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■日曜:午後二時半、ブリリアントリゾートホテルのプライベートビーチ
午後はオフ、のはずだったのになぁ……。
うう、と理緒は心の中の悲しみを苦くも呑みこんだ。
丸一日の休暇がなくたっていい。そこまで贅沢は言わないつもりだ。
でもせめて半日、紗月とふたりきりですごす時間がほしかった。撮影と撮影の隙間時間ではなく、純粋に自由な時間として。
けど――。
午後も撮影になっちゃったなぁ……。
理緒と紗月は水着姿だ。ビーチの波打ち際に背中合わせに座り、白い泡と透明度の高い緑色に体を洗われている。
潮の匂い、湿った砂のやわらかさ、優しい波、いずれも心地好かったが、仕事抜きでこの時間を味わうことができていたらと、つい思わずにはいられない。
首里城の撮影後、ランチ中に異変に気がついたのは片庭だった。元(売れない)お笑いタレント、現在は独立系フォトグラファーで三つ子の男の子を育てる肝っ玉母さんでもある片庭が青ざめ、両手を合わせ土下座せんばかりの勢いでふたりに言ったのである。
「ごめんっ、理緒ちゃん紗月ちゃん、撮影データの一部、間違って消しちゃったの!」
どうやら片庭ではなく新米アシスタントのポカミスが原因だったようだが、片庭は詳細をあかさずスタッフを責めることもなく、ひたすらに詫びてこの日の午後、急きょ水着の追加撮影をさせてほしいと申し出たのだ。失われたデータはすべて、数日前に撮影した水着ショットだという。
「撮り高を稼ぎたいの。本当に、ほんっとーにごめんなさい!」
これでヘソを曲げたり拒否したりするような理緒ではない。片庭は自分のグラドル活動、その節目節目で撮影を担当してくれたいわば戦友、戦友を見捨てることなどできようか。
いいよ大丈夫、と残念を振りはらって理緒はこたえた。
「こういうアクシデントは慣れてるから」
プロ意識をもって返事する。
いいよね? と回答はわかっているのだが紗月にも訊いた。心の優しい紗月が、不機嫌になったり片庭の頼みを蹴るところなど想像もできなかった。
紗月はまるで菩薩だ。嫌な顔ひとつせず、うなずいてこう言ったのだから。
「うん、理緒ちゃん。せっかくだから消えたデータ以上にいい写真を残そう」
予定外ということもあり、滞在しているホテルのプライベートビーチでの撮影となった。なんとか頼み込んでホテル側から許可をもらったものの、時間はわずかなので実質一発撮りだ。幸い天候には恵まれている。あとはフォトグラファーの腕と、モデルつまり理緒と紗月の集中力にかかっている。
しかし集中すればするほど、表情が硬くなってしまいそうになる。
いけない、ぶっつけ本番ってことで焦ってるのかな、あたし……。
これはモデルに限らずすべてのクリエーターに共通している感覚かもしれない。『いいものを作ろう、残そう』と思えば思うほど表現は硬くなり進まなくなる。時間が限られているとすればなおさらだ。
理緒は口に出しては言っていない。物腰にも出したつもりはない。
けれど紗月は理緒の考えを理解していた。頭というより心で、綿に染みこむ水のように汲み取っていた。だから言葉は、流れ出るように口から出ていた。
「理緒ちゃん、飛行機は夜だよ。撮影が終わったらふたりだけですごそうよ。短くたってたっぷりと。沖縄最後の一日を」
「紗月」
理緒は、ほっと心の枷が取れたように感じた。内側にあった強張った力が抜ける。
お見通しってことかー。
そうだよね、時間がどれだけあるかじゃなくて、どんな気持ちで過ごすかだよね。
さすが紗月……いや、紗月なら当たり前かな。
あたしの愛するひとだもん。あたしのこと、誰よりも理解しているひとだもん。
作り物ではない笑みが、理緒の満面にひろがった。
紗月も同じだ。
通じた。理緒ちゃんに。私の気持ち。
嬉しさが顔に出る。
片庭のディレクションは必要なかった。ふたりは手を取りあって波打ち際から海につかった。
最高のショットが取れた。それこそ、写真集の表紙にふさわしいほどの。はじけるような笑み、からみあう手と手、太陽のきらめきも水しぶきも、これ以上もないほどのベストのタイミングで永遠の記録となった。
よしっ!
理緒は思った。
一流の写真家がそうであるように、一流のモデルもまた、会心の一枚が撮れた瞬間を直感的に理解するものだ。
「はいオッケー!」
片庭が大きく手を振る。これで終了という合図だ。だよねと理緒は心の中でうなずく。
「ふーっ」
理緒はまだ紗月と手をつないだままだ。
「いいの撮れたかな?」
紗月に尋ねる。紗月は打てば響くように言葉を返した。
「うん、私も、この旅ベストショットのひとつが撮れたと思う」
屈託のない笑みだ。
紗月――。
理緒は思った。
紗月、いつの間にか自然に「自分を魅せる」ことを意識できるようになってる。
いままではあたしがリードしていたけど、ここ最近は単独でも仕事するようになったからなのかな。
すごいね。できるようになったね。
諸手を挙げて歓迎したい気持ちだが、なぜか理緒は心から喜ぶことができなかった。
グラドルの先輩として、後輩紗月の成長を嬉しく思う。それはまちがいない。
でもなぜだろう、ちょっと寂しい気もする。
理緒ちゃんどうしたのかな。
紗月は敏感に、理緒の心の翳(かげ)りを感じ取っていた。
どうしたんだろう。
なんだか理緒ちゃんの心の花が、ほんの少し悄(しお)れたような気がする。
疲れたのかな。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月04日
参加申し込みの期限
2022年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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