寝子島あやかし譚　烏天狗｜リアクション

寝子島あやかし譚　烏天狗

●烏天狗懲らしめ行脚

　女の子と戦うのは……と思う道哉だったが、据え膳食わぬは男の恥、と姉妹の喧嘩を買うことに。
「ゲーセンで遊んでいた時の素の笑顔は中々よかった。素直になってみなさい、柚子」
　照れを隠すように「うるさい！」と蹴りや拳を叩きつけようとする柚子だったが一撃も当たらない。
「遊びじゃ、遊びにしかみられないぞ。自らの行動は自分に返る」
　猫の素早さで避けてカウンターを狙いつつ、素直になりなさいと姉妹に忠告する。
「おじさん、ムカつくんですけど～？」
「お説教されたくないわね」
　道哉の言葉に耳を貸さない姉妹は、邪魔者は排除と言わんばかりに突撃を繰り出す。
（言うことを聞きそうもないか。やれやれ）
　ため息をつき「年期が違うんだよ」と能力『ほころびの光』でまずは柚子、次は蜜柑に一発つく。
「私の出番は無さそうね」
　道哉と一緒に姉妹の相手をしようと思っていたティオレだったが、出る幕無さそうと様子を見るだけにした。

　姉妹は、敵わない相手と悟ったのか降参した。
「おじさん、思ってたより強かったね～。これ以上、相手にするとアタシ達の体力が持たないよ」
　そう言うが、やりきった感が表情に出ている柚子。
「悔しいけど負けたわ。どこかに行ってくれない？」
　蜜柑は納得いかないようだが、もう関わりたくないと立ち去った。
　ちょっと待って～、と柚子が蜜柑の後を追おうとしたが「待ちなさい」と道哉は引き止めた。
「話があったら、相談にのってあげよう。ここに来なさい」
　和服の懐から「三毛谷の家」の住所の書いたメモを取り出し、柚子に手渡す。
「手料理がてら、寝子島や霊界の穴場を教えてあげよう。反対に嬢ちゃんたちが知ってる楽しいことも教えておくれ。情報交換といこうじゃないか」
　メモを見ながら、気が向いたら蜜柑と行くと言い、柚子は走って去って行った。
「あの子達を懲らしめなくて良かったの？」
　ティオレにそう問われたので、懐から扇子を取り出すと仰ぎながら「いいんじゃないかねぇ」と飄々とした態度で言う道哉。
「あの姉妹の他にも、街で悪行を重ねる烏天狗がいるらしいんだ。そいつらを見つけてお説教しようと思っているんだけど」
　嬢ちゃんも一緒にどうだい？　と物足りなさそうなティオレを誘う。
「悪行を重ねるのは許せないわね。お説教とお仕置きをしないと」
　腕が鳴るわ、と指をポキポキ鳴らしてティオレはやる気を見せる。
　お仕置きはいいけどほどほどにね、と苦笑し、道哉は「いこうか」と歩き出す。

　ティオレと道哉は、シーサイドタウンでチョイ悪風美少年の鴉天狗『玉風』を発見。
　哀れな化けダヌキをおどし、ニセ金を作らせているところを目撃した。
　これでまた爆買いできるとホクホク顔でどこに行こうかと考えているところに立ちはだかる。
　道哉の説得とお説教。ティオレの鉄拳制裁で、やり込められた玉風はベソをかきながら化けタヌキを引き連れて逃げて行った。
「情けないわね」
　烏天狗は皆、ああなのかしらと呆れ気味なティオレは、次の烏天狗を探しに行く。
　手荒なことはしたくないねぇと思いつつ、それに続く道哉。

　残りの烏天狗は、この二人の鉄拳と説得、お説教で寝子島を立ち去ったのだった。

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。

寝子島各地ですが、悪さする烏天狗の被害はありませんでした。被害なしが一番です。

絡まれたり、誘惑されたりと、いろいろな目に遭われた皆様、大変でしたね……。
気苦労疲れなさったことと思います。お疲れ様でした。
今後、烏天狗以外のあやかしが登場するかもしれません。
その時はまた、皆さんのお力をお借りすることになるでしょう。

ご参加、ありがとうございました。

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