九夜山の裾野に覆われた猫鳴館。その地下には天然の温泉が湧いていた。寮生はもちろんのこと、外部からきた者もよく利用した。隠れた名湯と言われている。
早朝から
猫館 鳴はいそいそと地下へ向かう。草履の音を響かせて脱衣場の小部屋に入り、手早く作務衣を脱いで水着に着替えた。
掛かり湯を済ませると、早速、湯に浸かる。
「これよ、これ~」
間延びした声を漏らす。
数分で白い頬はほんのりと桜色に染まる。全身の力は抜けて自然に両脚が伸びた。縁を枕にして長々と息を吐き、立ち昇る白い湯気をぼんやり眺めた。
「贅沢な一時だよね~」
温泉を堪能した鳴は湯あたりする前に上がった。着替えを済ませて、さっぱりした様子で引き返す。
鳴が地下を歩いていると、いきなり地面が揺れた。強くはないが上体を左右に振られた。時間としては短く、数秒で収まった。
「……もう、大丈夫だよね?」
怖々とした視線を周りに向ける。
一点で目が留まった。狭くて通れない穴の周囲が崩れて通路ほどの大きさになっていた。
鳴は近づいて中を覗く。真っ暗で何も見えない。足場を気にしながら少し前に進んで声を出すと反響して返ってきた。
「かなり広いのかも……」
鳴は急いで戻る。照明器具と探索の仲間を見つける為に全力で走り出した。
今回のシナリオの舞台は猫鳴館の地下に広がる地下帝国になります。
未だに全容が解明されていません。地震によって塞がれていた先に行けるようになりました。
これ以降に詳細な説明を致します。アクションの参考にしてください。
今回の舞台
猫鳴館の地下にある通称地下帝国。地震によって通れない穴の周囲が崩れて通行可能となった。
興味を覚えた者達は、祝日の一日を使って探索することになる。有毒ガスの類いは発生していないので、
特別な知識は必要ないものとする。
狭くて通れない穴の先
かなりの広さを有した空間が広がっている。以前は開通していたのか。人の手によって持ち込まれた物や作られたところが散見される。以下に書かれた内容をアクションで選ぶと、地下帝国の新たな場所として追加される。
1 薄桃色の温泉
効能はわかっていないが、ある種の興奮状態となる(アクション次第)。
2 淡水と海水が混ざった汽水湖
様々な魚がいて、かなりの釣果が期待できる(神魂も影響して信じられない巨大魚が釣れることも)。
隅の方には錆びたコインロッカーがあり、一通りの釣り道具が収められている。
3 天然と人工が混ざった迷路
かなり入り組んだ作りになっている。珍しい鉱物や植物を採取することができる(アクション次第)。
4 アクション枠
参加したPCが想像して作る。あまりに現実離れしたものは抑えられた表現になることも。
NPC&Xキャラ
猫館 鳴
猫鳴館の柱から生まれた付喪神。茶色い作務衣を好み、白足袋に赤い鼻緒の草履を履いている。
自我が芽生えて十六年、小柄な十六才の少女に見える。
大らかで朗らかな性格もあって誰とでも打ち解ける。
左斜めに切り揃えられた前髪に特徴があり、笑うと右頬にエクボができる。
PCと関連があり、不自然な場面でなければ登場させることが可能(登録されたNPCの全て)。
XキャラはXキャラ図鑑を参照する為、設定を省くことができる。
長くなりましたが説明は以上になります。洞窟探検のような感じなので、
一日の経過はスマートフォンや腕時計で知ることになります。腹時計でもいいですし、野生のカンもありですよ。
参加できるPCは寮生限定ではないので誰でも可能です。猫館鳴の呼び掛けで参加してもいいです。
ねこったーの書き込みを見たり、寮生の友達(GAやモブ)の部屋にきていた時に地震に遭遇してもいいのです。
皆でワイワイ言いながら新しい地下帝国を作っちゃいましょう(ご参加、お待ちしています)!