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"So Close"
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これだけ散らかっていれば掃除のしがいがあるというものだ。
三角巾で頭をおおって、ゴム手袋をはめてマスクを装着し、時子はまず部屋の足元から作業を開始した。
「まず、床に散らばっているものを、いるものといらないものにわけましょう。紙を整理するだけでかなり改善します。いらないものでリサイクルできるものは別にしてこちらの袋に」
テキパキと指示して時子は作業に入る。時子同様に三角巾マスクに変身した尚輝もならう。
魔窟といっても狭い部屋だ。たちまち障害物はとりのけれられ、床は領土面積を拡大していった。尚輝は段ボールを解体し紙束を縛り、紐でくくって片付けていく。不要本も何冊もまとめて、何度も階下のリサイクルゴミ集積場所へと足を運んだ。
必要かどうか確認するたび、尚輝の見せる反応が時子には楽しかった。
「うわ、懐かしい。二年前の出席簿ですよ」
「修学旅行で使ったタイの空港パンフレットですね」
「これは……いつのものでしょう? まさか大学院のときの……ですかね? まあ、古すぎるメモなので廃棄ですね」
尚輝はそのつど喜んだりいぶかんしんだり、ときには懐かしさに手が止まってしまうこともあった。
やがて、
「先生、これは?」
封筒を何気なく手に取って時子は首をかしげた。
桃色の封筒だ。かわいらしいキャラクターのイラスト入りである。独身男性の部屋にはあまり似合わない。
「最近とどいた姪っ子からの手紙ですよ。ほら、御巫さんにも先日紹介した」
「ああ、ともかさんの!」
時子の目が輝いた。裏返すとたしかに、
五十嵐 ともか
の名前がある。
「御巫さんにお見せしようと思っていたのですが、部屋の中で行方不明になってしまって……見つかってよかった」
元気でやっているようです、と尚輝は手紙を広げた。まだ小学校一年生だというのに、なかなか整った文章がしたためてある。学校生活についてつらつらと書かれているだけでなく、御巫さんによろしくとの言づけもあり、また寝子島に行きたいともあった。字もとても上手だ。『読書』を『どく書』、『漢字』を『かん字』と表記しているのを見て愛おしい気持ちになる。
手紙には、ともかの近影も同封されていた。あいかわらず尚輝そっくりの頭で、彼を一年生の女の子にしたようなかわいらしさがあった。運動会なのだろうか、体操服姿で頭には紅白帽がある。胸元には『いがらし』と書いた布があててあった。すこし背が伸びたようにも見えた。
「また会いたいですね。ともかさん」
時子は目を細めた。尚輝とともか、そして自分の三人で出かけた日のことを思い出す。先日のゴールデンウィークだ。ねこでんに乗って寝子島水族館に行き、ロープウェイで九夜山に登って展望台からの眺望を楽しんだ。知らない人が三人を見たら、親子連れだと思ったかもしれない。
あれほどあった畳の書籍だが、なんとかその大半は古巣の本棚にお帰りいただくことができた。それでもはみ出すものは仕方なく脇に揃えて置いて、今度は一緒に雑巾がけだ。溜まりに溜まった埃をぬぐうと、新品の雑巾は見る間にネズミ色となった。
DVDのケースを拭いては、テレビ下の棚に収めていく。ちょうどニコラ・テスラにかかったところで時子は訊いた。
「先生はやはり、科学分野の人の映画がお好きなんですか?」
「そうですね。当時の古い固定観念にチャレンジしていった人たちの話は面白いです」
DVDのうち半分程度は、尚輝が実家から持ってきたものらしい。
「これはちょっと毛色がちがうようですが……」
気になっていた韓国ドラマのDVDボックスを時子は示した。裏面の解説を読む限りでは、歴史物としての側面もあるとはいえ『ど』の文字がつくくらいの大恋愛もののようだ。
「ああ、それは上の姉の趣味です。観ろと命じられて置いて行かれてしまって……」
「ご覧になりました?」
「ええ」
「面白かったですか……?」
「それはもちろん。でも」
といささか言い淀んで尚輝はうつむいた。
「いやもう、なんというか……照れくさいセリフに展開が連発でして……盛り上がるたびにずっと顔が熱くなって汗をかいていました」
どうやら甘々のラブコメだったようだ。
「特に終盤は落ち着かないというか、なんだかむずむずしてしまって……おじさんが一人で観るものではないですね」
「おじさんだなんて」
もうたいがい歳ですから、と言った上で尚輝は思い出したようにつづけた。
「でもこのドラマの主演の人、僕と同い年なんですよね」
「でしょう?」
なんだかむずむずしてしまって――という言葉が時子の頭に残った。
尚輝先生も、フィクションとはいえ恋愛描写に胸焦がすことがあるんですね。
私だっていつも、と言いだしそうになったが心に秘めておく。
洗濯もしますと時子は言ったが、それこそ大型台風でもやってきたような狼狽ぶりで尚輝は遠慮した。
「そそ、それは自分でやりますから……!」
全身で洗濯かごを守る。
「遠慮しないでください。干すのもやりますよ」
「いやでも……パンツまで洗っていただくわけにはっ!」
言った瞬間、ボンッと爆発するのではないかというほどに尚輝は赤面するのである。
「あ、そ、そうですか……」
時子も合点がいった。未婚の男性教師が教え子の女子生徒に下着を洗ってもらうというのは、さすがにまずいと尚輝も思ったのだろう。うっかり目撃でもされようものなら、同棲していると疑われかねない。
じゃあせめてカーテンを洗って干します、ということで話はまとまった。
「今日は天気がいいのでよく乾きそうですね」
やはりあまり使われていない全自動洗濯機の、スイッチをポンと時子は押したのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月27日
参加申し込みの期限
2022年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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