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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
紅葉舞うあやかし温泉
日曜日。
寝子高３年の青山 絢と従姉の水谷 真優理は、紅葉で色づく九夜山へハイキングに来ました。
傍から見れば平和な光景ですが、真優理は絢を心配していました。
（ここ数日、少し絢ちゃんの様子がおかしい。元々静かな佇まいで、あまり騒がないタイプだけど。それを考慮に入れても、明らかに陰鬱そうなのよね）
お客様の顔色を読み取り要望に応える有能なコンシェルジュである真優理にとって、絢の様子がおかしいのは簡単に見て取れました。
（何か悩み事でもあるのかしら？）
とはいえ、他人であるお客様と違い、一緒に住んでいる絢にストレートに聞くのはためらわれるものがありました。
それほどまでに最近の絢はどこかおかしかったとも言えます。
「ねえ、絢ちゃん。大丈夫……顔色が良くないわ」
声をかけてみましたが、絢は無表情に。
「なんでもないよ。疲れただけだから」
と答えただけでした。
（進路のことで悩んでる？ 人間関係？ それとも……？）
真優理は考えを巡らせますが思い当たる節はなく、答えを出すには材料が少なすぎました。
絢の気持ちはどこか虚ろでした。
（あの悪夢を見て以来──私の心にヒビが入り……そこに誰かが住んでいるような気がする）
幸い今のところ、『私の顔をした私じゃないナニカ』が表に出てくることはありませんでしたが。
（……だけど……私の中で何かが壊れ始めている気がする）
雲行きが怪しいのは心の中だけではありませんでした。
そうこうするうちに、いつの間にか周囲は霧に包まれていたのです。
「山の天候は変わりやすいというけれど、ちょっと急すぎない？」
真優理が戸惑いの声を上げていると、霧の中に建物が見えてきました。
「真優理さん、あれ……」
少し晴れてきた霧の向こうに、鉄道の駅らしきものを見つけて、思わず絢は真優理の手を取っていました。
「……なぜ駅前なの？」
ふたりで訝しんでいると、そこに着物姿の看板娘が現れました。
「浅縹温泉へようこそ。どうぞ、お休みになっていってください」
「こんなところに温泉街……？」
ホテルのコンシェルジュとして観光施設について詳しいはずの真優理も、こんな温泉は知りませんでした。
「料金は？」
「貸しタオル代だけいただければ結構です。さあ、こちらです」
二人は案内されるままに温泉に入ることになりました。
「そうね、霧が晴れるまではここにいるのだし……」
絢と真優理は一糸まとわぬ姿で温泉に入っていきました。
「綺麗……」
少し霧がかかった中で、真っ赤な紅葉がお湯に浮いてとても綺麗です。
つらかった絢の気持ちも、お湯の温かさと自然の美しさで癒されていくのが感じられました。
「結構いい湯加減ね。リラックスできそう」
真優理は明るく言いましたが、
（……なんだろう、この体のほてりは……？）
温泉のせいだけとは思えない火照りに戸惑っていました。
気がつくと背中に葉っぱがついていて。
取ろうとしましたが、じんわりとマッサージされるような感覚が伝わってきて、剥がす気をなくしてしまいました。
（なんだか、身体の芯が熱くなって……）
絢もまた、不思議な感触を感じていました。
（身体に何か触れてる？ でもとても気持ちいい……）
そのうちに息が荒くなり、視界がかすみ……
たまらなくなり、絢は真優理に近づいていきました。
（絢ちゃん？）
真優理は、絢のただならぬ気配に気づきました。
桃色に上気した肌の絢が嫣然と微笑みながら、真優理に近づいてきます。
「どうしたの……？」
平静を装おうとしましたが、その様子にドキッとしてしまい。
そして、絢が腕を伸ばしてきました。
（大好きな絢ちゃん……）
二人は自然に互いに腕を絡めて肌を合わせ、抱き合い……
絢は溢れてくる情動に流されるままに……真優理にキスをしました。
（絢ちゃん……）
絢にキスを奪われ、呆然とした真優理ですが。
（こんなこと……でも、どこかで願っていたのかもしれない。……そうよ、何を迷うことがあるの）
「絢ちゃん……大好きよ」
紅葉は絢と真優理の肌に降り注ぎ、二人の思いを燃え上がらせて。
流されるままに二人は、甘い快楽に溺れていきました。
霧と湯煙の間に見える二人は、まるでとても美しく妖しい一幅の絵のようでした。
寝子高３年の青山 絢と従姉の水谷 真優理は、紅葉で色づく九夜山へハイキングに来ました。
傍から見れば平和な光景ですが、真優理は絢を心配していました。
（ここ数日、少し絢ちゃんの様子がおかしい。元々静かな佇まいで、あまり騒がないタイプだけど。それを考慮に入れても、明らかに陰鬱そうなのよね）
