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「わあ、カラフルだね」
冷蔵ケースの中にずらりと並ぶジェラートを見て、
稲積 柚春
は歓声を上げた。オーソドックスなバニラから豆乳アイスやベジタブルジェラートといった変わり種まで、様々な種類と味のジェラートが揃うケースの中はあたかも、きらきらと輝いているようだ。
ворも見える? とポシェットの定位置を見下ろした柚春は、だがそこに居るべきカプセルギアの人形が影も形も見当たらないことに、こくりと首を傾げる。どこかで落としてしまったのだろうか――気付かなかったけれども、いったいいつ、どこで?
じわり、様々な負の感情が胸に込み上げる。それは大事なカプセルギアの人形を見失ってしまった不安であり、見つかるだろうかという焦りであり、せっかく
ウォルター・B
と一緒に過ごせるこの時間が終わりになってしまうのだろうか……という無念だった。
どうしよう、と思わずポシェットのひもを握り締めた柚春に、店員のお姉さんが声を掛ける。
「お決まりになりました?」
「あっ! あ、はい、その、えぇと……」
ひとまず目の前の注文をこなすべく、柚春は努めて今はворの事を頭の片隅に押し込み、ジェラートケースに集中した。自分から買ってくると言ったのだし、ウォルターが柚春に任せると言ってくれたのだ、最高に美味しいと思ってもらえるジェラートを選びたいではないか。
ゆえに幾つかあるフレーバーからレモンジェラートを選び、トッピングをお任せする。かしこまりました、とにっこり笑顔のお姉さんが準備をしてくれている間に、さらにジェラートケースを見つめて、うーん、と考え込んだ。
(メアリさんにもお土産……さすがに溶けちゃうかな)
ウォルターの身の回りの世話をしているという老婦人の顔を思い浮かべた柚春は、ぶん、と頭を振ってその考えを打ち消した。これから読書をしていくのだから、幾ら保冷剤をたくさん入れてもらっても、ウォルターが帰るまではもたないだろう。
代わりに、トッピング用のドライフルーツやソースを小売りもしているという事なので、そちらをお土産にする事にした。そうして支払いを済ませて、ворが居なくなったことをウォルターに何と言おうかと考えながら、テラス席に戻ろうとする。
――果たして自分は、探しに行きたいのだろうか。行きたくないのだろうか。いつも持ち歩いてぬい活するくらい大事なカプセルギアの人形だのに、どうしてこんな時になくなってしまうのか、なんて恨みがましい気持ちが、まったく無いとは言えない。
だって、折角のウォルターさんとの休日なのに――
「――あれ」
思わず唇を噛み締めたその時、テラス席へとつながる扉の前に、あれほど柚春を心配させたворが、ぽてん、と落ちているのが目に入った。その表情はまるで無念に力尽きたようにも見えて、どうしたの? と思わず声を掛けるがもちろん、答えが返るはずもない。
それでも見つかって良かったと、心から安堵して柚春は大切にворを拾い上げ、軽くほこりを払って元通り、ポシェットの定位置に仕舞い込んだ。今度こそちょっとやそっとでは落ちないことを確認し、ふふ、と笑う。
そうして先ほどとは打って変わって軽くなった心を抱いて、柚春は足取りも軽くテラスへと踏み出すと、ぐるりと視線を巡らせ恋しい人の姿を探した。柚春が離れる前と同じように何匹かの猫が寛いでいて、その中にウォルターが佇んている。
ウォルターさん、と柚春は目を丸くした。
「座っててくれて良かったのに」
「――ちょっと、大きなネズミが居たもんだからねぇ」
追い払ってたんだよぉ、とそんな柚春ににっこりして見せるウォルターは、なぜだろう、『ウォルターさん』でも『ウォルター先生』でも無い気がする。けれどもそれを柚春が疑問に思うより早く、ウォルターは『ウォルターさん』の顔になった。
ひょい、と柚春の手の中を見下ろして、ありがとねぇ、と笑う。
「これは……レモン? マンゴー?」
「あ……えっと、レモンジェラートにおすすめトッピングでミントと……ラムネだったかな?」
「夏の名残って感じがするねぇ。カップなのも助かるよぉ」
そう言いながらウォルターは何もなかったようにすぐ傍の4人掛けの席に腰掛け、柚春の手からレモンジェラートを受け取った。ガサガサと紙袋を鳴らして本を何冊か出し、そのうちの2冊を選んで残りをまた紙袋に仕舞う。
そうして柚春へと向けた視線が、ウォルターの正面の席に座り、自分の様子をじっと熱を持った目で見ていたらしい彼女のそれとぶつかった。――あの青年も昔はこんなコドモだったな、と元教え子の事を思い出す。
周りに猫が居るからだろうか、脈絡もなく『好奇心旺盛な猫みたいだねぇ』と内心だけで苦笑してから、その感情はおくびにも出さないまま手にしたうちの一冊を柚春に渡した。反射的に受け取った彼女が、え、と目を丸くする。
「それなら柚春でも楽しめるんじゃないかなぁ」
「――読んで良いの?」
「さすがに自分だけ読むってのもねぇ。――まだ居るんでしょ」
それが、先ほどは明確に与えられなかった「もう少し一緒に居たい」という願いの答えだと、理解して柚春はぱぁっと頬を上気させた。ぎゅっと大切に本を胸に抱き、それからそっと離して表紙を見てみれば、海外の――ウォルターの出身を考えればイギリスだろうか――子ども向けの物語を和訳した物のようだ。
(これがどう仕事に繋がるんだろう……?)
確か仕事の資料と言ってたような、と目を瞬かせてウォルターを見つめると、すでに彼は手元に残した方の本を開いていた。ちら、と見えたのは(多分)英語のびっしり書かれたページだ――もしかしたら今貸してもらった和訳の、オリジナルだろうか。
だとしたら何だかくすぐったい、と頬を綻ばせた柚春がそのまま本を開こうとすると、ストップ、と声がかかる。今度は何が、とウォルターを見たら、まるでからかうような眼差しが柚春を見ていた。
「柚春も何か、ジェラートを買っておいでよぉ。君の分は奢ってあげるからねぇ」
「……! はいっ!」
そうして告げられた言葉に、柚春は今度こそ嬉しくなって大きく返事をし、立ち上がってまた店内へと戻っていく。折角だからウォルターとお揃いにしようか、それとも違う味にして交換を持ちかけてみようか。
ふふ、と嬉しそうな柚春のポシェットの中で、人形がかさりと小さく揺れた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月07日
参加申し込みの期限
2022年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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