【期末テスト】赤点？満点？？熱風、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？満点？？熱風、四日間の死線＜物語編＞

●テスト中の幻聴

　期末試験４日目。
　姫神絵梨菜は国語の試験に臨んでいた。

（テストが終われば夏休みっ♪　泳ぎに行きたいなぁっ……）

　もう４日目ということもあり、絵梨菜はもう夏休みのことを考えていた。

『過激なマイクロビキニで男ども誘惑して、熱く火照った肢体であんなこととか……』
「！？」

　何か変な声が聞こえて、絵梨菜は思わず周囲を確認する。しかし彼女に話しかけている人はいなかった。そもそも今は試験中。誰かが声を掛けてくることはない。

（えっ、まさか私の妄想っ？　は、恥ずかしいっ……真面目にやらなきゃっ！）

　絵梨菜は頭を冷やそうと服の一番上のボタンを外して、胸元に風を送る。しかしそれでも足りず、スカートも少しバサバサと動かして下のほうにも風を送る。

（やんっ、すっごい気持ちいいっ……快感っ！）

『姫神様の巨乳、ご参パイ……』
『今チラッとパンツ見えたっ』
（なんか心の声みたいなのまで聞こえてくるよっ。テスト中じゃなきゃ蹴り飛ばしてやるのにっ！）

　実はこのとき、教室には色情霊が混ざっていた。その影響を受けていたのだが、彼女は知りようがない。

（ダメダメ、テストに集中しなきゃ）

　絵梨菜は問題にどうにか意識を向けようとする。とくに時間のかかる長文読解がまだ残っている。

（えっと『白魚が跳ねた時のような指揮が』……『声を絞りだして』……）

　なんとか読めそうだと思ったのも束の間、頭がボーっとしてくるような感覚に襲われる。目が霞んで文章が所々読めない。
　
『く……のい……ちの……白魚……のような……指……が男……の逸物……を絞り……あげ……快……感で……絶……頂……』

（ってなにこれ！　この問題、えっちぃ官能小説みたいになってるよっ！？　こんなのどうやって答えるのよぉっ！）

　パニックと恥ずかしい気持ちを抱えたまま、それでもどうにか解き終えた。

（な、なんとか終わったぁ……）

　解答用紙を提出すると、ほっと一息つく。そして落ち着いてきた彼女は周りの男子たちに視線を向けた。

「ところで、テスト中私の方チラチラ見て何考えてたのかなっ？」

　さっと目線を逸らす男子たち。彼女はニッコリとほほ笑んだま、男子たちを見つめている。そして場の空気に耐えられなくなった男子が逃亡した。

「逃がさないからねっ！」