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寝子島高校
たとえばあなたが、
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【コピー&ペースト】
4月。深宇宙より一個の隕石が飛来した。直径10cmにも満たない石ころのごときそれは、大気圏突入の摩擦にも燃え尽きず空を横切り、神奈川県木天蓼市、寝子島高校の敷地内へと落下した。
激突の衝撃は強烈な余波を伴い寝子島とその周辺へ甚大な被害をもたらすと思われたが、隕石は意外にも、高校の象徴たる時計塔を貫き歴史深い講堂を粉砕したことを除けば、目立った破壊を行わなかった。当時講堂には女生徒が一名、教師から言付かった雑用を片付けていたが、衝撃で飛散した破片によって軽い切り傷を負った程度で、意外にも命に別状はなかったという。
見たことのない壁。見たことのない天井。それでいて
北条 冬華
は、自分が寝子島高校の校舎内に立っていることを知っている。
「なんですか……これ」
砕け散った窓。風穴の開いた壁。崩れた天井の向こうには夜の空が見えた。
廃墟と化した我が校に、冬華は立ちすくんでいる。いつからそうしていたのかは分からない。自分がどうやってここへ、なぜ来たのかも。
ただ、ぎらぎらと輝く星空を見上げると、冬華は本能的な恐怖を覚えた。
あたりは暗闇。廊下を満たす暗黒のそこかしこに潜む、何らかの気配。背骨を不快な冷たさが這い上り、皮下を悪寒がうごめく。四肢はしびれ硬直する。
「に……逃げなきゃ」
何から逃れようとしているのかも分からず、冬華は駆け出す。朽ちかけたここはまるで迷宮だ。知っている場所のはずなのに。あの壁も、あの窓も、あの教室も。
知っているはずなのに。
7月。再三の調査にも関わらず、研究者らが落下の痕跡一つ発見できないことに世間の関心は離れ、話題も下火になっていった。なんとかいうアイドルの醜聞や女優の電撃結婚、内閣閣僚の汚職、日本人メジャーリーガーの痛快な活躍が宇宙科学史上もっともセンセーショナルなニュースとそれへの期待、一転しての落胆さえも押し流してしまった。
当の研究者らまでもが放棄した疑問を、一介の記者たる自分がなぜだか諦めきれなかった。初夏の熱さと登校する生徒らの向ける奇異の視線に耐えながら砂利をほじくり、瓦礫を検分し、見つけた他愛のないあれこれを各方面へ逐一報告した。初めはありがたがるそぶりを見せていた彼らもやがてあからさまにうっとおしがるようになり、自分の行いは真実の探求というより自虐や孤独へ自らを追い込むマゾヒズムにも思えたが、それでも止めることはできなかった。
なぜ誰も、気にならないのだ? なぜそうも簡単に諦めてしまったのだ?
「た、助けてください……!」
何度叫んだか分からない。冬華は必至に声を絞り出すが、目の前へ現れる誰へも届かない。
「ひ」
代わりに息をのんだ。
廃墟をさまよう生徒たちも、教師らも、みなが正気を失っていた。左右の瞳はたがいちがいに眼孔をめぐり、頭も肩も腰も四肢も壊れた玩具のように跳ね、
「ひ。ひっ」
冬華が絶句し目を見開く間に、誰もかれも頭蓋をめりと割り、脳に蠢く肉色をした無数の触手を露出させる。それらはすがるように冬華へ向け伸びてくる。
そのたび弾かれたように駆け出す。かつての明るい学び舎はもはや半ば崩れ、もう半ばは肉色の壁にのまれていた。
「どうして。どうして」
日頃の鍛錬のたまものか、幸いにして身体は軽快に動く。平時より調子はよいくらいだ。こんな状況でなければそれを喜んだろうが、今の冬華の胸を占めるものは恐怖のみに他ならない。
冬華が助けを求めるたび、肉の花が咲く。そうまさに花咲くように、知人も友人も、恩師も等しく頭蓋を割り、触手と成ってゆく。
「どうして……なんで。どうして、こんな」
花が。花が咲いてゆく。なんて、
「こんな。どうして、私」
なんて、美しい。
10月。事件を追ううち、かすかな痕跡から導き出した答えが疑いから確信に変わったのは、あの負傷した女生徒を再び取材した時だ。
疑問は二つ。いくら探求し続けても得られなかった。
隕石はどこへ行ったのか?
いや、そもそも……あれは確かに、隕石だったのか?
研究者の一人が諦観まじりのため息とともにジョークを発した。隕石は足を生やし、寝子島の美味な特産物を味わいに出かけたのだろう。
教師を通じ呼び出すと、あらわれた少女は相変わらずモデル顔負けのすばらしいスタイルの持ち主で、その美しさに一瞬のまれかけたが、残念ながら彼女の本質は既にそこには無いことへ思い至った。
事件当時は明朗に体験談を述べた彼女が、何も覚えていないと自分に語った。隕石落下の事実さえ知らないと。
そしておれは彼女の瞳を、赤い皮膜のような、二枚目のまぶたがまたたくのを見た。
手をふれば、花が咲く。手を伸ばすたび、咲き誇る。
ああ、綺麗です。
12月……もうこんな取材になど意味はないわけだが、それでも記録を止めることができないのは、染みついた記者の性か。
阿鼻叫喚やそこらじゅうに散った血痕に逃げ惑い叫ぶ者と、そしらぬ顔の
北条 冬華
たち。今や寝子島高校の校舎内を行き交う存在は二分されている。
落下を装い、手に入れたのだ。この惑星において生存、生息し続けるための形質を。そして潜伏し、研究者の誰にも悟られぬまま、準備を進めていたのだ。
増えるのだ、あれは。あの触手を喉奥に差しこまれ、肉色を植え付けられて、全てが
北条 冬華
へと変わってゆくのだ。
今目の前で微笑む彼女は
北条 冬華
を演ずるまったく別の存在だと理解しながら、その美しさにやはりおれは魅入られずにいられない。
増えてゆく。寝子島から日本中へ、日本から世界中へ、
北条 冬華
が広がってゆく。
すぐにおれも、彼女になるだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月30日
参加申し込みの期限
2021年12月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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