〈ダストと魔階７２柱〉占拠されたスタジアム、窮地の人々を救え｜リアクション

〈ダストと魔階７２柱〉占拠されたスタジアム、窮地の人々を救え

　暗いどこか。
　場所はわからない、そんな場所に全裸の真白が鎖に繋がれ拘束されていた。
　その胸には異形の生物が取り突き、ミルクを飲むかのように生気を吸っている。時折、真白は小刻みに痙攣していた。その表情はだらしなく舌を垂らし、涎と涙を流す酷いものだ。太ももや床は粘質の液体で汚れている。
　そんな真白を眺めながら女性が近づいていく。
「ふふ、思った以上にいい使い道があったわね。シモベの栄養補給に生産……若い身体っていいわ」
　真白のお腹を撫で上げると胸の中心にずぶっと腕を女性は沈み込ませていく。異空間に沈み込むように腕が真白の身体に沈んでいった。がくがくと激しく痙攣する真白。
「あがっ、ぎうぅうう！？　おごっ、んぎいぃいい！？」
「貴女の心、とっても気持ちいわよ？　だからたくさんシモベを産み落とせる。いっぱい孕んで頂戴ね、貴女の心の中に」
　ぶるるっと腕を振るわせると真白の心の中に黒い濁流が放たれる。それらは溢れる奔流となって真白の心を汚した。
「ぎゃうぅう！？　いぎっ、あががががっ、お゛お゛お゛ぉっ！」
　ずぽんっと腕を胸から抜くと真白が激しく痙攣を始め、何かを呟き始めた。
「苦しい苦しい痛い痛い怖い怖い苦しい苦しいーーーッ！」
「さあ、産み落としなさい……７２柱の一人、この【ダンタリア】のシモベを」
　びくんびくんと胸を激しく胸を揺らしながら、真白の胸部に黒い穴が現れ、その闇の中から這い出すようにぼとぼとと人型の何かが産み落とされていく。
「んひぅうう、ひぃいいーー、ふうーーふうーー」
　半ば白目を剥きながら、涙と涎を垂らす真白の頭をダンタリアは優しく撫でた。そんな真白の乳房はぐにぐにと人型の何かに搾られ、輝く白色の液体【生気結晶液】を噴出していく。
「いい子ね、ふふ。やはり不思議な力を持つ子っていい生気結晶液が出るわね。これならシモベも早く強くできそう。あは、楽しみだわ」
　傍らに飾られた白い玉の中には小さくなった全裸の真白が何かを叫んでいる。
「自分の身体を好きに使われる気分はどうかしら？　あはは、聞こえないわよ、そんなとこで叫んでもね。殺さずにずっと使ってあげるから安心しなさい、ずぅっとシモベの母としてね。あは、あははははははは！」

　闇は深く、まだなお暗い。
　寝子島に訪れた脅威が晴れる日は遠い。

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