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予想できない雨と処暑にぶり返す暑さは恋と似ている
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降りしきる雨に眠りを妨げられて、姫木じゅんは布団を被り直す。
今日も朝まで働いて、少し可愛がろうかと思った
朝鳥 さゆる
の夏休みが終わったことを思いだし。特別ぶつけたい鬱憤も無かったから、学校へ送り出せるほどほどの所で止めておくことにしたのが、ついさっき。
――ピンポーン
軽く見積もっていようが、例え数時間寝ていようが、寝たりないのだから関係ない。
どうせ訪問もくだらないセールスか、予定に無い宅配物ならあとで再配達の手配でもすればいい。
――ピンポーン
「ああ、もう! 鬱陶しいなぁ……」
自分の格好など見返す暇も無いので、適当に転がっていたロングカーデを羽織って玄関ドアを開ける。なのにそこには誰も――いや。
「……っ、……ん」
「ちょっと、何があったの!?」
さゆるが玄関のそばで座り込んでいた。ただ雨に降られて帰ってきたとは様相が違うし、それに。
マンションの廊下には二人分と思しき水跡と、エレベーターが開く音。
「じゅん……?」
今なら、さゆるをここに置いた人物を追えるかもしれない。だけど。
「じゅんあたしを抱きしめて……お願い、あたしを……」
縋ろうと伸ばす手が、冷えているどころか高熱を出している。犯人捜しより優先すべきは、さゆるの看病だ。
じゅんはもう一度、エレベーターホールのほうを睨み付け、さゆるを抱えて部屋に戻った。
朝、じゅんに送り出された時のさゆるはこうではなかった。
休みがちな学校へ行こうと思うくらいには晴れやかで、悪夢のことも少しずつ過去に出来ると――そう思えていた。
気が緩んでいた、といえばそうかもしれない。
「随分幸せそうね?」
そう
葉利沢 倫理子
が――いや、この微笑み方はMaliceだろうか?
どちらでもいい。どちらにしてもさゆるに執着を見せる『彼女たち』が、朝の晴れやかな通学路という似合わない場所にいる。
会話が成立するとも思えない。咄嗟の判断で人通りの多い方へ向かおうとMaliceへ背を見せてしまい、さゆるは意識を手放した。
その後のことは、よく覚えていない。
ざぁざぁと空を洗い流す水音が心地よくて微睡んでいたのに、雨足が変わったせいで耳馴染みも変わった。
その不快感にぱちりと目を開ければ、良く知っているけれど今の自分が帰るべきでもない部屋の天井が映った。
間違いなく、所有権で言えばここは『自分の家』だ。
最愛であり共犯者でもある片篠藍人との思い出があり、悪夢として残った夜があり、今は……Maliceが住まうようになってしまった場所。
お互いを傷つけ合うか一方的かな差異はあれど、狂暴な愛を刻み込まれる行為しか行われないこの部屋は、残暑が厳しい季節のはずなのに芯から冷える気がした。
冷たいシーツの感触にため息を吐き、さゆるは気怠い身体で起き上がる。
――通学路で会ったあの後に、自分は、また。
彼女に蹂躙されるのは、これで三度目だ。二度はじゅんと一緒だった、でもここには……少なくともこの部屋には、彼女の姿は見当たらない。
ベッドの側には、寝子高の制服が投げ捨てられている。今、この制服に袖を通すのは自分だけのはずで、さゆるは迷い無くそれを羽織った。
やっぱり、この家とは違う香りがする。それがどこか心を落ち着かせ、同時に身体に刻まれたMaliceの存在を消したかった。
荷物を手早く改めても、今の家主は起きる気配も無い。降り注ぐ雨が扉を閉める音さえも消してくれるようでありがたく、傘なんていらないと外へ飛び出した。
雨が全部、心の悲しみも躰の汚れも洗い流してくれたらいいのに。そう思っても、冷たいだけの雨は無かったことにまでしてくれない。
動かない心があれば、絶望も期待もせずに済んだのに。動じないフリを取り繕っても、結局はこんなにも痛い。
愛を知ることなく穏やかであれば、今より幸せだっただろうか?
愛されていたなら、怯えなかっただろうか。誰なら、本当の意味で愛を教えてくれただろう。
自ら助けてを言えたなら、変わったのか。どこで間違ってしまったのか、何が悪かったのなんてわからない。
これは、大切な気持ちだと思えることが、1つだけある。間違っていると思いたくない想いが。
相手には、都合が悪いかもしれない、利害の無い想いだとしても。だからこそ。
「今日は涙雨?」
一番望んでいなかった声に、さゆるは顔を合わさなかった。
ただただ雨音で聞こえないフリをして、反応を見せないようにした。
「まるで私の心模様よね。私、さゆるのこと、こんなに愛してるのに……?」
その眼に映るよう立っても、さゆるは興味も示さない。
どんなに愛しても。
どんなに思いをぶつけ貪っても。
目に映すのも、微笑むのも、同じ時間を過ごすのは、いつもいつもいつも!!
「あの女だってできなかったじゃない」
Maliceの双眸には執着の光が揺らめき、美しいほど悪意に染まった微笑を浮かべた。
「こんなに濡れてるのに……あなたの心は乾ききってる。私や、あの女では決して癒せない心の渇き……どうすれば、あなたの心は潤せるのかしらね? 倫理子ならどうかしら」
それでも、さゆるは言葉を発さなかった。一瞥もくれないことに唇を噛み、Maliceは苦々しく思いながら倫理子を呼び起こす。
「朝鳥さん……ごめんなさい。またMaliceが――」
いくら執着を見せているとは言え、Maliceほど悪意のみで動くわけではない倫理子には、少なからず良心の自責がある。
詫びにもならないかもしれない頭を下げようとしたとき、先に動いたのはさゆるだった。
「……朝鳥さん? 朝鳥さん!」
次にさゆるが目を覚ましたとき、そこは見慣れた天井だった。
傍らにはじゅんがいて、ずいぶんと慌てているようだ。
「じゅん……?」
「気づいた!? 水飲める?」
自分が長く気を失っていたことも、どこまでが夢でどこからが現実なのかも朦朧としているくらいには、頭が重い。高熱をだしているというのが、かろうじてわかるくらいだった。
「じゅん、じゅん……!」
何かが怖いのか、熱に浮かされているからか。ただ目の前にじゅんがいることが酷く安心して、本当に消えてしまわないかと不安で、さゆるはポロポロと泣き崩れながらじゅんに手を伸ばす。
「お願い、おねがい……じゅん……」
抱きしめて欲しいと懇願するさゆるは、じゅんに抱きしめられた安堵から再び眠りに落ちていった。
突然、示し合わせたかのように雨の勢いが増す。じゅんのマンションを出ようとした所で倫理子を出迎えてくれたのは、酷く冷たい雨だった。
独り肩震わせて涙するのが、そんなにお似合いだろうか。それとも金輪際邪魔をしてくるなと、あの二人からの贈り物だとでも言うのか。
大切な物があっただけなのだ。それが他人から見て、どれだけ歪んで見えようとも……誰にも譲れないと強く思っただけなのに。
風雨は嘲るように強さを増すばかりで、そう思うことすら滑稽なのだと言われている気さえする。それでも、そう笑われたからと諦められる物ならば、倫理子もMaliceとしてもここまでさゆるへの執着を拗らせてはいまい。
笑い返すように空を仰いで見せる。その目元に涙が浮かんでいたのかは、彼女だけが知る――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月25日
参加申し込みの期限
2022年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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