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大型書店に入る。エアコンがきいており、すっと暑気が消えていく。
人目を引くだろうか――源一が最初に思ったのはそのことだ。
すり切れた稽古着に色落ちした袴、今にも鼻緒が切れそうな草履の自分と、よれよれのTシャツと穴の開いたジーンズの詠という組み合わせである。とてもではないが宮中晩餐会に行ける扮装ではなかろう。それどころかホームレスとまちがわれても、文句は言えないのではないか。
などと考えてはいられまい。
「進路とか職業案内ってーのは、あのへんか?」
と言って寛美が『妊娠・出産関連本』のコーナーにすたすたと歩いて行くものだから、到着早々源一は寛美を追わねばならなくなった。
「ちがうのか?」
どうやら寛美はコーナーの表示すら読んでないらしい。
「それもひとつの進路だろうが……詠の考えてるものとはちがうと思う」
こうフォローするのが精一杯だ。正直、源一にも未体験かつ知識にとぼしいジャンルではある。
大学入試、専門学校案内や、職業紹介のコーナーにたどりついた。
「うは、色々あるもんだな」
腕組みしてしげしげと眺めたのち、「どれ、俺の偏差値でも行けるガッコーってのはあるかな?」と手を伸ばす寛美だが、いかんせん書棚が高く、上のほうには背が届かない。
「取ろう」
源一にとっては余裕だ。「どれがいい?」と訊ねては、寛美の希望に応じた大学入試過去問集(通称赤本)を選んで手渡す。
流し読みするかと思いきや、寛美は平積みの棚をデスク代わりにじっくりと過去問を読んでいた。
ややあって、
「ダメだな、有名な大学の問題は、何書いてるのかすらわかんねーや」
これとか、と寛美が示すものに、「そう難しいものではない。実はこう書いてあるだけで……」と源一は説明を加えた。数学の問題である。ほんの半年前までは国公立大医学部の受験生だったのだからお手の物だ。
「あ、そうか。だとするとこれも?」
「そう。同じことを別の言い方をしているだけだ」
「ってことは、こっちの大学のこの問題も同じようなもんか」
「そうだな。落ち着いてかかれば素直な問題だ。ただ、ここに数式を代入するところだけは注意だが」
「お、わかったぞ。教え方上手いな、伊織」
「詠の呑みこみが早いだけだ」
英語や歴史など暗記が基礎にある分野については手も足もでない寛美だったが、数学については意外なほどの勘のよさを見せた。
地頭はいいのだろう。私立大なら数学単科での受験という手もあるかもしれない。あと半年みっちり勉強すればあるいは――と源一は思わないでもない。
「他も見てみよう」
やる気が出てきたのか、大学入試の過去問にこだわらず、中学生向けの職業案内や資格試験の本など、気になったものに一通り寛美は目を通した。もちろん高いところの本は源一が取る。説明を求められればわかる範囲で答えもする。多少は役に立っているようだと源一は思った。ついてきて正解だったかもしれない。
「それ取ってもらっていいか? そう、それそれ」
寛美が目を留めたのは、『Take What You Want...目指せ鍼灸(はりきゅう)師!』なるタイトルだった。鍼灸師の資格試験の概要、過去問などを網羅したぶ厚い書籍だ。
「興味があるのか?」
源一は思わず前のめりになった。源一の実家、祖父が開業しているのがまさしくその鍼灸・接骨院なのだ。
寛美はといえば、源一の内心の興奮に気づく様子もなく、
「俺、武道やってるだろ? 怪我だの筋肉痛だのはいつもなんで、そりゃ興味はあるさ。実際、鍼治療で良くなったこともあるしな」
「そうか……」
本をめくってそれなりに良書であることを確認すると「読むことを勧める」と源一は書物を寛美にさしだした。本は、軽いタイトルとはうらはらにちょっとした辞書ほどもある。
「うわー、でもこれ、結構分量あるなぁ」
読めっかなー、とためらう寛美である。
源一は迷った。
推薦はしたい。だが鍼灸について力説しすぎれば逆に引かれないか、とはいえこの機会を失うのも惜しい……どうすれば。
このとき源一は天啓に打たれた。とっさに言う。
「厚い本はいざとなれば、枕の代わりにもなる」
「はは、ちげーねぇ」
じゃあ買っとくぜ、と寛美は本をカートに入れた。
書店の紙袋を提げて歩く。
他にも色々買い求め、結構な荷になったものだ。源一も半分を持った。
本は不思議な買い物だ。ずっしりとした重みがあるが、重いほどに嬉しくも思うのだから。
「持ってくれなくていいってば、俺の買い物なのに」
「気にするな、俺も手持ち無沙汰なのでな」
それよりも、と源一は話を変えることにした。
「そろそろ昼時だ。そこらで食べていかないか? さっき本屋で寝子島情報誌を読んでな、カフェ特集というのが掲載されていて……」
うなずくと思いきや、寛美は肩をすくめて苦笑いした。
「悪ぃ。俺はそろそろ帰るわ」
嫌なのか――源一は肝を冷やしたが、寛美が口にした言葉はちがっていた。
「ちょい買いすぎたようでな、本。俺ぁほぼ無一文だ」
心底ほっとする源一である。
「心配無用だ。俺に持ち合わせがある。おごろう。詠の進級祝いと、以前もらった合格祝いのお返しということで」
「いいのか?」
「遠慮するな」
マジで!? と目を輝かせかけた寛美だが、その言葉尻が消えてしまうより先に「……でもなー」と眉をしかめた。
「俺ホント、遠慮とか全然しねーから気をつけたほうがいいんだよなぁ。どうもそれが原因だったみたいでな……結構失敗してんだわ……てなわけで」
ニヤッと笑って寛美は言うのである。
「自制はするがゴチになるぜ!」
「しなくても構わん」
力強く源一は応じた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月07日
参加申し込みの期限
2022年08月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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