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「……結構、揺れたが大丈夫そうだな」
七尾 蒼也
は部屋の中心に立っていた。壁に亀裂は入っていない。窓ガラスは古めかしいが割れる程の被害は出なかった。
一瞬の静けさに慌ただしい足音が挟まる。何か叫んでいた。耳を澄ますと内容が部分的に聞き取れた。
「今の地震で地下が広がった、だと?」
トレーナー姿で蒼也は廊下に飛び出した。茶色い作務衣を着た
猫館 鳴
が走ってきて目の前で立ち止まる。
「ちょうどいいわ。地下の探索を手伝ってよ」
「え、俺か?」
「ダメなら仕方ないね。私ひとりでも」
「待ってくれ。用意するから」
「わかったわ」
鳴は軽く腕を組んだ。下から押される形となった胸が強調された。目にした蒼也は自室に戻ると、あの大きさは先輩だな、と呟いて押し入れを開けた。
手前でへたり込むリュックを引っ張り出し、最初に懐中電灯を収めた。目に付いた食べ物は非常食として採用した。最後に大小のタオルを詰め込んで満足げに頷いた。
蒼也は小太りとなったリュックを背負って部屋を出た。
待っていた鳴は腕を解き、にっこり笑う。
「張り切って探索よ」
「それはいいんだが、頭部を守る物が欲しいよな。ヘルメットとか」
「それなら見たことがあるわ。会議室だったかな」
二人は地下に向かう前に自治会会議室に立ち寄った。着ぐるみや雑誌、カーテン等が積み重なるところに手を突っ込んで探す。
蒼也は早速、頭に被る。
「そっちはどうだ?」
「ないみたいね。まあ、いいか」
「危ないと思うが」
「大丈夫よ。私は見た目と違って頑丈だから」
鳴は得意げな顔でにんまり笑う。合間に左斜めに切り揃えられた前髪を手で整えた。
「石頭とか」
「どちらかと言ったら木頭ね」
「おもしろい表現だな」
笑みを交わした二人が廊下に出ると、
邪衣 士
がのっそりと横手から現れた。長袖シャツとズボンの組み合わせは珍しくない。目を引くのは腰に巻かれた熊の毛皮であった。頭部があるので噛み付かれているように見える。
瞬間、蒼也は目を輝かせて言った。
「一目でわかる。マタギだよな」
「全然、違うが。それより揺れたか?」
鳴は見上げるような格好となった。
「揺れたよ。その影響で地下の一部が崩れて、その奥に行けるようになったわ」
「
探検部
、部長の俺の出番か。三人で行動すれば危険を回避できる」
「それは頼もしいな。先輩、よろしくな」
やや態度は大きいが蒼也に悪気はないようで快活な笑みを浮かべた。
地下に降りると鳴が一方を指さした。
「こっちよ」
崩れてできた穴を通り、三人は深い闇と向き合った。
「目では何も見えないな」
蒼也はリュックから懐中電灯を取り出して正面に光を向ける。奥行きは増したが、依然、深い闇に閉ざされていた。
士は視線を上に向けた。
「天井の状態が気になる」
「確かに。俺はヘルメットを被っているからいいけど、先輩達は危ないよな」
「俺なら大丈夫だ」
士は腰の毛皮を解いて全身に纏う。熊に頭部を齧られた状態となった。
鳴は楽しそうに目を細めた。
「どっちにしても熊に食べられているんだけど」
「でも、防御には優れていそうだ。問題は天井だな」
蒼也は光を天井に向ける。闇は取り払われてゴツゴツとした表面が浮かび上がった。目視では崩れ落ちそうな箇所は見当たらなかった。
鳴は指先を正面の闇に向けた。
「闇を突っ切っていくよ」
「いや、待て」
士は低い声で止めた。鳴は不満そうな顔で、どうしてよ、と聞き返した。
「なんの目印もないところを進むと迷う可能性がある。まずは右の壁伝いに歩いていこう」
「それ、知ってるぜ。迷路で使う方法だよな。今回は右の壁だから『右手の法則』だな」
「その通りだ。右手を壁に触れて歩けば、多少の遠回りになってもゴールに辿り着く。今回で言えば元の場所に戻ってくることになるが」
二人の遣り取りを聞いていた鳴が話に割り込んできた。
「壁から離れたところにある物はどうするつもり?」
「時間があれば、まあ、考えてみるが」
「俺もそれでいいぜ」
蒼也は明るい一言を返した。鳴は折れる形で二人の意見に従った。
三人は右の壁を意識しながら歩いてゆく。
蒼也は懐中電灯で行き先を照らす。気になるものは全てスマートフォンに画像や動画として収めた。
不審な物を見つけたのか。先頭を歩いていた士が硬い声を出した。
「前方にコインロッカーみたいな物がある。俺が中を調べている間、二人は周辺を調べて欲しい」
士は自身のスマートフォンのアプリを起動した。強い光を手にすると単身で向かった。
蒼也は横手を照らす。
「あれは地底湖か?」
声に反応した鳴が目を見開く。瞬きをしない状態で言った。
「そうみたいね。一部、表面が揺れているわ」
「よく見えるよな。猫っぽいからか?」
「夜目が利くだけよ」
鳴は両手を丸めて、にゃーんてね、と甘えた声で返した。
「なんだよ、それ」
蒼也は照れ笑いを浮かべて先を歩いた。斜め後ろに鳴が続く。
二人は湖岸で立ち止まる。
「大きな地底湖だな」
懐中電灯の光が湖面を照らし出す。透明度を見て鳴が指先を浸し、それを鼻に近づけて匂いを嗅ぐと躊躇いなく舐めた。
「海水よりも薄いわ。汽水湖のようね」
「どんな魚がいるんだろう」
「俺が試してみよう」
遅れてきた士は釣竿を肩に掛けて現れた。右手にはバケツを提げて一端の釣り人を気取る。
鳴は釣果を期待して猫目を光らせる。
