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堕ちるは付喪神、荒ぶる精霊を討滅せよ
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洞窟の最奥、瘴気が渦巻く地。
数メートルは超えているであろう巨体を揺らしながら瘴気に侵された付喪神【ヤガン】はその巨大な足で地を踏みぬいた。
地響きが発生し、辺りの地面が割れる。割れた地面からは熱く白い蒸気が噴き出し周囲を靄に包んだ。
薄靄の中を機械式展開翼【エルメリアウィング】を広げ、バーニアを吹かしながら
常闇 月
は飛ぶ。
ヤガンが放つ黒い闇色の塊を身体を数回翻して避けると腕部分に分割したユニットからビームを放つ。黄色い粒子が集まり放たれたビームが靄を掻き散らすようにヤガンを撃ち抜いた。しかしヤガンはさして気に留めていないようで常闇を打ち落とそうとその剛腕を振るう。
迫る巨大な岩のようともいえる拳を避け、その腕に沿うようにして飛んだ常闇はすれ違い様に夜泣きの刀でヤガンを斬りつけた。硬質な装甲と刃がぶつかり、火花が散る。
斬り抜けた常闇は身体を反転させ、滞空しながらヤガンを睨む。
「……流石に硬いですね、やかんの付喪神の装甲は伊達じゃないといった所でしょうか」
「だったら属性攻撃でやればいいんだよっ! チビナミちゃん、ナディスちゃん、お願いっ!」
滞空する常闇の下を突っ切る様に走ったのは
白 真白
であった。彼女は支給品のびりびりロッドを下手に構え吼えるヤガンへと突っ込んでいく。
「当たるんじゃないわよっマシロッ! アビス値、誤差範囲内、射線軸クリアッ! ぶちぬけぇぇえーーッ!」
真白の声に呼応し空中に跳び上がったイザナが黒く鋭角的な翼を背中に広げる。それらは細かく装甲を展開し、赤い粒子【アビス粒子】を放った。
両手の展開した装甲を合わせるように構えるとイザナは極太の閃光を放つ。通路を埋め尽くさんばかりのビームが放たれ、ヤガンはそれを腕を交差させ真正面から耐える。表面装甲は焼いたようだが大きなダメージがあるようには見えない。
「だったらこれで! 蒼き氷の刃よ、凝結せし終わりの爪よ、我が声に耳を傾け……降り注がんッ! アイシクル・レイナーッ!」
ナディスが体内の魔力を用い、足元に大きな魔方陣を展開する。それは発光しながら回転し輝いた。
次の瞬間、ナディスのかかげた手のひらから無数の氷の刃が放たれる。それらはヤガンに命中すると棘状の氷爪を幾重にも生み出してヤガンの装甲を削った。
猛攻撃に怯み、ヤガンが膝をついた瞬間を狙い、真白はその懐に突っ込んだ。
「いっけぇえええーーーッ! びりびりだぁぁああーーーッ!」
杖の根元にあるハンドルを握り、回転させながらトリガーを引くと杖の先端がアラート音と共に展開を始める。いくつもの機械のアームが広がり、砲口ともいえる穴が姿を現す。
杖の中心に青白い光が集まるとそれは急激に膨張し弾けるようにして稲妻と閃光を放った。真白は歯を食いしばり、体を貫く電流の痛みに耐える。
激しい稲妻と閃光に晒されたヤガンは苦しみの叫びをあげ、その場に倒れた。彼の身体から瘴気が少しだけ漏れ出す。
「ぐ、ああ、わた、し、は……ぐぅううおお! いかん、離れるのだぁあ、人の子らよぉお、わ、我が意思は、じきに消え、るだろう……こんなことを頼む、のは、本意ではないが、私を……殺し、て、くれぇええ! これ以上、穢れた姿を晒す前にぃいいいい! ぐぅう、アアァァァアアアアアアアアアアアッッ!」
悲痛な叫びをあげるヤガンは再び黒い瘴気に包まれ、暴れ始める。
滞空していた八神はそれを見て歯がゆそうな表情を浮かべた。
「くっ、やるしか、ないか。みんな、ヤガンを解放する為、全力で攻撃を仕掛ける……これ以上、神としての彼を、貶めるわけにはいかない!」
「わかった、ごめんね、ヤガン……今、私たちが楽にしてあげるから!」
