが。

「きゃっ！」
　回った拍子に浴衣がはだけそうになって、綾花は慌てて前を押さえる。
（試合で動いたから緩んでたかも）
「見えましたか？」
　焦って聞く綾花に、目をそらす珪先生。
「……いや、見えなかった」
（先生はそう言うけど、下着が見えた気がします）
　顔を真っ赤にした綾花だが、今更どうしようもない。
　空気を変えるべく別の話題を振ってみた。
「……先生チームはなかったみたいですね。浴衣を着た珪先生と対戦してみたかったです。ダブルスを組むのも良いですね」
「僕はあまり得意じゃないから」　
「そうなんですか？　久々にこんなに運動したので体がポカポカです」
　照れながらも微笑んで、綾花は珪先生の手を取る。
「カイロみたいに温かいですよ」
　そう言って、優しくぎゅっと握った。
「本当だね。僕まで暖かくなるよ」
　珪先生はそう言って、優しい微笑みを浮かべた。

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