ミネラルショーがやってきた！｜リアクション

ミネラルショーがやってきた！

　１５：３０分。
　ペンダント作り講座会場では、新しい回の入場を開始した。
　まずは順番に並び、ペンと注文票を受け取る。
　注文票には革紐の色・中心の石・ウッドビーズの選択肢が書いてあり、○をつける。
　記入が終わったら材料の配布場所に移動し、紐・石・ビーズの順番で受け取ったお盆に乗せる。
　後は、作成テーブル（必要な工具類がいくつかのテーブルに分けて置いてある）に着席し、スタッフの説明を聞きつつ制作する流れなのだ。

　スタッフに誘導されたテーブルで、稀跡は葉月と桜と一緒になった。
「水上さん、ペンダントを作ったことがあるの？　なんだかとても慣れた感じね」
「うん、まぁね。アクセサリー作りが趣味だから」
　桜は、白い革紐と焦げ茶のウッドビーズ、真っ赤な紅玉随を実に手際よくペンダントに仕上げてゆく。
「三宅さんは黒い革紐なのね。今日の服に合わせた色合いなの？」
「……そう。私もアクセサリーはよく作るから」
　中心の石は破損を防ぐためなのか、細いワイヤーで囲まれており、輪になった部分に革紐を通すつくりだ。
　葉月は桜の質問に答えながら革紐を通し、翡翠の揺れる輝きを見つめる。
「２人とも経験者だったのね、すごいわ」
「部活に生徒会役員の掛け持ちで忙しかったから、ここしばらくはアクセ作りから遠ざかっててね。大丈夫かなぁと思ってたんだけど、身体が覚えていたみたい」
「じゃあ、復帰第一弾というわけね」
　桜の話に聞きながら、稀跡は青金石とウッドビーズを通し終え、工具を使ってそれらが動かないよう留める。
「深い青と金の星模様が素敵ね。ビーズの色も合ってる」
「ありがとうございます、三宅先輩」
　三人の少女は工具を片付け、出来上がったペンダントを身につけてみたり、写真を取ったりして楽しんだ。
「そろそろ終わりみたいね」
　桜がスタッフの呼びかけに応じて立ち上がり、３人はペンダントを包んで貰ってバッグに入れた。
　加工を頼んだブローチを取りに行く、という葉月と別れ、稀跡は桜と共に歩き出す。
　出口に向かう人の流れに乗り、心地よい疲れを味わいながら思う。

（今日は参加できて良かった。ミネラルショーがこれからも賑わうと良いわね）

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あとがき

担当マスター：陣杏里
ファンレターはマスターページから！

皆様こんにちは、『ミネラルショーに行ったのは一度だけ』の陣　杏里です。

最近はあんまり出かけられなくなったよねぇ、と考えて、お出かけシナリオを作ってみました。
カッティングされて光り輝く宝石も良いけれど、原石のままも美しいと思う今日この頃。
ご参加頂いた方のＡＣで、楽しく執筆できました。

ご参加頂いた方、お読み下さった方、どうもありがとうございました。

運営部より：運営部の不手際により公開が遅れてしまいまして、申し訳ありませんでした。（陣マスターは期限内に執筆しておりました）

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