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あなたと出会って街歩き。
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ねこ電の駅までの道を、並んで歩く。ただそれだけの事だけれど、ただそれだけが今の
稲積 柚春
にはくすぐったくて、幸せだ。
ゆえに弾むような足取りで歩く、柚春の傍らには
ウォルター・B
が歩いていて、それがまた幸せで。嗚呼――話したいことがたくさんあるのに、何を話せばいいのかよく判らない。
「ウォルターさん、読書好きなんだね。お部屋も本がぎっしり並んでいたし」
ゆえに思いついたことから口にする、柚春にウォルターが「まぁねぇ」と手に持つ紙袋の重みを思い、苦笑した。仕事の資料を読み込むことが『読書が好き』という事にはなるまいが、少なくともあれこれと読んだところで苦痛にならないのだから、嫌いではないに違いない。
――天才と呼ばれるウォルターは、たいていの事は苦労せずとも卒なくこなしてしまうがゆえに、自身でも興味や感情の在処がいまいち解りかねる時がある。今がちょうどそんな時だ――けれども、無理に答えを出す必要もない問い。
だってほら、柚春の興味はとっくに別に移っている。
「僕は読書をするとき、本の帯とか粗筋を読んでイメージしたアロマや自分でブレンドした紅茶を淹れて読むんだ」
微笑ましく見守りつつも観察するような眼差しのウォルターの前で、彼女が笑う。稚く、危ういほどに剥き出しにした感情を隠さず、頬を憧れに上気させながら。
それを彼女は恋だと言うのだ。
「思っていた通りならどんどん世界に引き込まれるし、違ったら休憩にアレンジしたりね」
「へぇ……それは興味深いというか、香りが好きな柚春らしいねぇ」
「……ッ! そ、それでね、読み終わった後は気に入ったシーンのバスボムを作ったりするんだよ」
ウォルターが自分の趣味の事を覚えていてくれた、柚春らしいと言ってくれた、それだけで天にも舞い昇る心地になりながら、柚春は頬を染めて懸命に説明する。そのバスボムを使って入浴すれば、気に入ったシーンをまた思い起こすことが出来て、その香りに包まれてあたかも物語の中に入り込んだような気持になって、それで――
――それでも。
(ウォルターさんが悲しそうにしていたあの本だけは)
かつて不思議な世界で見た、あの本だけはそんな気持ちにはなれなかった。それを柚春は、見てはいけないものを見たからだと――不用意に触れてはいけないのだと思っていたのだけれど。
それはきっと違うのだと、今ふいに思った。きっとあれがウォルターの物語で、今なお続いているから――捕らわれているから触れる気にはなれないのだと、悟った。
「いず――柚春?」
ぴたり、足を止めてしまった柚春にウォルターが、不思議そうに声を掛ける。見上げたウォルターの瞳は優しくて、気遣わしげで、確かに柚春が映っていて――でもそれだけだ。
あなたは、と呟いた。
「あなたは――あなたにウォルターさんとして笑ってもらうために、僕には何ができるのかな」
「……心配してくれてありがとうねぇ」
苦笑は柚春にはまるで、痛みをこらえているように見える。それは柚春の脳裏に、あの時に見た若かりし頃のウォルターの傷ついた姿が、思い起こされているからかもしれない。
本当に彼が前に進めているのなら、生きていると言えるのなら、何色にもどんな香りにも変化するだろう。今の彼が『生きるべきだから』と自分を犠牲にして道を選んだのでは無い事を、『先生になれて良かった』という言葉を、柚春は心から信じている。
――けれども。だからこそ、それが越え難い線引きとなっているように、柚春には感じられていた。大人と子ども、先生と生徒、そんな立場のあれこれじゃないもっと根源的な、自分と他人の明確な境目。
それがきっと、ウォルターには必要な線引きなのだろう。けれどもその線引きゆえに、彼の心が苦しんでいるように見えるのは、柚春の思い込みに過ぎないのだろうか?
「ウォルターさんは――本音を仮面で隠して、心に線引きして、がんじがらめになって……不自由なフリをしているような、そんな気がするんだ」
「誰しも心の中に、誰にも触れられたくない本音を隠していたりするものだけどねぇ」
「それでも。それを僕が外そうとしたら――やっぱり不快なのかな……」
言い募りながら不安に眼差しを揺らした柚春の頭を、ぽん、とあやすようにウォルターが撫でる。違う、と柚春は子ども扱いに抵抗するように、頑是ない子どもの如く首を振った。
ああ、こんなんじゃまたウォルターさんに、僕の先生への気持ちは小さな子がパパと結婚するって憧れるような気持ちだって言われちゃう。そんなんじゃないって、遊びでもおままごとでもないって、解ってもらえなくなっちゃう。
それが判っていて、でもどうすれば彼の頑なな思い込み――柚春にはそうとしか思えない何か――を解くことが出来るのか、自分が本気だと示せるのか判らなかった。
「僕は、ウォルターさんの心を預けてなんて言わない」
仕事や心や、彼の大切なものを奪いたいなんて傲慢なことを、思っているわけじゃない。ただ――先生として無理に笑わないで、一緒に幸せになれたら良いと願っているだけだ。
かつてウォルターは、遊びなら良かったと言った。それがどんな意味だったのか、説明しなかったのはウォルターなのだから、柚春がしたいように解釈するだけだ。
――遊びなら良いのなら、それで良いじゃないか。それのどこが悪いのか解らない、だって遊びから本気になる事だって、最初から本気だったのに冷める事だって、色恋沙汰にはままある事ではないのか。
だったら。最初から柚春に全部を見せてくれなんて、図々しい事は望まないから、
「僕に、ウォルターさんが幸せになるお手伝いをさせて欲しい」
そう――告げた言葉にウォルターはつと瞳を伏せて、笑った。困ったように、寂しげに。何かを思い出すように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月07日
参加申し込みの期限
2022年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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