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部活動のお時間です! ~文化部編~
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笛吹 音花
と
大葉 雛子
の2人は、広い空き教室の両端でそれぞれ愛用のリコーダーを手にしていた。
音花は少しサイズの大きいアルトリコーダー。雛子は小柄なソプラノリコーダー。
互いに背を向けた状態で自分のパートの旋律を奏でていく。
「さ、最初は、簡単なものから……この中で聞いたことのある曲は、ありますか?」
数週間前、雛子は音花から数枚のCDを見せられていた。
どれも有名なポピュラーソングで、誰でも一度は耳にしたことがあるような曲ばかりだった。
「聞いたことがある、なら全部あるよ! 好きなのはこれかなぁ?」
そうして指差したのは、男性アイドルグループの歌うドラマの主題歌に使用されていた曲のCDだった。
「こ、これですね……わ、わかりました」
その数日後、部活のために空き教室に集まった雛子に音花が手渡したのは好きだと言ったポピュラーソングのリコーダー用の楽譜。
シンプルなアレンジのその楽譜は音花の自作。
「ま、まずは知ってる曲からが、いいかな、って……」
「すごいよ! 音花ちゃんこんなことまでできるんだ!」
ほとんど初心者レベルの2人だが、こうしてまずは一曲完成できるようにとパート練習を重ねてきたのだった。
「ひ、一通り練習し終えたら……今日は、あ、合わせてみましょうか?」
「そうだね! そろそろ一緒にやりたいよ!」
「そ、それじゃあ、えっと……30分間は個人パートで、それから」
「合わせるんだね! おっけー! 頑張るよ!」
今日も同じようにパートごとに楽譜を持ち練習を始める。
「うぐ……やっぱりドが届かない……!」
小柄な体に比例して手も可愛らしいサイズの雛子は、小さいとはいえそれなりの長さがあるソプラノリコーダーのすべてをふさぐのに苦労していた。
「これじゃあどんなに頑張ってもアルトは無理かなあ」
そんなことを呟いて首を横に振る。
「弱気で行ったらリコーダーに負けちゃう! 頑張るって決めたんだから!」
自分に喝を入れて練習に励む。何度も何度も繰り返してきたメロディを、記憶にある音楽と照らし合わせながら流していく。
間違えないように慎重に、楽譜を目で追って行き、吹き終えたときには約束の30分が過ぎようとしていた。
「す、すごく集中してましたね……」
音花の言葉に照れ臭そうに笑顔を見せる雛子。
自分でも時間の経過が感じられないくらい必死だったことに気付いて、リコーダーをぎゅっと握った。
「よし、じゃああわせてみよ! さっきの感覚を忘れないうちに!」
「はい!」
教室の中央で向かい合い、互いに楽譜を目で追う。
アルトリコーダーのメロディが始まりソプラノリコーダーが主旋律をなぞっていく。
音花が足元でリズムを刻みつつ、確かな音程で音が重なっていく。
最後の一音を吹き終わり、リコーダーを口から離す。
はじめてのアンサンブルに2人とも声が出せずにいた。
「……で、できましたね」
「うん……緊張した」
興奮しているのか、どくどくと血の流れる音を聞きながら2人は顔を見合わせる。
しばらく沈黙が続き、やがて雛子が音花に抱き着く。
「できた! 間違えなかった! すごい! 嬉しい!」
「きゃっ、お、大葉さん!?」
突然の衝撃に思わず眼鏡をずらしつつ、音花もしっかりと雛子を受け止める。
「や、やりました! は、はじめての曲ですよ!」
雛子につられて音花も興奮気味に声をあげる。
「ど、どうしよう落ち着かないよ!」
「え、えっと、お、お水飲みましょう、お水を!」
用意しておいた紙コップに飲料水を注ぎ、飲み下してほっと一息。
呼吸が整ったところで雛子がふと呟いた。
「どうせなら誰かに聞いて欲しいよね」
空き教室に2人きり。せっかく一曲完成したのだから、他の誰かに聞いて欲しい。
そんな雛子の願いに、音花はおずおずと提案する。
「な、中庭とかで、もう一度、やってみますか……? あそこならきっと、い、いろんな人が通りますよね……」
「中庭リサイタル! うわぁ、やりたい! やろうよ音花ちゃん!」
雛子に手を引かれて音花も立ち上がる。
楽譜を片手に中庭への階段を下って行った。
放課後の中庭には、まばらながら生徒たちの姿があった。