真白は暴れるように放たれるヤガンの瘴気弾をジグザグに走ってかわし、杖の先端からいくつもの雷球を浮かび上がらせる。雷球は杖の動きと連動しているようで、真白が杖を振り下ろすとそのまま真っ直ぐにヤガンへと殺到する。青白い閃光がいくつも爆ぜた。
(ヤガン……君は、同じなんだ、ぼくの考えたあの物語の彼らと)
月原 想花
はヤガンの拳を横っ飛びに避ける。まだ場数が少なく、戦闘慣れしていない彼女は受け身が少々不格好であり、体勢を立て直すまでに少々時間が掛かった。
それでも彼女が食い下がるのには理由がある。想花にはヤガンの苦しみがわかるのだ。痛く苦しいその想いが。
想花は趣味で物語を書いている。いつ完成するともしれない物語だが、彼女はそれに心血を注いでいた。
そんな彼女の物語の登場人物。あるボスキャラにヤガンの境遇はよく似ているのだ。
飛び交う瘴気弾を切り払いながら走る想花だがその足元で瘴気弾が炸裂した。衝撃に吹き飛ばされる想花を救ったのは白いマスクとスーツに身を包んだヒーローストレイトこと、
風雲児 轟
。彼は抱きかかえた想花を優しく地に降ろす。
「わかるぜ、あいつの気持ちがわかるからこそ手は出しづらいよな。だが、迷った刃は相手には届かない、辛かったら俺たちに後は任せて、下がってもいいんだぜ」
想花はしばし考える。自分にヤガンを斬ることができるのだろうかと。
ヤガンは瘴気をどんどんと取り込み、歪な姿へと変わっていっているようだった。時折あげる咆哮が彼女には悲しんでいるようにも聞こえる。
「……ぼくもやるよ。彼の悲しみを……ここで終わらせてあげないといけないからね」
「――その目、どうやら迷いは吹っ切れたようだな。ならもう大丈夫だ、一緒にあいつを苦しみから解放してやろうぜ!」
力強く頷き、想花は轟と共に走った。飛んでくる瘴気弾を刀で切り払いながらすれ違い様にヤガンの腹部を狙う。
叩き潰そうと振るわれたヤガンの拳をぎりぎりで捌くと想花は夜泣きの刀の力を解放する。刃から溢れ出す水の奔流がその軌跡に乗り、蒼い剣閃となってヤガンを斬り裂いた。
彼女の瞳から大粒の涙が流れるが、想花はそれを手の甲で拭って切っ先をヤガンへと向け直す。
まだ泣き崩れるわけにはいかない。彼を解放するその時まで、悲しみはお預けだ。そう思って想花は再び刀を構えてヤガンへと走る。
その時、上空では八神と常闇が息の合ったコンビネーションを見せていた。
彼らの動きを阻害しようとヤガンが無数に放った瘴気弾の細かな弾幕を二人は縫うように飛び、その手のユニットからビームを放ってヤガンを貫く。
二人は攻撃ポイントを合わせ、ダメージが分散しないようにヤガンの装甲の比較的薄い部分、関節部を狙って攻撃を仕掛けているようだ。
度重なる攻撃でヒビの入った関節部へ常闇の刀が振るわれる。次の瞬間、金属の割れる音がしてヤガンの装甲が一部剥がれ関節の内部が剥き出しとなった。
「行くぞ、あの部分へ集中攻撃、奴の手数を減らすッ!」
「わかりました。先に行きますっ!」
常闇は魔獣側のマントを翻し、エルメリアウィングの推進器へエネルギーを集中させる。ウイングは装甲が開き、細かな機械の羽を展開、そこから魔力をブースターのように噴射する。
空中で加速した常闇は夜泣きの刀から水流を迸らせ、剥き出しとなったヤガンの関節部を狙った。常闇に斬り裂かれた関節の内部へ水が流れていく。
「さあ、痺れる一撃と行こうじゃないか」
八神はびりびりロッドの展開機構を起動、雷をチャージしながらヤガンへと高高度から急降下していく。
ヤガンは彼の攻撃を防ごうと瘴気弾を数発放つ。一発目、二発目は避けたが三発目が八神の左腕へ命中、その部分のユニットが吹き飛んで八神は大きく体勢を崩して墜落した。
落下しながらも彼は慌てず、コアユニットを用いて飛ばされたユニットを遠隔操作し、呼び戻す。空中でユニットをキャッチすると腕に再び装着、地面すれすれで空へと舞い戻った。
チャージが完了したびりびりロッドを振り被り、ヤガンへと八神は接近する。振るわれる拳を紙一重で避け、ひび割れた関節部分を思いっきり殴打する。直後、激しい閃光が発生、稲妻が八神とヤガンを包み込んだ。
