更衣室の落とし物｜リアクション

更衣室の落とし物

●謎は解け……？

「先生、ちょっと来てください」
　修は最初に見つかった下着を持った高野先生を連れて、結月の元へ向かっていた。
　浅井先生も一緒だ。
「すみません、それを彼女……いや彼に見せてください。これは、君のものか？」
「うぐ……」
　明らかに動揺の色を見せる結月。
「先生の冤罪を晴らすために君の力が必要だ。正直に話してほしい」
　結月は観念した様子で頭を下げた。
「ごめんなさいっス！　結月、漢らしくなかったっス！
　そのパンツは結月の私物っス。……ドン引きっスよね……
　でも結月は……『どんな格好でも漢らしくなれる』様に修行中の身だったんっス。
　浅井先生、高野先生、ごめんなさいっス！」
「そうか……町の下着泥棒も捕まったと聞いた。浅井先生、疑って申し訳なかった」
　高野は深く頭を下げた。
「いえ、わかってくれればいいんです……　」
　浅井はほっとした様子で頭をかく。

　それを聞いていた海がペンを走らせる。
『はんにん　つかまってよかった』
　刀が海と千歳に言う。
「ほら小山内、千歳、俺じゃなかっただろう？」
　海がスケッチブックを見せる。
『わたしは　しんじてたよ
　でもふだんのおこないは……うん、きをつけたほうがいいかも』
「そうね。刀君が下着を持って出てきた時は、高野先生の気持ちがよくわかったわ」
　千歳も言う。
「えっと……はい、すいません」
　頭をかく刀だった。
　普段の行いでラッキースケベに出会えるものなら、羨ましいと思う男子も多そうだが。

　そこへ、箱詰めのニャルキーを持った竜司が現れた。
「今回は陸上部として各方面に迷惑をおかけしました。代表でお詫びに来ました」
　高野先生に頭を下げる。
「いや、悪かったのは私のほうだ。だがせっかくだから一つもらっとくよ」
　高野はカカカッ、と笑ってニャルキーを一つつまんだ。
「冴木、みんな……心配かけたな、ありがとう」
　そう言った浅井の背中を、高野がドンと叩く。
「ほんと、生徒に愛されてるよな」
　そして結月は。
「……改めて見ると浅井先生ってすごい筋肉っスよね……ハァハァ……ちょっと触っていいっスか！？」
「お、おい……ちょっと待て！」
　男とわかってはいても、顔を赤らめる浅井だった。

「あれ……そういえば、神無月の下着はどうして男子更衣室に？」
「男子更衣室にパンツを落としたかですか？
　淑女は秘密を着飾って美しくなるので、それは秘密です」
　（一番大事な下着は『荒縄』ですが。そちらはいざという時のために大切に保管しています。淑女として）
　綾は悠然と微笑んだ。

　こうして事件は、秘密の香りを残したまま幕を閉じたのだった。

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あとがき

担当マスター：天村花海
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ご参加ありがとうございました。
書き出してみると、パンツが多すぎる！　リアクションでした。
単語だけでなくコレクションやら、囮として想定されたパンツも含めると……
下着屋さんでもスカートめくりでもないシナリオなのに。

浅井先生の愛され具合がよくわかりました。
そして高野先生が愛されていることも。

高野先生の葛藤を描くことも考えたのですが、後にひかずにあっさりいくことにしました。
この二人はさっぱりした関係が一番のように思います。

それでは、次回のシナリオでまたお会いしましょう。

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