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『運命』ではなかった始まりを『必然』に変えたあなたへ
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昼食を摂りながらするお喋りは、これからの作戦会議だ。
「ワットは確かスリルライド系が好きでしょ? なら海のエリアには行かないとね」
「楽しみだけど、あっちはお酒が豊富に扱ってるんだよねぇ……」
大げさに肩を竦めてみせるウォルターは、さすがに帰りも運転があるので飲みはしないとしながらも、絶景を楽しみながらの一杯も美味しかったろうにと零す。
「ふふ。今日は飲めないから、何でも一口交換ができちゃうね?」
「わからないよぉ? いざとなったら、運転代行を頼めばいいしねぇ」
ニヤリと口端を上げる彼は、名案のように言ってのける。……どうして今日、こうしてデートをしているか覚えていないのだろうか。
「ダメだよ、今日は」
忘れてないよねと言いたげに柚春が唇を尖らせるから、ウォルターも軽い調子で謝ってみせる。
外で深酒をしないにしても、あとからとぼけられたくなんてない。それくらい大切な言葉を伝えるのだと、柚春は覚悟を決めて誘った。その覚悟を知っていて――何を言われるのかわかっていて、ウォルターもここに来ている。
けれど、柚春が引き金を引くタイミングまではわからない。いつもは飄々と振り回す側に立っているというのに、今日は振り回される側となりそうで、ウォルターはつい苦笑してしまう。
(まあ……家庭訪問の時だって、想定した通りにとはいかなかったし)
ある程度の答えを用意していたって、またとんでもないことが起こりそうで。意外と、僅かにでも緊張しているものだなと、じぃっと柚春を観察するように見つめてみた。
けれど彼女は、パレード開始前のキャストによる注意事項を熱心に聞いて、ゲストが参加出来るパートの振り付けを器用にドネラを抱え練習している。
「ほら、ワットとディッキーも一緒にやろうよ」
「……楽しんだもの勝ちってねぇ」
なるようになる。……なるようにしか、ならない。
いくら考えて対策をしたって、未来なんて正確に予測できないものだから。
膝に乗せていたディッキーを片手に、ウォルターも練習に参加する。昨日の自分が予想なんてしていなかった姿がおかしくて、笑いが止まらない。……気付けばそれは、心から笑っているようにも思えた。
――Hello Everyone! Many Happy holidays...
クリスマスアレンジされたニャンドのメインBGMが流れ、紳士的な挨拶が行われる。視界の端にはパレードの先頭ダンサーたちが、童話のキャラクターに扮しているのが見えてきた。
しかし、そのどれもが物語で言えば脇役だ。なのに衣装や動き、それから流れるニャンド版アニメ映画のワンフレーズで、何の作品がどういう順番で登場するのかを伝える役目を十分担っている。
園内を歩くのが自分で本を開いて読み進める感覚なら、パレードの始まりは読み聞かせされているように違う感覚に近いだろうか。
違う物語であるはずの世界を越えて1つの作品になっていく様子は、ここでしか見られない光景だ。
そうして最初のフロートはハッピィとチャーミィを乗せてやってきた。童話の世界に雪が降っていたら、どんな景色だろうと夢を見て、向こうの世界にもハピネスを届けるため、サンタクロースにお願いする手紙を書こうというストーリーだ。
2匹に手を振れば振り返してくれる。振り付けを真似れば手を叩いて喜んでくれる。そうしてゲストの持っている小物に目を留めれば、相手の肩を叩いて「あれを見て!」と共有して幸せそうに笑いあう。
着ぐるみの表情は変わることがないはずなのに、身振り手振りがくるくると感情を伝えてくれた。
(いいな……)
柚春は今、境界線にいる。
ウォルターと親しくなれたような気がしても、一方的にそう思っているだけで……実はもしかしたら、距離は縮まるどころか遠く離れているのかも、しれない。
いつかの居酒屋で、ここから先は立ち入ってはいけないよと線引きされた日。それでもと線のギリギリに立って、手を振って声をかけることを選んだ。
その境界を、越えようとしている。せめて振り返って、こちらを見てほしいと願っている。
どうしたらあの2匹のようになれるだろう。これからやってくる童話のように、ハッピーエンドを迎えられるだろう。
童話の中では、苦労をしても耐え忍んでいれば、誰かが助けに来てくれる。
困ったと泣かないで笑っていれば、夢のような舞踏会にだって行けるし、王子様は探しに来てくれる。
(あれ……でも、待って)
数ある物語の中で、それはほんの一部に過ぎない。
女の子の憧れを詰めこんだとされる『プリンセスストーリー』は、媒体を問わず何度もリメイクが行われるほど人気ではある。が、ヒロインのあり方は様々だ。
外の世界に興味を持って、自分の足で高い塔から抜け出すこともある。見た目や噂話に惑わされず、自分の想いを信じ貫くことだって出来る。取り繕うことなく自分でいられる場所を探し求めたり、故郷のために立ち上がる強さを持っていて……決して童話のプリンセスたちは、弱く守られる者ばかりではない。
フロートが止まる。王子様のエスコートを受けて降りてくるお姫様は、べったりと甘えてなんかいなかった。
確かに王子様に選ばれ、探し出されるのを待っていたお姫様はいる。世間知らずであったり、ただ眠っていただけの者もいる。
だけど言われるまま流されるのではなくて、自分にこれという強い想いがあるから、自信を持ってその手を取れるのだ。
(……強く、なりたい)
そう願う柚春の前に躍り出たのは、フランス民謡の美女と野獣をニャンド用にアレンジされたベルだ。呪いをかけられ自暴自棄になっていたのが誰であるか、正体を知らぬままぶつかり合い、献身的に支え真実の愛を見付けたプリンセス。
熱視線が過ぎたのか、手にしていたドネラに気付いたのか。柚春と目が合ったベルは、隣でディッキーを持つウォルターを見て、何かを察したようにしたり顔で頷いた。
――頑張ってね!
柚春に向かって満面の笑みで手を振るベルに、慌てて柚春もドネラの手を取り、懸命に振り返す。
「良かったね」
何らかのファンサービスだと思っているウォルターは、メッセージに気付いた様子はない。
パレードの最中だ、キャストが喋ることなんてないから都合の良い解釈である可能性も高い。……それでも、間違いなく勇気をくれた気がした。
(僕は、この関係を……大切に守りたいから、変えたい)
欲張りだとしたって譲れない。そのためなら手を伸ばして、声をかける――境界線を、越えて。
「ワット、あのね」
しっかりと繋いだ手から、溢れる気持ちが伝わるように。
「一緒に来てくれて、ありがとう!」
どうかこの感謝が――愛しい人だけではなくて、勇気をくれたあなたにも届きますように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月03日
参加申し込みの期限
2023年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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