しかし目視で確認できる以上に教室の窓が開いていたり、時々運動部の生徒たちが飲み物を買いに食堂へ走っている。
リコーダーを片手にやってきた2人を何事か、何か始まるのかと見つめる目もいくつか。
その視線に気づき、音花はだんだんと頭の中が白く染まっていく。
「音花ちゃん、大丈夫?」
心配そうにのぞきこんだ雛子の瞳に映った自分の顔を見て、音花は両手で頬を叩く。
「だ、大丈夫です! 大葉さんも一緒だし、さ、さっきはちゃんとできましたし……」
それでも緊張しているのか語尾が少しずつか細くなっていく。
雛子に励まされてリコーダーを構える。
心の中でリズムを取ってから、音花はアルトリコーダーに空気を送り込んだ。
「オっ?」
サッカー部の休憩中に飲み物を買うため中庭を通りかかっていた
汐崎 キミ
が、リコーダーの音に足を止めた。
フィンランドで過ごしてきたキミにとっては聞き慣れない音色。
「リコーダーだな」
同じサッカー部員の呟きに首を傾げながらも通り過ぎようと足を速める。
ちらりと伺った中庭には見慣れた顔が棒状の楽器を演奏していた。
「音花ちゃんダ!」
一緒にいた部員に断りを入れ中庭へ進む。
断片を聞いただけではわからなかったが、どうやら演奏しているのは街中やテレビなどでよく聞く曲のようだった。
演奏が終わるのを待ってキミは音花の元へと駆け寄った。
「かわいー音ダネー! ナに吹いてたノ?」
「し、汐崎さん……こんにちは」
知り合いに聞かれているとは思わなかったのか、音花は視線を泳がせながらキミの質問に答える。
「これリコーダーっていう楽器なんです。し、知りませんか?」
「リコーダー? ああ、えっと、知らナイなー」
先ほど一緒にいた部員がそんな言葉を発していたなあと思い出しつつも、その言葉にピンとくる記憶はない。
「わ、私と大葉さん、リコーダーアンサンブル同好会なんです……」
隣にいた雛子がこんにちはー! と笑顔を見せた。
「あ、ドーモ、こんにちハ。いつも音花ちゃんにお世話になってマス。1年10組の汐崎キミです」
「大葉雛子です。音花ちゃんのお友達なんだ! 本当にリコーダー見たことないの?」
フィンランドに居たことを知らない雛子が不思議そうな顔をする。
「俺、ずっとフィンランドにいたかラ。フィンランドではカンテレっていう楽器が主流カナ?」
「カンテレ、ですか……?」
「そー! 弦楽器でね、フィンランドの民族楽器なんだヨ」
音花と雛子は見たことのないカンテレという楽器に想いを馳せる。
「日本にも似たような弦楽器あったヨネ? こう、横向きにおいて使うんだケド……」
「琴、でしょうか?」
「そう! ソレ! どこかで見たとき似てるナって思ったんダ!」
琴、琴かー、と繰り返しつぶやくキミの姿に音花も雛子もくすりと笑う。
「同好会って、2人ダケなノ?」
「は、はい、今はまだ」
キミの問いかけに音花は少しさみしそうに応える。
「あたしがソプラノで、音花ちゃんがアルト。ほんとはあとテナーとバスのパートができる人がほしいんだー」
「てなー……? ばす……?」
「も、もっと低い、低音パートのことですよ」
「……えーと、ウン。よかったらクラスの子に声かけてみよっカ?」
音花の説明でもいまいちぴんと来ないのか、眉を顰めながらも、同好会の宣伝に一役買うことを提案する。
「い、いいんですか?」
「本当!? ありがとー!」
2人でも十分に楽しいが、全パートでアンサンブルをしてみたいという2人の夢がかなうかもしれない。
キミの言葉に心から嬉しそうな表情になり、キミも張り切ったように胸を張る。
「任せテ! おっと、そろそろ休憩終わるから行くネー! 2人ともリコーダーがんばってネ! モイモーイ!」
時計を見て少し慌てたように中庭から走り去っていくキミの背中に、音花が声をかける。
「ま、また応援行きますね!」
その言葉にキミは嬉しそうに腕を振り上げた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
48人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月15日
参加申し込みの期限
2013年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月22日 11時00分
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