夏の部活動！　運動部も文化部もね☆｜リアクション

夏の部活動！　運動部も文化部もね☆

●チアリーディング部のモットー

　夏の暑さをひしひしと感じつつ、姫神絵梨菜は学校へ向かっていた。
　チアリーディング部の夏は忙しい。この時期は各大会が開催されるので、その応援を担うチア部が忙しくなるのは自然なことと言える。

「試合があるならどの部でも、どんな小さな練習試合でも応援に駆け付けるのがチア部のモットーだよっ♪　本番にバッチリ可愛いダンスで応援できるように練習頑張らないとねっ」

　忙しさを嘆くことなく、そう気合を入れると練習場所へと駆けていく。今日は応援団や吹奏楽部との合同練習。音楽隊が演奏するアニメの曲に合わせて、応援団の力強い声援が響く。その賑やかな音に合わせて、さらに盛り上がるようにチア部がステップを踏んでポンポンを振りながらエールを送る。
　どの部活も準備運動を終えて、実際に合わせてみる。しかし、なかなかうまくまとまらない。
　吹奏楽は大人数で行うのでリズムの揺れを整えるのが大変だし、応援団もグループ内で統一しなくてはならない。どの部活も改善点を見つけては直していくのを繰り返す。それはチア部も同じだった。

「ちょっと曲とずれてるよーっ」
「はい！」
「笑顔！　笑顔足りないよぉっ！」
「はい！」
「もっとキレ良く足上げてーっ！」
「はい！」

　３年生という立場もあり、気づいたところはどんどん指示していく。そうして少しずつお互いの足並みを揃えていき、ひとまず形にはなってきた。安心するのもつかの間。ここからが本番で、さらに完成度の高い形を目指して練習を重ねる。
　合同練習に一区切りつけると、休憩後にチア部は自分たちの練習を行う。あまり知られていないかもしれないが、秋にはチア部自身にも全国大会がある。体育館に集まって、フィールドを目一杯使ってのフォーメーションやラインダンスの練習をする。
　誰がどう動き、自分が立ち位置がどこなのか。そういったことに注意しつつ、動きの連帯感や乱れが無いか確認する。
　そして目玉となるスタンツ（組体操）に取り掛かる。１段目の部員が基礎の部分を作り、その肩の上に乗って次の部員が２段目を作る。それを繰り返して高く組み上げると、絵梨菜は最上段までのぼってI字バランスを決めた。
　そこから小さく勢いをつけて、後ろに跳ねるとバク転をしながら飛び降りる。無事に着地を決めると、絵梨菜は満足そうな笑顔を浮かべた。

（このスリルが最高だよっ！）

　その後も練習は下校時間ギリギリまで続いた。

「さぁ、明日の試合はバスケ部？　陸上部？　水泳部？　新体操部？　張り切っていくよーっ！」

このページにイラストを設定する