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あなたと出会って街歩き。
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さてその日、
稲積 柚春
が『ブック・ライフ』を訪れたのは、何となく焦燥に駆られての事だった。
親の転勤に振り回され続けた柚春にとって、今通っている寝子高を含めて、自身の希望でもって進学を決めたといえる学校は皆無に等しい。寝子高への転校が最後だと親とは約束したけれど、もしかしたら心のどこかでは、それを信じられていない自分もいるのかも知れない。
そんなこんなで寝子高にやって来て1年が過ぎ、今はもう2年生の半ばである。2年生――つまり進路を考えなければいけない時期。
早い人なら1年生の頃にはもうとっくに進路を定め、その目標に向かって邁進しているものだというが、あいにく柚春には今のところ、そういったものはなかった。何しろ『その時』自分がどこに居るかもわからないのに、将来など描けるはずもない。
とはいえもう2年生である。いい加減、そろそろ進路を考えようと思い立ち、漠然と『特技を活かせたら……』と資格の本を探すべく、こうして本屋にやって来たのだった。
閑話休題。
店内表示に従って『受験』とか『資格・検定』といった資料や参考書が並んでいる棚を探し出し、眺めた柚春はその膨大さに目をちかちかさせた。
(ううん……? こっちがアロマ検定、で、紅茶マイスター資格……あれ、また違う資格の本もある……?)
一口に特技を活かすといっても、柚春が想像していた以上にその専門性は多岐に渡っていたようだ。それ以前にそもそも彼女には、検定と資格の違いがよく判らない事に気が付いた。
ふぅ、とため息を吐いて幾つか手にしていた本をすべて棚に戻す。これは今度、きちんと調べてから改めて買いに来た方が良さそうだ。
ゆえに店を出ようと踵を返しかけた柚春は、ふと耳に届いた聞き覚えのある声にピタリと足を止め、きょろ、と辺りを見回した。聞き間違えるはずもない――あれは間違いなく
ウォルター・B
先生のもの。
「いつも助かるよ」
「へへ……っ、いつでも声かけてください」
どうやらウォルターは、顔見知りらしい店員と話をしていたようだった。そんな会話を最後に店員――柚春の位置からは顔はよく見えなかった――が去っていくのを本棚の影で確認してから、そっとウォルターの前へと進み出る。
ウォルターさん、といつかの約束通りプライベートな時間の呼び方をすれば、時計を見ていたらしいウォルターは少し驚いたようだった。虚を突かれたような表情で彼女を見た後、少し困ったようにどこかへ視線を向けながら「稲積」と心持ち強めに呼ばれる。
『今はだめだ』という事だろう。それは理解して、けれども柚春は心の中で唇を尖らせる。休日は『ウォルターさん』と呼んでいいと、約束したのではなかったか。
だが、重ねて彼の名を呼ぼうとすれば、『先生』の眼差しが彼女を見下ろしていた。同時に本棚の向こうから先ほどの店員がひょいと顔を出す。
「せんせー、まだ居た良かった。ちょっと見つけたんですけどこっちの本も……あれ、お邪魔しました?」
「いや、構わないよ。……ああ、これも良いね、一緒に貰って行こう」
ぱら、と差し出された本に軽く目を通して笑う、その横顔は『ウォルター先生』だ。それが判ったから柚春は大人しく『生徒』の顔で、いかにも偶然先生に遭いました、なんて顔を取り繕う。
そうしてウォルターが会計を済ませ、一緒に自動ドアをくぐって外に出て。
「――ウォルターさんもお買い物?」
「……まぁ。仕事の資料を探しにねぇ」
ちら、と横目で伺うように見上げた柚春に、ため息を吐きながらもそう返してくれたウォルターはもう、『先生』の顔をしては居なかった。それにほっと息を吐き、嬉しさに頬を綻ばせる。
ウォルターは本の入った紙袋をがさりと揺らしながら、そんな柚春を見下ろした。ウォルター『も』、という事は柚春も『ブック・ライフ』には買い物に訪れていたはずだが。
「稲積は……」
「――……」
「……柚春は、何か買ったのかなぁ?」
いつもの調子で尋ねようとして、じと、と見上げてくる眼差しにため息を吐き『休みの日』の呼び方をすれば、途端にご機嫌な笑顔になる。そんな彼女は実に分かりやすくて、可愛い『生徒』だ。
そう、目を細めて見つめてくるウォルターに柚春は笑顔で、ちょっと探し物をしに行ったんだけど、と告げる。だが、それだけだ。
だって、
「僕の用事は……学校で『生徒』として聞けることだから。今は『生徒』じゃない『稲積柚春』として一緒に過ごしていいですか?」
「い……柚春……」
稲積、と呼び掛けたウォルターは、柚春の眼差しに名前を呼びなおして、だが困ったようにも戸惑ったようにも見える表情になった。けれども実のところ、柚春の言葉は確認の体を取った宣言で、ウォルターの意思は関係ない。
彼がどう思っていても、柚春は『ウォルターさんと柚春として過ごす』、ただそれだけの話。だって柚春は『先生』との時間も『ウォルターさん』との時間も、どちらも掛け替えなく大切に思っている。
だから、
「ね、ウォルターさん。この後どこに行くの?」
「さて……どこに行こうかねぇ。まだ少し暑いから、星ヶ丘のジェラート屋で読書も良いと思ってたんだけどねぇ」
「ジェラート屋! 僕も行ってみたいなぁ」
ウォルターの言葉にパチンと手を合わせてそう言えば、ウォルターの表情が柔らかな苦笑になった。まるでごく親しい相手を見るかのような――あ、これは『ウォルターさん』の顔だ。
ふふ、とそれに嬉しく頬を綻ばせ、柚春はねこ電の駅に向かって歩き出す。この素敵な偶然を、少しでも長く、深く味わいたかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月07日
参加申し込みの期限
2022年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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