「グゥウウアアアアアアッ!」
悲痛な叫びをあげ、ぶすぶすと黒い煙を体のあちこちからヤガンは立ち昇らせ、その場に片膝をついた状態となった。その前に白きヒーローが立つ。
「ヤガン、付喪神だったお前はきっと色んな奴の想いが形になった奴なんだよな。あいつらに騙されなかったら、霊界に上がれたはず。納得できないよな、つれぇよな……だったら、俺がその想い、全部受け止めてやるっ! それがヒーローってもんだ!」
咆哮を上げ、立ち上がると突っ込んでくるヤガンに真正面から轟は対峙する。身体能力の向上があるとはいえ、あの巨体と真面に打ち合えば無事では済まないだろう。
だが彼は一歩も臆することもなければ退くこともない。それがヒーローとしての――救う者としての在り方だからだ。
轟音と共に振るわれる拳を腕を交差させて轟は受け止める。ずしんと圧し潰されそうな衝撃が彼を襲う。白いマスクの下で苦笑いを浮かべながら轟はその衝撃に耐えた。
「へへ、やっぱ強いなぁお前は。だがまだこんなもんじゃねえだろ、よし、今度はこっちの番だっ! いくぜ、ナディス!」
「はいっ、ししょーッ! 地を走るは雷、瞬くは閃光……奔れっレイディング・ブラストリアッ!」
ナディスが詠唱を完了させ、合わせた手の平から鋭い雷を放つ。三本の稲妻が絡み合いながらヤガンへと向かい、ヤガンの身体を打ち貫いた。
怯んだその隙を逃さず、夜泣きの刀を構えると轟はヤガンの懐に飛び込んで思いっきり刀を振るった。横一文字の斬撃がヤガンの装甲を引き裂く。
「どうしたっ! まだあるだろっ! どんどん打って来いっ! お前の中にある湧き上がるその衝動を! ふつふつ煮えたぎる想いを! 全部俺にぶつけるんだッ! ヤガンッッ!」
轟の言葉に呼応するかのように、ヤガンはその腕を何度も振るう。何度も。何度も。
その振るわれる拳を轟は腕を交差させて耐える。彼のどうしようもない想い、忘れられた者たちによる恨みや妬み、その全てを受け止めようというのだ、彼は。
その行動は一見無謀にも思えるだろう。そんな危険行為は自殺行為にも等しい。
だが彼は平然とそれをやってのける。そして必ず生還するのだ。なぜか、それは……彼がヒーローだからに他ならない。
そんな轟を支援するように魔法を飛ばしながらナディスは心配そうに見つめる。彼ならば平気だとわかっていても、心配なものは心配なのだ。
轟の手元で夜泣きの刀が淡く青色に輝く。
「……ヤガン。お前の想いはしっかりと俺が受け止めた。今……楽にしてやるからな、行くぜっ!」
夜泣きの刀を振るい、ヤガンを斬り上げながら轟は彼の身体を足場に空中へ飛んだ。体を捻って回転させながら蒼い水流を纏い、大上段に刀を構える。
そしてそのまま進化能力を発動。全体重を乗せ、ヤガンへ轟は夜泣きの刀を振り下ろした。
「悲しみの想いを刃に乗せ、今ここにその鎖を断ち切るぜ! ストレイトォォクリアストリウムスラッシュゥゥウウーーーッッ!」
蒼く輝く滝ともいえる縦一文字の一撃がヤガンの身体を両断する。二つに分かれたヤガンの身体はざあっと塵へと変わる様に消え去っていく。
体が消え去る中、穏やかな表情へと変わったヤガンはその場の者達へ最後の言葉を贈った。
「嗚呼、人の子らよ。すまない、私の不注意でこんな、辛い仕事を押し付けてしまって。君たちのおかげで私はこうして付喪神として消えることができる……最後に言わせてくれ――――ありがとう」
ヤガンはその言葉を最後にそのまま塵へと還っていった。
寝子島の民の奮闘でここに堕ちた付喪神は見事、討伐されたのだった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月16日
参加申し込みの期限
2021年11月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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