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■日曜:午前八時、ブリリアントリゾートホテルの一室
夢を見ている。
物語性を欠いた夢は流体のようにつぎつぎと様相をかえ、詳細をとどめてはいられない。まばらながら断片的なパーツだけが、どうにか記憶の淵にしがみついていた。
若葉の青、シートのやわらかさ、白いヘッドフォン、苦い炭酸水……とりとめのない印象ばかりだ。
とりわけ強く残ったのは、昏い水色のイメージだった。
都会の真ん中の水族館で、ライトアップされた大水槽を見つめている。水槽の水色が、エイを追う瞳に映りこんでいる。
水色が宿っていたのは、誰の瞳だったろう。
水色に別の色がまじっていた。ごく薄く、淡い茶色だ。空五倍子色(うつぶしいろ)というのであったか。
灰色の影がさしたような陰性の色だが、不思議と冷たい印象はなかった。
ただ、悲しいと思った。
北里 雅樹
は目を覚ました。
まどろみを引きずるような目覚めではなかった。スイッチを入れたら電灯がついた、そう形容したくなるような覚醒だ。体にはいくらかだるさがまじっているが、頭のほうはいまから、五次方程式のひとつでも解けそうなほどすっきりしていた。
甘い香りがする。あたためたミルクと石鹸の匂い、ほんのわずかシトラスも混じっている。ずっとひたっていたくなるような心地好い香りだ。目を閉じて雅樹は、静かに彼女の気配を吸いこむ。
雅樹の胸の上で、大人びた顔立ちの女性が寝息を立てているのだった。整った鼻梁、長い睫毛、くせのないショートヘアもよく似合っていた。体温は低い。
雅樹の口元がほころびた。
起きているときはそれこそ、一を聞いて十を知るような才女なのだが、こうして自分にしがみつくようにして寝息を立てている姿は、無垢そのものな幼子のようだ。
彼女は一糸まとわぬ姿だった。雅樹も同じだ。彼女の双(ふた)つのふくらみが、テニスの軟球のように見えた。
しばらく、雅樹は口を閉ざしたまま彼女の寝顔を眺めていた。
ずっとこうしていてもいいと思った。
けれどもまもなく、彼女――
坂本 美優
は目を開けて雅樹を見上げたのである。
「雅樹……どうしたん?」
「悪い、起こしちゃった?」
「もしかして私のこと呼んだ?」
「呼んでないよ。見てただけ。綺麗だな、って」
もう、と美優は雅樹の脇をくすぐる。雅樹は笑って身をよじらせて、
「本当だって。呼んでないよ。黙って観察してたんだ」
君の寝顔をね、とまでは言わないでおく。
でもな、と美優はにじり上がって雅樹の正面に顔を寄せた。
「呼ばれた気がして目が覚めてん。雅樹に」
「『起きろー』って?」
ちゃうよと美優は笑った。
「待ってるよ、って――そんな感じ」
そうか、と雅樹は思った。
あの瞳は、美優の瞳(め)だったのか。
「口に出しては言ってはないけど、待ってたのかも」
「なら、以心伝心ってこと?」
「かもね」
雅樹は美優の、美優は雅樹の唇を求めた。ふたつの唇はひとつとなり、短くも深い水音を立てた。
「なんか……不思議な気持ち」
「何?」
「雅樹とこうして結ばれて、朝を迎えるなんて」
俺もだよと雅樹は言う。いつわらざる気持ちだ。
雅樹と美優は沖縄に来ている。先日、南紀白浜に旅行に行ったときとはちがう。あのときはサークルの旅行だったが、今回は純粋にふたりきりだ。
もう八月ではあるが、まだ八月と言うこともできよう。
雅樹が大学に入って、京都の地で新生活をはじめたのが四月。
冷やかしに行ったテニスサークルの新歓イベントで、かつての交際相手――ええ、元カノと言ってしまおう――元カノに雰囲気の似た坂本美優と知り合ったののも同時期だ。
美優との出逢いはロマンティックとは言いがたかった。恋の火花があったにせよ、せいぜい線香花火ほどのものでしかなかった。
でも雅樹は美優を見て、岩で殴られたような衝撃を受けた。
元カノに、似てたんだ。
顔はちがう。でも雰囲気が似ていた。髪型も、背丈も。
ゆえに凝視してしまった。それは良くなかったと思う。だがきっかけにはなった。
「ちょっと待って」
美優は眉を吊り上げるとつかつかと歩み寄り、右手をのばして雅樹の手首をつかんだ。
「私のこと見てたでしょ? 何か用でもあるの? ナンパできそうな相手を探してた?」
「いや、その……」
このときそれなりの言い逃れをして足早に立ち去らなかったのは、運命のいたずらだったのだろうか。
それともその後のことを、予期していたからだろうか。
なかば開き直るように腹をすえて雅樹は明かしたのである。
「知り合いに似てたんでつい気になって見てしまった。……幼馴染の腐れ縁。もしかして君も陸上部だったりする?」
このとき彼女の顔に浮かんだ当惑と、細い刃で突かれたような痛みの表情を雅樹は忘れない。
「今は……陸部やないわ」
どうしてやめたのか、それを尋ねる勇気は雅樹にはなかった。いまもない。
ただ、美優のことが気になってそのまま、雅樹はなしくずしてきにテニスサークルの名簿に名前と住所を書き入れたのである。学部がちがう彼女と、一緒にいる時間を作りたかったからだ。雅樹と美優の仲が縮まっていくのにそれほどの時間は必要なかった。
まだ八月。
岩で殴られたようなあのときから数ヶ月で、雅樹は美優と身も心も結ばれるにいたった。
それまではキス止まりだった。
やすやすとは言わないが、一線を越えるのに躊躇(ためら)いはなかった。
昨夜雅樹が美優の背に腕を回したとき、美優は抵抗らしい抵抗をしなかった。むしろこうなるのが当然、という風にひしと雅樹を抱きしめた。もつれ合うようにしてベッドに身を沈め、あとは想いに身を任せた。交わす言葉は少なく、なのに互いに息づかいは荒く、いささか手間取るところもあるにはあったが、収まるところに収まるまでに時間はかからなかった。
リゾートホテルで結ばれるとか、なんかベタだな。
雅樹は心のなかで苦笑する。でも敏感な美優は気づいた。
「どしたん? なんか笑った?」
「ごめん。初対面のときを思い出してさ」
「いつよ?」
「テニスサークルの新歓イベント……怒られたよな俺、美優に。『じろじろ見るな』って」
「じろじろとか言ったっけ」
「いや、でもまあ、似たようなことを」
「で、雅樹はじろじろ見たんやっけ」
「見たよ」
「知り合いに似てたから?」
ちがうよ、と言って雅樹は美優の額に口づけた。
「美優があまりに魅力的だったから」
「もうっ!」
美優はまた、雅樹の脇をくすぐった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月04日
参加申し込みの期限
2022年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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