this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
<転生> あなたの傷を治したい
1
2
3
4
5
つぎへ >>
●壁の先
大陸北の巨大な谷を覆う障壁が薄くなったと連絡を受けたのはひと月前のことであった。
すぐさま調査隊が編成された。谷の向こうの調査のためだ。危険かつ重大な任務故にエキスパートが集められ、帝国軍人に護衛される形で帝立魔術院の研究者で魔導士の
八神 修
と、治療院の治療師で司祭として世にも稀な光魔法に通じている
七夜 あおい
も調査隊の一員に加わることとなった。
数十名からなる調査隊は薄くなった障壁を抜け、谷に踏み込んでいった。
谷は、緑乏しい厳しい環境だった。
「人々は谷の先をまだ知らない」
「砂と魔法力の障壁せいだね」
「そうだ。海から回っても嵐と障壁に阻まれる。人と魔の境に神が作ったとされる境界壁だ」
「壁から漏れ出る瘴気が生物を変化させ、魔物が生まれたんだっけ……」
「生物学的に確かめられてはいないがな」
修とあおいは学生時代からの仲で、あおいが薬となる植物の採集で旅に出る際などは付き添って探索に出る機会も多かった。さまざまな魔法に通じている修が一番得意とするのは闇魔法。一方でどうしても習得できなかったのが光魔法であった。闇が強すぎて獲得できなかったのだ。
光に憧れる闇。
まるで障壁で閉ざされたこの国のようだ、と修は自嘲気味に思うことがある。
「この国は境界壁から来る魔物にいつ脅かされとも知れぬ閉じた世界だ……。人々は、谷の向こうには新世界が広がっているのではないかと、囚われ人のように憧憬を抱き続けている」
「あるのかな、そんな新世界」
「わからない。ただ、――見てくれ。この谷の動植物は興味深いと思わないか」
「修くんも気づいていたんだね」
あおいの瞳が輝いている。修も胸が躍った。
「ああ、ここのコケ類は独自の進化を遂げている。ネズミに似たあの生物も、帝国では見たことがないよ」
「まだ見ぬ世界への道しるべのようだね」
そのときだった。
尾を引く咆哮が谷の奥から響いて来た。
隊の先頭のほうであがる怒声と金属音。
駆けつけた修たちが目にしたのは、谷を塞ぐように立ちはだかる巨大な影と、その足元に横たわる血まみれの帝国軍人たち――彼らが状況を弁えず無謀な攻撃に出て全滅したことは一目瞭然であった。
「他愛もない……」
のちに魔族と呼ばれることになる、人のような四肢と鋭い牙と角を持った強大な知的生物は爪に滴る血をひと舐めし、死骸となった軍人たちを軽蔑の眼差しで見下している。と、修たちを見つけ、
「ふん。まだいたか……」
腕をひと振りすると、無数の異形の魔物が姿を現した。
「なんてことだ。知性を有し、魔物をも統べ、使役するか……!」
それは、厳しい環境で進化したからこその、強い、強い生物であった。
魔物たちは統制のとれた動きで怒涛となって襲い掛かってくる。
敵わない。
瞬時に判断する。
「退くんだ!」
仲間を元来た道へ戻らせつつ、振り返りざま闇魔法を放つ。
大掛かりな魔法は撃てない。時間稼ぎと防戦のための攻撃だ。
「クッ!」
修の身体は、幾度も鋭い爪で切り裂かれた。
その度に焼かれるような感覚に襲われたが、修には痛みを充分味わう余裕はなかった。
仲間を逃れたのを確認すると、最後の力を振り絞って儀式魔法で結界を張る。
「闇よ! 我が願いに応え、壁となりて高く聳えよ!」
谷の外まで逃れたのは、隊の半分に満たなかった。
誰もが傷を負っていたが、もっとも深い傷を負っていたのは修だった。
「はぁ、はぁ、……これで、魔物は出てこれない、はず……」
「修くんっ!」
力尽き、気を失った修をあおいが抱きとめる。
血まみれの頬は、修を失いたくないという涙で濡れていた。
「いやっ、死なないで、お願い――!」
叫びが、光にかわった。
修を抱いたあおいの身の内から眩いばかりの光が溢れ、周囲に広がってゆく。
修の傷がみるみる塞がっていく。
周りにいた人々の傷も、また。
誰かが口にする。
「奇跡だ……聖女の祈りが、奇跡を起こした……」
――それからひと月ののち。
あおいは谷での奇跡が『覚醒』と認められ、司祭から聖女へと昇格した。
式典のあと、修はあおいを谷が見渡せる丘へいざなった。
夕日が、聖女の白き衣を赤く染めている。
「谷が生んだ強き生き物たちは知ってしまったんだね。壁の向こうに肥沃な大地が――この帝国が有ることを」
「帝国の民は谷の向こうの新世界を夢見ていたが、これからは谷の住人のほうがむしろ、壁の向こうのこの帝国に憧れ、手にしたいと思うに違いない」
修はわが手を見つめ、あおいによって繋がれた自らの命のことを思う。
わが手から生まれるものは闇だ。
しかしそんな手でも、光を掴むことは、できるかもしれない。
「平和な関係を作るためにも、俺達は戦う力を整え、備えなくてはならない……」
壁はまた厚くなりつつある。
平穏が束の間であると知っている者は、未だすくない――。
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
<転生> あなたの傷を治したい
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月03日
参加申し込みの期限
2022年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!