出動！Cinnamon Cat's！｜リアクション

出動！Cinnamon Cat's！

　時間は少しさかのぼり、アヤが研究室で人質を助ける前。
「このまま出られなかったらどうしよう……」
　アヤによって部屋に閉じ込められたCinnamon Cat'sの面々は、がくりとうなだれていた。
「しょうがない……こうなったら、奥の手だよっ」
　エリナが、すっくと立ち上がる。何をするつもりだろうと首を傾げるメンバーをよそに、彼女は部屋の扉へと近付いた。そして、大きく声を出す。
「すいませ〜ん！　誰かいますか〜！　私、このままだと我慢できなくなっちゃいそうですっ……！」
　ナニが我慢できないのかは各々の想像に任せるとして、とにかくエリナは艶っぽい声で我慢の限界をアピールする。
　すると、密に吸い寄せられた蜂のように、通りがかった男性社員が足を止めた。
「我慢、できないのかい？　おじさんが、手伝ってあげようか？」
　変なことを想像したのだろうか。男性社員は鼻息を荒くして、扉を開けた。エリナはその男性社員に体を密着させ、耳に息をかける。
「わたしに、色々教えてほしいなっ」
「教える、おじさんなんでも教えちゃうよ！」
　既に鼻の下は伸びきっている。完全に落ちていることを確認したエリナは、絡めた体をより密着させる。
「ほんと？　じゃあ……」
　途端、男性の全身に走る痛み。エリナが、関節技をかけたのだ。
「っ！？」
「悪いことしてる場所は、どこかな？」
　水着のアイドルに密着されている喜びと、技を極められている苦しさが同時に訪れ、男性の脳は完全にパニックとなっていた。すべての情報を開示した彼を、誰が責められようか。
　そして情報と自由を手に入れた彼女たちは、水着からアイドル衣装へと着替え、急ぎ地下へと向かったのだった（着替えシーン5分）。

◇

「あなたたちは……！？」
「わたしたちはCinnamon Cat's！　悪事はここまでだよっ！」
　さすがにここまではリオも予想していなかった。が、手がないわけではない。
「こうなったら、仕方ない……」
　注射器を取り出し、サツキの腕に針を刺す。すると途端にサツキの目が正気を失い、あのショッピングモールで暴れた男と同じ目になった。
「その女の子に何をしたの！？」
「薬物の原液を注入しただけよ。さて、この子相手に戦えるのかな？　正義のアイドルさん」
　縄を引きちぎったサツキが、一目散にエリナへと向かう。エリナは傷つけないよう身をかわすが、その度にボリュームのある胸が揺れた。一方のサツキも、派手に動き回っているのにスカートを履いていたため、その中が度々写っていた。
（この戦闘シーンが約10分ほど）
「はあ……はあ……」
「もう体力も限界ね？　さあ、とどめを！」
　リオの合図で、サツキが飛びかかる。しかしその矛先は、エリナではなくリオだった。
「っ！？」
「こんなこともあろうかと、父は常に私へ薬物耐性をつける訓練をしてくれていました」
「それじゃあ、今までのは演技……！」
「お父さんの無念、晴らします！」
　サツキが勢いよく腕を振るうと、リオの手からリモコンが弾かれた。その隙を、エリナは見逃さなかった。
「今だっ！！」
　エリナが高く脚を上げた。ひらりとめくれあがったスカートから、一瞬宝物が見えた。のもつかの間、華麗なキックの連打でリオは吹き飛んだ。なおこの打撃による衝撃で、リオの衣装がびりびりに破けた。
　エリナたちはその場に残っていた他の男性組織員も一気に倒すと、ふうと一息ついてからカメラ目線でウインクしながら決めポーズを取った。
「甘い香りで猫パンチ、なんてねっ。悪いことすると、あなたもCinnamon Cat'sのお仕置きよ★」

このページにイラストを設定する