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けものがいっぱい、ニャレッジヴァンガード
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◆
梓 智依子
の場合。
月曜日はバイトが休みの日。そして休みの日は娘のための日だ。
「ママ、きょうは何するー?」
「そうねえ」
朝ごはんを食べた後、期待の眼差しで見上げてくる娘の口元を拭きながら、智依子は少し考える。
「今日はとってもいいお天気だから、お外にお出かけしようか?」
楓は手をたたいて「きゃあ!」と喜びの声を上げた。
食事を終え、洗い物など片付けを済ませてから、楓と手をつないで駅へと向かう。シーサイドタウンで、新しい夏服でも買ってあげようと思った。靴もいいかもしれない。この年頃の子は目に見えて大きくなって、すぐサイズが合わなくなってしまう。
まだどこへ行くとも教えていないのに、智依子と出掛けること自体がうれしいというように楓はずっと上機嫌で、智依子に抱かれて電車に乗っている間もふんふんと鼻歌をうたいながら窓から流れる景色を楽しそうに見ている。
そんな楓の目が、シーサイドタウンで降りてキャットロードに入った途端、大きく見開かれた。
「ママ、お耳を生やしたひとがいるよ!」
目の前をよぎっていった、ネコ耳カチューシャをつけた女性たちを指さして、智依子の服を引っ張る。
「しっぽも!」
同じくらいの子どもがおしりにかわいらしいピンクの狐の尾を付けて歩いているのを見て、さらに驚く。
寝子島では今、『けもの月間』ということでけものに関連したさまざまな催しが行われている。これが大変好評で、智依子のバイト先のハローニャック寝子島店でも、コスプレまではいかないそういったアクセサリーが多く売れていることを知っていた。
口をぽっかり開けて、色も種類もカラフルなけも耳や尾を付けて歩いている人たちに目を奪われている楓を抱き上げる。
「楓もああいうの、ほしい?」
「ほしい!」
即答する娘に、智依子は行き先を変更した。
ニャレッジヴァンガードは複合型書店で、本以外にもアクセサリーやぬいぐるみ、はやりのアニメグッズなどが数多く売られている。けもの月間の今、最も目立つ位置に飾られているのはやはりけも耳や尾、それに肉球付きの手袋、キーホルダーなどだ。本格的なコスプレセットもあって、よりどりみどり。色あざやかなそれらに早くも楓の目は釘付けになった。
「ママ、ママ! いい? ねえ、いい?」
興奮しきって、目をきらきらさせながら智依子の手を引っ張る。はいはい、と楓に引っ張られる形でそちらへ向かっていた智依子だったが、途中、平積みされた絵本が目に入った。
「楓、見て。『けもの幼稚園』シリーズの新しい本があるわよ」
『けもの幼稚園』シリーズとは、さまざまな種類の動物の園児たちと保母さんの周りで起きる、ちょっとしたハプニングを扱った絵本で、ほのぼのした絵柄と適度にハラハラする内容が幼稚園児たちに大人気の絵本である。もちろん楓も大のお気に入りで、智依子は毎晩寝る前の読み聞かせでリクエストされていた。
「えーっ?」
ぴたりと足が止まる。
「ほら、これ。『はじめてのおつかい、みんなできるかな?』。持ってないでしょ?」
智依子の持つ本を見て、「うん!」としっかり抱き締めた。
「まだ開いちゃだめよ。おうちで読みましょうね」
「うん! ママ、おふとんで読んでね!」
絵本を大切そうに胸に抱き込んだ楓とともにレジへと向かう。その通り道で通った特設コーナーでも、BODYNYAINの子ども向けけも耳としっぽをほしがったので、買ってあげることにした。一瞬財布の中身が頭に浮かんだが、来週買う予定にしていたサンダルを諦めればいいだけだと思った。
まだ去年の物が十分使い回せる。
それに
「ママ、似合う?」
早速けも耳としっぽを着けて満面の笑顔になった楓を見た瞬間、胸がきゅんときて。買って正解だったと確信した。
「すっごく似合ってる」
スマホのカメラを構えた智依子に、ピースをする楓。「踊って」とリクエストすると、ちょっと考えた後、おしりをふりふりし始めた。しっぽが揺れてかわいい。
撮影コーナーでパシャパシャやっていると、大人用のけも耳としっぽを持った店員から声を掛けられた。
「失礼します。
よかったら、お姉さんも付けてみませんか?」
店員の説明によると、そうして姉妹で撮った写真を何点か、販促用として店の飾りに使わせてもらいたい、とのことだった。
楓がここにいる誰よりかわいい、と思ったのは、どうやら親の欲目ばかりでもなかったらしい。
年の離れた姉妹と勘違いされるのはいつものことだ。あえて訂正はせず、
「いいですよ」
と応じて、店員に何枚か撮られた後、自分のスマホでも2人の写真を撮ってもらった。
「そのけも耳としっぽは、どうぞお持ち帰りください。ご協力いただきましたお礼です」
「ありがとうございます」
お礼を言って、いつごろ、どういうふうに使用されるか確認した後、店を出た。
そのころまた、楓と見に来よう。
「おなかが空いた」と楓が言ったので、ニャレッジヴァンガード・カフェでランチをとって帰ることにした。
期間限定のお子さまランチは、猫の顔をしたプレートに、犬や鳥や狼などの形にくり抜いたたまごやフルーツやクマさんの顔に整形されたチキンライスなどが乗っていた。智依子の頼んだスペシャルランチも、楓の物ほどではないが、やはり容器やサラダの野菜などがけもけもしている。
「これ、おいしーよ。
ママも、はいっ」
子ども用スプーンですくったチキンライスを差し出され、智依子はあーんとそれを食べた。
「おいしい」
「ママのはー?」
味見したがる楓に、智依子も一口分、自分のをスプーンですくってあげる。
「はい、あーん」
「あーん。――おいしーね」
けも耳を付けて、子リスのように頬をぷっくりふくらませた楓が、幸せそうに笑った。
「はい、どうぞ」
支払いのとき、レジの女性が楓の前にしゃがみ込んで、箱の入ったビニール袋を手渡してきた。ランチの見本の横に置かれていたので、それがスペシャルランチを頼んだらもらえるカップであることは智依子にはわかっていた。
「ママ、これー」
「よかったわね。大丈夫? 持てる?」
「持てるよ」
ぎゅっと握り締める。絵本のときと同じだ。する、できる、ということにチャレンジを感じる年頃なのだろう。
店を出て、前を歩く楓の姿をあらためて眺める。
あの小さかった赤ちゃんが、もうこんなに……。
いつまでも横に並ばないことを不思議に思ってか、楓が振り返り「ママ?」と手を伸ばしてきた。
「ごめんなさい」
その小さな手をとって歩きながら、智依子は娘の成長をうれしく思うとともに、あまり急いで大きくならないでね、とも思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年04月13日
参加申し込みの期限
2022年04月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年04月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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