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……ほっ。とひと息、雪見温泉
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【沫雪】
寝子温泉のレトロな街並みを散策するほどに、ふたりの胸は高鳴ります。こんなにも美しく、懐かしくて居心地よくて、古めかしくも趣きある建物の並びはどこかそう、異質です。まるで非日常の世界。浮世離れして、別の世界へ迷いこんでしまったかのよう。そんな風景の中にこうして立ち、手をつないでいるだけで、ふたりしてわくわくが止まりません。それにここには美味しい食べものも、興味深いスポットや品物も、たくさんありましたから。
「ふふ。楽しいですね……尚輝さん」
「ええ、猫さんの案内のおかげですね」
あちこちふらふら、気ままに歩く白黒猫のアルクについていくだけで、ふたりはめいっぱいに温泉街を堪能できてしまいました。先ほどいただいた寝子島プリンをはじめ、帰りに買ってゆくお土産の目星もばっちりです。
ふにゃふわわ。白黒猫は大あくび。
「あ……そろそろ、日が暮れて来ましたね……」
「もうこんな時間ですか。そろそろ旅館のほうへ行きましょうか。これ以上美味しいものを食べると、夕食が入らなくなってしまいますし」
「ふふ。そうですね……あっ」
ふにふに。ふにゃん。白黒アルクは懐っこく、時子の足首にすりすりすり。案内猫もふたりと過ごして、楽しかったのかもしれません。
とはいえそろそろ、山の上でカラスもカアと鳴き出す頃。
「おや。アルクくん、お帰りですか」
「案内、ありがとうございました……今度は、美味しいおやつを用意しておきますね……?」
ひとつ撫でてやり、にっこり笑えば、アルクは満足げにふにふに。とてとてとて。おしりをふりふり、歩き去ってゆきました。
「……また会える、でしょうか」
「あの特徴的な毛並みは、一度見たら忘れませんから。きっとまた会えますよ」
寝子島は猫の島、不思議なにゃんことの縁もばっちり結ばれたことでしょう。どこかでひょいっと、あの白黒毛並みが顔を見せてくれることもあるでしょう。
夕焼け空にもはらはら、はらり、雪はまだ降りやまず。
冷えないように。ふたりはつながれた手と手を、きゅうっとにぎりました。
寝子温泉の一角、立派な老舗旅館が今日のお宿です。
「まあまあまあ。ようこそ、いらっしゃいました! ご夫婦でいらっしゃるのね、まあお若くて、手なんて握られちゃってお熱いのね素敵だわ、うふふ私も若い頃はダンナ様とそりゃあもうあらいやだ私ったら。さっそくお部屋にご案内しますね、景色の良い離れのお部屋ですのよ、きっとお気に召していただけると思いますわうふふふ」
「よ、よろしくお願いします……」
ちょっぴり押し強めの女将さんのあとに続いて旅館へ入ると、硫黄のにおいにまじって、古い木造建築ならではの木の良い香りが鼻をくすぐります。
長い渡り廊下に冷たい風が吹き抜けて、時子は尚輝の腕をむぎゅう。冬真っただ中、空はいつのまにやら雲が厚くなって、雪も少しばかり強くなったかもしれません。けれどこれもまた冬の趣き、冬の醍醐味。外気が冷たければそれはそれで、夫婦の絆もあたたまるというものです。
「こちらです、さ、どうぞ。お夕飯はお部屋へお持ちするのがよろしいかしら? はい、ではそういたしますね。大浴場はいつでもご利用ください、当旅館自慢の湯ですの、うちのお湯は塩化物泉と言いまして、疲労回復や冷え性の改善、ストレス解消、その他健康増進に効果バツグン! ああそちらはお部屋付きの露店風呂となっておりまして、うふふ、ご夫婦にはこちらのほうがいいかしら? 自由にお使いくださいね」
などとあれこれまくしたてて、女将さんはほほほと微笑みながら去っていきました。
離れのお部屋にふたり、唐突に満ちる静けさ。街の喧噪なんてまるで届かず、異質にして、心地よいこの静寂。
離れ! なんとよい響きでしょう。寝子島にあって、温泉街にあって、この老舗旅館の中にあって、ここだけがまるで時の流れから切り離されてしまったかのように錯覚してしまいます。今この瞬間、世界には時子と尚輝、ふたりだけ。互い以外にはなにもなく、必要もなく。純粋にして文字どおりの、ふたりきり。
「…………」
「…………えっと。お茶とコーヒー、どちらがいいですか……?」
「ああ。では、コーヒーを」
雪降る音さえ、ふたりの鼓動さえ聞こえてきそう。なんだか急に、意識してしまって。
「あ……あの。尚輝、さん」
「は、はい。時子さん」
「え、と、今日は……つ、連れてきてくれて、ありがとうございます。こんな素敵なお宿……とってもうれしいです」
「いえ、結婚記念日に旅行を、と提案してくれたのは時子さんですし。はい」
「…………」
「…………」
ふいに訪れた沈黙も、気まずいものでは決してありません。お互い胸が詰まって、あけ放した窓から吹き込む風の冷たさにも気づかないほど、見つめ合うばかりになってしまうだけ。
言葉はいらず、ただ互いが在ればそれでよく、ああこの人は自分の旦那さまなのだ、妻なのだと一年経ってあらためて思い起こせば、視界も胸も夫で妻でめいっぱいになってしまって、ついと指先がふれ、つんつんとたわむれに指を小突き合い、やがて絡めて握り合い、寄りそい合って、ちちち、チイチイ!
「……おや?」
窓の手すりに、ちょこん。小鳥がふたりをデバガメしておりました。
「あ、この鳥は、ええと。シメ? でしたか」
「はい。冬鳥ですね……あの太いくちばしで、木の実の種を割って食べるんです……」
いささかぷっくりと太めな鳥は、しばし夫婦の仲むつまじく抱き合う姿を見つめてから、気まぐれにぱたたと飛んでいきました。
手すりへうっすら積もった雪に、小鳥のお尻があったのだろう丸いくぼみがぽっかり。それがなんだか可愛らしくて、おかしくて、ふたり顔を見あわせてくすり、笑ってしまいました。
窓の外は雪化粧に覆われた白い街並み。
「ふふ……鳥さんの名前、よく覚えていましたね……尚輝さん」
「時子さんの好きなことは、僕も知りたいですから」
離れにふたりだけ、時の流れはゆったり、まったりと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年03月02日
参加申し込みの期限
2022年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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