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寝子☆刑事(ねこデカ)!
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想花嬢に、発砲の十分な知識はない。
警察の訓練で、ちょっと撃ってみただけだ。
流行のFPSなどのゲームにも興味がない。
だから、犯罪シンジケートのもみ合いで、つい偶然レミントンが想花嬢の足下にすべりこんでしまったのも、そのセイフティレバーが外れていたのも、それを彼女が手に取ったのも、全て偶然の産物であったのだ。
だが、パニックの頂点にあった彼女。
猟銃を虚空に向けて連発してしまったとしても、それはたまたまの出来事であったのだ。
「もう嫌アアアアア!!!!」
泣きながら天井にレミントンを連射する彼女。
すさまじいマズルフラッシュ、ガンスモークが周囲を包んだ。
その機を捕まえた時治郎、主犯格の男にダッシュ。
「うらああ!!」
こうして、大捕物は終わった。
*
「皆さんのおかげで、無事逮捕できました!」
笑顔で中村さんに猫を引き渡す莉鳥。
結局犯人を、旧市街を出てシーサイドタウン、九夜山から走り回って追いかけて、ようやく岬の突端で追い詰めたらしい。
陸上部で鍛えた、彼女の健脚のなせる技だ。
*
「――あらかた、概要はわかったわ」
一同に報告する清恋。
事件の全容の解析を急ぐ神奈川県警は、すぐさま犯人たちの尋問を開始した。
宿直明けで、犯人逮捕の手伝いまでした清恋、ここでも力を発揮した。
彼女の手にかかると、犯人たちはするすると情報を吐き出したのだ。
「どうやったんだ? プロファイリングの技術でもあるのか?」
「なに、カツ丼食わせて、おふくろさんから電話をもらってきかせれば一発さ」
笑顔を見せる。
神奈川県警きってのエリート、清恋。
派手な活躍こそなかったが、見事にチームを支えた。あくびくらいは見逃してあげよう。
*
結論から言うなら、全てが犯人側にとって予想外だったのだ。
巨大な国際資本と結びつき、麻薬、貧困、武器の輸出などを大々的に行う犯罪グループ、いわゆるマフィアの類が、いよいよ本格的に日本をターゲットにしはじめたこと、そしてその端緒として寝子島を選んだこと……これらが今回の事件の、裏で蠢いていた真実だった。
ろっこんやもれいび、あやかしなど伺い知ることのできない外国の人間にとって、寝子島は「妙な事態が起こりがちな、犯罪を隠すのにうってつけな場所」に思えたのかもしれない。
離島であるから、首都圏に比べて本格的な警察機構が存在するとも思えない……そういう意味でも、寝子島はマフィアの基地としてうってつけだった。
猫の誘拐で小遣い稼ぎをして、そのまま本土へ乗り込む。
彼らの計画は問題なかった。
ある二点を除いては。
ひとつは、星山刑事率いる神奈川県警エリート達の協同捜査。
星山の私利私欲と勇み足の招いた事態だっだが、結果だけ見るならば大正解ではあった。
何しろ、国際的マフィアの本格進出を水際で食い止めたのだから。
さらに、時治郎ら寝子島署警察の獅子奮迅の働き。
時治郎の冷静かつ容赦のない捜査活動、さらにマフィアの大立者と対等に渡り合う胆力。
想花の緻密な張り込み。
清恋の説得術。
さらに英二、莉鳥の執念の捜査。
それらは極めて優秀なものであり、個のちからにより組織の不備を補う仕事だった。
ともあれ……猫の誘拐に端を発した意外な大捕物は、犠牲者を出すことなくハッピーエンドを迎えた。
「はっはっは! これで俺の昇進は間違いなしだな!」
能天気に笑う星山。
彼は知らない。
この一件により更なる昇進を果たした彼を待ち受けるのは、さらなる激務の日々であることを。
容赦なくプライヴェートを削る労働の日々が、PBWをする時間を奪い取ってしまうことを。
キャラクターシートとメモに埋もれて、泣きながら運営に進捗報告を出す未来を知らぬ悲しきマスターの日々を知らぬまま、星山の笑い声は高らかに響きわたるのだった。
「成程な……それで説明がつくな」
猫誘拐は、犯罪組織のほんの余技のつもりだったようだ。
だが、自分たちの正体がばれてしまった。
そのまま猫を逃がしてしまえばいいものの、少し欲を掻いてしまった。
そのせいで、莉鳥と時治郎をアジトに招き入れてしまったのだ。
「じゃあ、おれの仕事はここまでだ」
手を上げて、署を後にしようとする時治郎。
「あとの始末はたのんだ。荒事専門なものなんでね」
見ると、夕陽が沈みかかってる。
丸一日、捕物に費やした形だ。
目をすがめて、時治郎は沈みゆく太陽を眺めた――。
これから先も、今日に負けず劣らず、寝子島に危機が迫ることがあるだろう。
だが、正義が屈することはありえない。
かれら、刑事たちがいる限り――
(このリアクションはフィクションであり、実在の警察・団体とはなんら関係がありません)
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あとがき
担当マスター:
ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから!
ありがとうございました!
刑事物は大好きなのですが、実際に書いてみると手強く時間がかかりました。AIチャットに用語の使用法などを確認しつつ書きました。
また機会があれば、よろしくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年04月21日
参加申し込みの期限
2023年04月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年04月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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