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今日が今日であればいいさ
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意外だな、と店を見て寛美は言った。
「丼飯(どんぶりめし)とかだと思ってた」
「もしかして、こういうものは嫌いだったか?」
「まさか。すげー好きだぜ!」
ここいっぺん入ってみたかったんだよなー、と寛美は声をはずませるのである。
「詠に特に希望がなければ、ここで昼食といきたいのだが……」
「望むところだ、ってか、サンキュな。ちょっとひとりじゃ入りずれーからな、ここ」
タハハと寛美は照れ笑いする。
ショッピングモール内の飲食店街だ。有名なチェーンから老舗、チャレンジ精神あふれる新興店などなど、和洋中古今東西あらゆる店舗、あらゆるジャンルひしめくなか、「ここだ」と源一が指し示したのは、北欧調の白い壁に水色の縁取りが印象的なカフェなのだった。誰でも知っているようなメガブランドではないが、知る人ぞ知る名店だという。とりわけパンケーキは絶品ということだ。整理券を取って並んでいるのは若い女性客が大半である。
十五分ほど待って店内に通された。
稽古着の自分と普段着にしてもくたびれた詠寛美、覚悟はしていたが果たしてふたりはその場から浮いていた。とはいえ彼らを指さして笑ったり、じろじろ見たりするような無礼者はない。気がつけば稽古着もよれTシャツも、白木中心の調度にとけこんでいる。
メニューを見ながらお互いの近況を話す。
「まだ勉強は『らしい』内容ではない。いわゆる一般教養というやつばかりだ」
これは、医学部一年生の毎日について、問われて源一が答えた言葉だ。
そうなんだ、といささか大げさに寛美は目を見張って、
「初日からカエルの解剖でもするんだと思ってたぜ」
などと源一を笑わせる。
「教養科目のほうはそれなりにやっている。フランス語と、世界史と……」
高校の勉強の延長のようなものであり、源一にとっては楽な方面だ。しかし楽なことばかりではない。
「……やはり人付き合いには難儀している」
この見た目だ、と源一は肩をすくめて言った。
「酒場の用心棒みたいなのが教室にいるわけだ。俺のいる隣の席に座ろうとする学生はない」
「バウンサーってやつだろ? 格好いいじゃねーか」
「そう言ってもらえると、いくらかは気が楽だな」
といってもつねに孤独の島にいるわけにもいかない。新入生歓迎イベントなどでは、できるだけ祖父の真似をして、いくらかでも愛想よくふるまうよう努めていると源一は言った。
「ぎこちない物真似の域は出ていないと思うが……案外うまくはやれているようだ」
おかげで最近は同級生たちからも、いくらかは怖がられなくなっている気がする。
「少し情けないがな」
かかか、と自嘲気味に笑ってみせた。
「いいじゃん。それでいいと思うぜ」
「……年寄り臭くないか?」
なんで? と寛美は不思議そうな顔をした。
「年寄り臭くて困るか? 赤ん坊っぽいよりよほどいいだろ」
「ちがいない」
もう一度、今度はもっと晴れやかに、かかかと源一は声を発した。
「それで」
注文決めたか? と寛美は言った。
パンケーキといってもティータイムのお供といった風ではなく、ベーコンエッグが乗ってサラダとスープもついた、れっきとした食事のセットである。厚めで豆腐のようにふかふかだが甘すぎず、しっとりとした歯ごたえもいい。とろりとふくよかなバターの香りもたまらない。ミニサイズのハンバーグもついており、こちらも肉汁たっぷりでパンケーキとの相性は最高だった。
あっという間に平らげて、源一も寛美も、しばし黙して余韻にひたった。
……。
セットの珈琲を口にしながら、源一は壁に貼られたポスターを見ている。
パンケーキセットの味には満足している。
だが、少々食べ足りないのも事実だった。デザートでも頼むべきだろうか。
いや。
あれが気になる――。
ポスターには『Special Parfait』とタイプライター風の活字で飾られたパフェが掲載されているのである。赤と青のストライプがクリームの白とからみ、メロンの緑、チェリーのピンクもまぶしい豪華な一品だ。宝箱の中身みたいに、ざくざくとウェハースやチョコスティックもさしてある。スペシャルの言葉に嘘はないようで、なかなかしっかりした量のようである。
それもそのはずこのパフェは、『カップル限定』と銘打たれているのだった。『カップル』のレタリングが妙にかわいらしいのも目を引いた。
カップル限定か。
単に『二人組』くらいの意味だと考えたいが……店のシチュエーションからしてそうもいくまいな。
しかし、と源一は躊躇するのだ。
あれ食べないか、などと言ったら……詠は……。
『おいおいカップルだって? これって恋人同士って意味だろ、ははは冗談よせよ伊織~』
一笑に付すかもしれない。
それならまだしも。
『おめーそんな目で俺を見てたのかよ!』
怒ってその場で席を立つかもしれない。
そればかりか、
『……やめてくれよ……俺、そういうの困るから……マジで』
悲しげな目をして、真剣にうつむいてしまうかもしれないではないか。
最後の反応など示されたら、長く立ち直れないような気がする。
意識的に源一はポスターから目をそらすことにした。詠に迷惑をかけたくなかった。
ところが、源一の背後を指して寛美は言ったのである。
「おい見ろよ、スペシャルパフェだって。俺まだちょっと食い足りなくてよ、あれ頼まねーか?」
源一は振り向いて、そこに同じポスターが掲示されていることを知った。
「あれはカップル限定と……」
だよな、と寛美は大輪のひまわりみたいな笑顔になったのである。
「俺ら二人組じゃん? ちょうどいいだろ?」
源一と寛美は二本のスプーンでひとつのパフェを堪能した。
さすがスペシャルだけあって、極上の夢心地を与えてくれたとだけ書いておこう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月07日
参加申し込みの期限
2022年08月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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