お客様の顔色を読み取り要望に応える有能なコンシェルジュである真優理にとって、絢の様子がおかしいのは簡単に見て取れました。
（何か悩み事でもあるのかしら？）
とはいえ、他人であるお客様と違い、一緒に住んでいる絢にストレートに聞くのはためらわれるものがありました。
それほどまでに最近の絢はどこかおかしかったとも言えます。
「ねえ、絢ちゃん。大丈夫……顔色が良くないわ」
声をかけてみましたが、絢は無表情に。
「なんでもないよ。疲れただけだから」
と答えただけでした。
（進路のことで悩んでる？ 人間関係？ それとも……？）
真優理は考えを巡らせますが思い当たる節はなく、答えを出すには材料が少なすぎました。
絢の気持ちはどこか虚ろでした。
（あの悪夢を見て以来──私の心にヒビが入り……そこに誰かが住んでいるような気がする）
幸い今のところ、『私の顔をした私じゃないナニカ』が表に出てくることはありませんでしたが。
（……だけど……私の中で何かが壊れ始めている気がする）
雲行きが怪しいのは心の中だけではありませんでした。
そうこうするうちに、いつの間にか周囲は霧に包まれていたのです。
「山の天候は変わりやすいというけれど、ちょっと急すぎない？」
真優理が戸惑いの声を上げていると、霧の中に建物が見えてきました。
「真優理さん、あれ……」
少し晴れてきた霧の向こうに、鉄道の駅らしきものを見つけて、思わず絢は真優理の手を取っていました。
「……なぜ駅前なの？」
ふたりで訝しんでいると、そこに着物姿の看板娘が現れました。
「浅縹温泉へようこそ。どうぞ、お休みになっていってください」
「こんなところに温泉街……？」
ホテルのコンシェルジュとして観光施設について詳しいはずの真優理も、こんな温泉は知りませんでした。
「料金は？」
「貸しタオル代だけいただければ結構です。さあ、こちらです」
二人は案内されるままに温泉に入ることになりました。
「そうね、霧が晴れるまではここにいるのだし……」
絢と真優理は一糸まとわぬ姿で温泉に入っていきました。
「綺麗……」
少し霧がかかった中で、真っ赤な紅葉がお湯に浮いてとても綺麗です。
つらかった絢の気持ちも、お湯の温かさと自然の美しさで癒されていくのが感じられました。
「結構いい湯加減ね。リラックスできそう」
真優理は明るく言いましたが、
（……なんだろう、この体のほてりは……？）
温泉のせいだけとは思えない火照りに戸惑っていました。
気がつくと背中に葉っぱがついていて。
取ろうとしましたが、じんわりとマッサージされるような感覚が伝わってきて、剥がす気をなくしてしまいました。
（なんだか、身体の芯が熱くなって……）
絢もまた、不思議な感触を感じていました。
（身体に何か触れてる？ でもとても気持ちいい……）
そのうちに息が荒くなり、視界がかすみ……
たまらなくなり、絢は真優理に近づいていきました。
（絢ちゃん？）
真優理は、絢のただならぬ気配に気づきました。
桃色に上気した肌の絢が嫣然と微笑みながら、真優理に近づいてきます。
「どうしたの……？」
平静を装おうとしましたが、その様子にドキッとしてしまい。
そして、絢が腕を伸ばしてきました。
（大好きな絢ちゃん……）
二人は自然に互いに腕を絡めて肌を合わせ、抱き合い……
絢は溢れてくる情動に流されるままに……真優理にキスをしました。
（絢ちゃん……）
絢にキスを奪われ、呆然とした真優理ですが。
（こんなこと……でも、どこかで願っていたのかもしれない。……そうよ、何を迷うことがあるの）
「絢ちゃん……大好きよ」
紅葉は絢と真優理の肌に降り注ぎ、二人の思いを燃え上がらせて。
流されるままに二人は、甘い快楽に溺れていきました。
霧と湯煙の間に見える二人は、まるでとても美しく妖しい一幅の絵のようでした。
あとがき
担当マスター：
茄子りんこ
ファンレターはマスターページから！
ご参加ありがとうございました。
こう来たか！ という皆様のアクションに、楽しく執筆させていただきました。
紅葉のあやかし温泉、楽しんでいただけたなら幸いです。
またご縁がありましたら、ご参加お待ちしております。
こう来たか！ という皆様のアクションに、楽しく執筆させていただきました。
紅葉のあやかし温泉、楽しんでいただけたなら幸いです。
またご縁がありましたら、ご参加お待ちしております。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2022年10月21日
- 参加申し込みの期限
-
- 2022年10月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2022年10月28日 11時00分
