waに染まる猪口齢糖と伝統技術の饗宴 in サロネコ1371｜リアクション

waに染まる猪口齢糖と伝統技術の饗宴 in サロネコ1371

＊その余韻はショコラの香りか、それとも……？

　やがて、イベントもお開きとなり参加者たちは三々五々帰宅していく。
　ステッラ・デッラ・コリーナ内にあるカフェでは、和とチョコレートのコラボとして、チョコレートと和の素材を生かした商品が売られている。
　少し足が疲れた稲積柚春は、メアリ・エヴァンズと共に紅茶を飲みながら、コラボ商品の抹茶チョコマフィンをいただいていた。
　会場の音楽や展示された物について話しながら、それとなく柚春がメアリへ何やら相談を……？
「そうですねぇ。お菓子も少しは作れるものがございますね」
「メアリさんとお菓子作りするのも楽しいかなって」
　今まで作ったお菓子はどんなものか、等、もうしばらく相談は続きそうだ。
　少し離れた席では響蒼留人とマーガレット・ライカーが軽食を食べながら今日のイベントの感想を語らっていた。
「そういえば、すぐに売り切れたチョコもあったみたいですね」
「そうなのか？　気付かなかったな……。すぐに追加分を出したのか？」
　食べ損ねた物もあったが、それなりに楽しめたと思う二人。
　そんな二人が食べているのは、チョコレートソースを使ったサンドイッチのようだ。意外な新たな味に、蒼留人はいい笑顔になっていた。

　一方、テイクアウトして帰宅する者も……。
「チョコレートを肉料理のソースにするって面白い発想よね」
「ふふ～、イノシシのハンバーグサンド、楽しみだよ～」
　そう話しているのは夢宮瑠奈と野々ののこの２人。どうやら、カフェの商品も買って帰ったらしい。
「二人もそのサンドイッチ、買ったのか」
　ふとののこと瑠奈が顔を上げると、御剣刀が近くにいた。もちろん、橘千歳と小山内海も一緒である。
『抹茶チョコミルクも美味しいよ』
「サンドイッチも３、４種類あったから少し驚いたのよね」
　海と千歳もそこで買い物をしたらしく、そこでの話にしばし花を咲かせる５人だった。

「少し寒くなったから、ちょうどよかった」
「うん。とても甘くておいしい……」
　きなこ風味ホットチョコレートを買った鴻上彰尋と七夜あおいの二人は、それを飲みながら今回のイベントについての感想を語らう。
　その楽し気な様子を見ながら御巫時子と五十嵐尚輝も何か買えばよかったかもしれない、と話し合う。
「しかし……、読みかけの論文も……気になりますし」
「でしたら、今日は帰りましょうか」
　少し寂しいですが、と呟いた時子の声は尚輝に届いているだろうか？

光村日向と光村千恵の兄妹は、家族へのお土産手に帰路につく。
「寒くないか？」
「うん。大丈夫だよ」
　仲良く手を繋ぎ、笑い合う二人。その様子を見た三毛谷道哉は、優しい眼差しで兄妹を見つめる。
「なんだか、なつかしそうだね」
　傍らの餅々きなこに問われ、道哉は小さく微笑む。
「さぁ、どうだろうね」
　二人はしばし散歩しようか、と駅に向かう人々の流れからそれていった。
「けっこう見知った顔の人もいたな」
　そう呟いたのは、八神修。彼は車の中であおいや友達の事を思い返しながら、今度は自分がチョコレートなどで友達を持て成すのもいいかもしれない、と考えた。

「では、このあたりで」
「気を付けて帰るんだよ。まぁ、そこまで言わなくてもわかってるだろうけどね」
　倉前七瀬はウォルター・Bと駅前で別れた所だった。もう少し話したい気持ちはあったが、ウォルターはこの後用事があるらしい。また何かの機会に、と、七瀬は笑顔で手を振る。
　彼とすれ違ったのは、綾辻綾花。彼女は、早川珪に誘われ夜のレストランへ向かうのだ。
「先生、お待たせしました」
「いや、僕も今来たところだよ」
　珪がそれとなく綾花をエスコートすれば、少女はほんのりと頬を赤くして頷く。
「……そんな風にスマートにエスコートできたらまゆ先生も少しはみとめてくれるかな」
　少し離れたところにいた冴木竜司は、ふと待ち合わせしている相手……相原まゆの事を思った。と、そこで電話がかかってくる。どうやらまゆからのようだ。
　喜び勇んで出ると、「ごめんっ！　ちょっと遅れるかも！」と切羽詰まったような声。まぁ、最終的には時間に間に合うのだが、まだそれを竜司はしらない。

　愛猫萌々子と笛吹ぴりりは、既に電車に乗っていた。少し疲れたのか、ぴりりはすこしうとうとしているように思う。
「少し眠りますか？」
「はわっ？！　寝過ごすといけないので……！」
　ぴりりはぎりぎりまで頑張って起きるつもりのようだ。萌々子は「眠ったら肩を貸そうかな」と考えた。

　たくさんの人が訪れた『猪口齢糖と伝統技術の饗宴』はこうして幕を閉じ、夜が訪れる。素敵なひと時を迎えた人たちも、やがて余韻に浸りながら帰路につくだろう。

　――饗宴後の夜は静かに更けていく。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴／浅野悠希
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お久しぶりの、菊華です。
この度は、大変お待たせしました。

どのアクションもほのぼのさせていただきました。
浅野悠希マスターが書いて下さった素敵なガイドと、皆さまのアクションのお陰でこの穏やかで楽しいリアクションが出来上がりました。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

また、今回リアクションにでたチョコレートはアクションから出したものと、アドリブで出したものとあります。
アドリブのは、ネットで調べたりして出してみましたが、気に入ったものがあるとよいのですが……。
因みに僕自身は甘酒をつかった物が気になっております。

それでは、このあたりで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。

菊華　伴

今回の称号
【和・輪・waなチョコと伝統の饗宴】

取得
【手毬型チョコレート】※来場者への記念品です

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