【中間テスト】おやつ支給、あります｜リアクション

【中間テスト】おやつ支給、あります

　小山内海は、配られた数学のテスト用紙に名前を書いた。
（さて）
　後は勉強したことを思い出し、解き進めるだけだ。
　なのに少しそわそわしてしまうのは、
（楽しみ）
　注文したおやつはまだだろうかと。
　順調に問題を解いていると、バターの溶ける香りと、甘い匂いが漂ってきた。ふと顔を上げると、黒板の前でパンケーキを焼くメイドさんの姿が。オーブンが用意され、ケーキの生地にクリームを塗っていたり、チョコレートを溶かしていたり、クッキー生地をこねているメイドさんもいる。
（いつの間に）
　すぐに海の元へ焼き立てのパンケーキが運ばれてきた。
「お待たせいたしました」
　ささやき声。
　メープルシロップたっぷりのパンケーキと紅茶だ。
　海は軽く会釈して、ナイフとフォークで小さく切り分け、一口。
（んー）
　ふわふわとした食感、甘さが口の中に広がる。
「生クリームとチョコレート、キャラメルの中から追加トッピングが選べます」
　メニュー表を見せてくれたので、生クリームを指で指す。
　メープルシロップとの相性重視で選ぶ。
　と、時計が目に入った。
（時間が）
　少しスピードを上げたほうが良さそうだ。
（食べたいけど）
　我慢して、テストに集中する。
　と、目の前にフォークに刺さったパンケーキが。
（！？）
　メイドさんがにこにこ笑いながら、あーんを要求してきた。
　海は少し迷ってから、一口。
（美味しい）
　効率的な方法だが、少し恥ずかしい。
　次のあーんはお断りして、テストに集中。チャイムの前に終わったので、残りの時間でパンケーキを堪能したのだった。

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