南紀白浜を臨海学校で味わい尽くす！｜リアクション

南紀白浜を臨海学校で味わい尽くす！

　梓智依子は同級生と連れ立って南紀白浜アドベンチャーワールドに来ていた。
　最初に向かった先はサファリワールド。ケニア号に乗り込み、迫力のあるホワイトタイガーを目にした。
「思った以上に大きいね」
「そうね。怖いような気もしてドキドキしたわ」
　その間にホワイトタイガーは大口を開けた。欠伸とわかっていても上下の牙は鋭く、目にした智依子は肩を震わせた。
　次に向かったのはプレイゾーンだった。同級生はジェットコースターを指差した。
「あれに乗ろうよ」
「普通のジェットコースターに見えるけど」
「アドベンチャーワールドの上を通るから、また違った見え方が楽しめるかもよ」
「ちょっと興味が湧いてきたかも」
　智依子と同級生は短い列に並んだ。幸運なことに最前列の席に座ることになった。
「いよいよだね」
　隣からの興奮した声に、そうね、と智依子は短い言葉を返した。
　ジェットコースターが走り出す。思っていたよりも速度があったのか。同級生は下の景色を見る余裕がなかった。
「本当に良い見晴らしね」
　智依子は吹き付ける風に向かって微笑んだ。
　ぐるりと見て回ったあと、二人は園内の店に立ち寄った。小さな子供が喜びそうな物を選び、智依子と同級生は満足した顔で帰っていった。

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