サンマなりきりののこさん、街を征く｜リアクション

サンマなりきりののこさん、街を征く

「よし、出来た」

　さっと描いたラフに月詠は満足げな様子。
　まだ何かが足りないか？　と考えてみたが、インパクトのあるイラストとしてはこれで十分だろう。
　描いたイラストラフはねこったーやにゃんすたぐらむにタグを付けてアップし、こういうキャンペーン中だと知らせ続けた。

「それじゃ、あとは……そうだ、マグロさんのきぐるみってある？」
「ま、マグロ……あるの？」
「え、どうだったかしら……ちょっと、町長に聞いてみるわね」

　月詠の提案にののこが疑問を唱えると、すぐさま朝衣が町長に確認の電話を取る。
　今回はサンマくんとマンボウくんのきぐるみしか作っていないが、マグロさんはあるのかどうか、と。
　もし無いのであればどうなるのかも聞いておきたかったようだ。

　なお、リッカルド町長の答えは只一つ。
　今から作るから安心してね！だった。

「……」

　ピ、と通話機能を終わらせた朝衣の顔はなんとも無表情である。
　まさか提案が通って即時作るなんて言い出すとは、誰が予測できただろうか……。

「どうだ？　準備できそうか？」
「ええ、準備出来ます。……今から急速に作るそうで」
「おー、いいね！　じゃ、私も一緒に混ざることとしよう！」

　からからと大笑いした月詠。
　このパレードに混ざってみるのも悪くはないがと提案してみたが、まさか新しくきぐるみを作るとは思わなかったようだ。

　今日、この日。新たに増えた仲間がいる。
　サンマくん、マンボウくんと共に街を練り歩く珍魚（マグロ）が……。

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