「食べられる魚が釣れたらいいね」
「そうだな。少し冷えてきたから鍋でもいいか」
「俺は刺身でもいいな」
言いながら蒼也は汽水湖の先を照らす。全体を見ることはできなかった。
「俺はもう少し先に行ってみる」
「一人だと心配だし、私も一緒にいくよ」
口にした直後、鳴は士に目を向ける。
「俺はここで今晩のおかずを釣り上げる。二人はもしもの時に備えて一緒に行動した方がいい」
「わかったわ。遅くならないようにするね」
「この先には何があるんだろうな」
高揚した声の蒼也に鳴は、楽しみだね、と弾む声を返した。
右手に汽水湖を見ながら二人は歩を進める。
少し前にいた蒼也が小刻みに息を吸った。
「硫黄の臭いがしないか」
「これは温泉かもよ」
二人の歩く速度が上がった。
先行した光が薄桃色の温泉の一部を照らし出す。
「あの湯気は本当に温泉かも」
「ピンクの温泉って初めてみたよ」
「湯の温度が気になるぜ」
蒼也は小走りとなった。揺れる光は一瞬、折り畳まれた衣服を映し出した。目にした鳴は不思議そうに首を傾げた。
先に着いた蒼也は素足となった。右足を湯面に突っ込む。
「ちょうどいい温度だな!」
興奮気味に言うと身体を捻る。縁の部分に懐中電灯を置いた。勢いよく身体を正面に戻すと右足が滑った。支えを求めた右手は虚しく、派手な飛沫を上げた。
「な、なんか触った! 魚がいるのか!?」
「和菓子で例えると饅頭になるのかな」
鳴は含み笑いで言った。意味がわからず、蒼也は慌てて立ち上がる。微かな息遣いを耳にして真横を向いた。
ほんのりと色付いた顔で
月原 想花
がスクール水着姿で立っていた。両腕で胸を隠している。
「……ぼ、ぼくの胸は和菓子ではないんだよ」
「え、ええ! ご、ごめん! わざとじゃないんだ」
平謝りに徹したことが功を奏した。想花は渋々ながらも受け入れた。
「あの、これ濡れてないから使ってくれ」
「ありがとう。使わせて貰うね」
タオルを受け取るとざっと身体を拭いた。人前なので水着の上からトレーナーを着てズボンを穿いた。
頃合いと鳴は二人に向けて手を鳴らす。
「今日はここまでにして戻ろうよ。今晩のおかずのことも気になるし」
「そうだな。釣れていたらいいな。えっと、そっちはどうする?」
「ぼくも帰ろうかな」
「皆で一緒にね」
鳴は真ん中の位置で二人の手を握った。
三人は並んで汽水湖に戻った。士は投げ込んだ毛針を上げた。
「なにか見つけたか」
想花と鳴は蒼也に目をやる。二人に推されて口を開いた。
「薄桃色の温泉があった。湯に浸かると気分が高揚する感じで効能はわからなかった」
「そうか。こちらは一匹、釣れた。見た目が深海魚だ」
蒼也が近づいてバケツを覗き込む。底の方で三日月の形となった魚がいた。
「口がでかいな。ヌメッとして確かに深海魚みたいだ」
「これを食べる? そもそも食べられるのかな」
想花は怖々と目にした。
最後に鳴が顔を突っ込むようにして見つめた。
「縞模様が薄くなっているけど、これって高級魚のクエよね。刺身や煮付け、なんでも美味しく食べられるよ」
「そうなのか?」
士の問いに、もちろん、と鳴は胸を張って言った。
「これこそ、お宝だよな!」
「最高のおかずになるよね」
「持ち帰るか」
士の一言に鳴と蒼也は笑顔で拳を握る。想花は反応に迷って儚い笑みを浮かべた。
「当然、寮生である君の分もある。一緒に食べるよな?」
士は想花に優しく語り掛ける。断る理由もないことから、はい、と小さな声で答えた。
三人は無事、猫鳴館に戻った。
その晩、士の部屋に寮生が集められた。簡易コンロの上では土鍋が白い湯気を上げている。蓋を開けると野菜を凌駕するクエの匂いが部屋中を包んだ。別に用意された大皿には刺身のクエが花弁の形で綺麗な輪を作っていた。
鳴は箸で五枚をかっさらう。
「私は刺身を貰うね」
「俺はクエ鍋だ。こら、野菜をそんなに入れるな!」
「急いで食べる必要はないぞ。まだ唐揚げもある。そっちもちゃんと食べているか」
士は蒼也を横目で見ながら想花に声を掛ける。
「ぼくは唐揚げを美味しく、いただいているので」
「だから野菜はいいって!」
「俺の分を残せよ!」
士は自分の小皿を手にして刺身の争奪戦に加わった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
地下の探索で誰も怪我をすることはありませんでした。
各々が探索に励み、地下帝国に新たな場所が加わりました。
穴の迷路、汽水湖、薄桃色の温泉など。他にも発見されていないところがあると思います。
今回、見つけた場所には具体的な名前がありません。多くの人に知られることで名前が生まれることも。
地震によって現れた空間は広くて未知の部分があります。活動の場を広げて地下に拠点を置いてもいいかもしれませんね。
『収録部屋』は個人によって作られましたが、許可を取れば誰でも利用できます。
穴は多くあるので用途に合わせて自由に使ってください。
最後に本シナリオのご参加、ありがとうございました。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月23日
参加申し込みの期限
2022年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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