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付喪神夜行絵巻
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◆
同室の
笛吹 ぴりり
が忘れていった笛を届けようと寮を出た
愛猫 萌々子
は、いつの間にか笛がなくなっていることに気付いた。
まさか落としてしまったのだろうかと周囲を見まわすと、周囲に人気がないことに気づく。夏の日差しがジリジリと地面を焼く気配意外には、セミの鳴き声が聞こえるばかりだ。
何か異変かと身構える萌々子の前に、ぼんやりとした小柄なシルエットが現れる。
それはぼんやりとした影が、笛の持ち主のような形を取ったものだった。なくなったと思っていた笛は、その首のあたりにぶら下がっていた。
影が口を開く。
『
愛猫 萌々子
』
ぴりり本人の声と笛の音が混ざったような声が聞こえたかと思うと、萌々子の身体は吹き飛ばされていた。近くの植え込みに背中から突っ込み、服越しに枝葉が刺さる感覚にうめく。
「いたた……」
今のは衝撃波だろうか。慌てて植え込みから身体を引き抜くと、胸ポケットに入れていたペンを抜いた。直後に影が発声――衝撃波が放たれる。
空中に線を描き、萌々子は『ペンは剣より出でて剣より強し』を発動。衝撃波がぶつかりあい、その余波に目を覆う。
「く……!」
『私はあなたが嫌いなのです』
その声には、耳に突き刺さるような嫌悪感と敵対心が込められていた。ぴりりのような姿をした影の言葉に、ずきりと胸が痛む。
『風紀委員になったのもぴりりを欺くためでしょう?』
突きつけるような強い口調から放たれた衝撃波は、二発でようやく相殺できる威力だった。声に乗った感情の強さが、そのまま衝撃波の強さに比例しているのだろう。
影の言葉は止まらない。
『風紀委員に入ることで、真面目な生徒のアピールになる』
萌々子の体がぴくりと跳ね、一歩後ずさった。ろっこんの発動が遅れ、相殺しきれなかった衝撃波に膝をつく。
『校内の見回りや持ち物検査日を予め知って、ののこ様親衛隊の活動を隠せる』
風紀委員が不正を暴くように、影は萌々子の欺瞞を次々に暴いていく。衝撃波と言葉それ自体が、萌々子の心と体を内と外から挟み潰すように責め立てた。
『そんな邪な気持ちは許せないのです!』
衝撃波をなんとか相殺して立ち上がり、けれど萌々子は影を直視できない。
「……あなたの言う通りです。私は打算的な考えばかりで近づきました」
影の言葉は真実だったから。確かに最初はそうだったから。
『やっぱり……!』
怒りと嫌悪と敵意を圧縮したような声が、凄まじい密度の衝撃波となって萌々子を襲う。歩道へ背中から叩きつけられてうめく萌々子に、影は怒りに輪郭を震わせて歩み寄る。
『ぴりりが、』
「でも」
影の言葉を遮り、萌々子の唇から今まで言葉にしたことのなかった想いが涙と一緒にこみ上げる。胸がずきずきと痛み、振り絞る声は震えていた。
「一緒に過ごすうちに思ったんです」
ぴりりが過ごすのは、普通の生活であってほしい。
「日常が崩壊するようなことには巻き込みたくないって!」
だからぴりりが親身になってくれても、何もないようなフリをすることしかできない。本当のことを言えば巻き込んでしまうから何も言えなくて、そのことがこんなにも辛い!
『そうやって……っ』
衝撃波を受け、萌々子は空き缶じみて歩道を転がる。影の輪郭は踊り狂っていた。
『そうやって欺くつもりですか? ぴりりだけでなく私も!』
衝撃波を今度は相殺し、萌々子は歩道に手をついて立ち上がった。瞳の奥がずきずきと痛むのをこらえて影に歩み寄る。
「気付いたんです。私と違ってまっすぐで、純粋で素直ではっきり言える彼女に憧れてるんだって」
影の手を取った萌々子は、懺悔でもするようにその手に自分の頭を押し付けた。影が形作る手の輪郭を、ぽろぽろと涙が伝っていく。
「なのに私は隠し事ばっかりで、ごめんなさい……」
それは確かな懺悔だった。ぴりり本人には決してできない告白だった。すれば彼女をフツウに引きずり込んでしまうから。
しばらく、萌々子と影は遠く響く蝉しぐれに打たれ続けていた。
『……私は嘘つきは嫌いなのです』
萌々子が顔を上げると、影は弱々しく首を横に振った。
『でも、ぴりりを傷つけるものはもっと嫌いなのです。だから……』
影が萌々子を見る。その視線は、ぴりりが親身になってくれる時のソレに似ている気がした。
『だから、責任を持って嘘を付き続けるのです』
それは付喪神の裁きであり、願いだった。
萌々子が頷くのと同時に、影は陽炎のように姿を消す。その首にかかっていた笛が宙に投げ出され、萌々子は慌ててキャッチした。
途端にセミの声がやかましさを増す。思い出したように痛みを訴える身体に顔をしかめた萌々子は、道の向こうからやってくる小柄な人影に気付いた。
どうやら、さっそく一つ嘘をつかねばならないらしい。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月30日
参加申し込みの期限
2022年02月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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